フリーランスなどの個人事業主は雇用保険に加入できない? 加入できる方法は?
配信日: 2022.12.15
しかし、個人事業主になると、保険や税金のしくみが大きく変わるため注意が必要です。
本記事では個人事業主は雇用保険に加入できるのかどうか、雇用保険のしくみなどを詳しく解説します。独立して事業を始める予定がある方は、雇用保険の正しい知識をしっかりと身につけましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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雇用保険のしくみ
「雇用保険制度」は労働者が失業した場合などに出る失業手当や、再就職をするための援助など、雇用に関する総合的機能をもった制度です。
この項では、雇用保険のしくみについて次に挙げる2つを解説します。
雇用保険の加入条件
雇用保険のメリット
雇用保険制度のしくみがよく分からない方は、しっかりとチェックしておきましょう。
雇用保険の加入条件
雇用保険は、次に挙げる1と2のいずれにも該当する場合に被保険者となります。
1:31日以上引き続き雇用が見込まれる方で、次に挙げる条件に当てはまる方
・雇用期間の定めがない方
・雇用期間が31日以上ある方
・雇用期間に更新規定があり、31日未満で雇い止めの明示がない方
・雇用期間に更新規定はないものの、同様の雇用契約により31日以上雇用された実績がある方
2:1週間の所定労働時間が20時間以上の方
雇用保険のメリット
雇用保険に加入することの主なメリットは、次に挙げる2つの給付金がもらえることです。
・失業手当
・教育訓練給付金
「失業手当」は、離職日からさかのぼって2年間のうち12ヶ月以上働いた期間がある方が、再就職の意思・能力があっても就職できない状態であることを条件に受給できる給付金です。
雇用保険は加入していた方が退職しても、自動的に給付されるものではありません。ハローワークで求職の申し込みをしなくては、「再就職の意思がない」とみなされるため注意が必要です。
「教育訓練給付金」は、厚生労働大臣が指定している教育訓練を修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。保育士や美容師、看護師など専門性の高い資格も取得できる講座があるため、手に職を付けて再就職をしたい方にとって大きなメリットだといえます。
個人事業主は雇用保険に加入できる?
雇用保険に加入すれば退職したときの失業手当や、再就職に必要な資格を取得するための支援などが受けられます。しかし、会社員ではなく個人事業主の場合は、雇用保険に加入できるのでしょうか。
個人事業主は働き方によって、雇用保険に加入できるケースとできないケースがあります。この項では、それぞれのケースについて解説しますので、会社を辞めて独立を検討している方はぜひ参考にしてください。
個人事業主本人は加入できない
個人事業主本人は雇用保険に加入できません。雇用保険は「雇用されている方」を保護するための制度のため、ご自身で事業を行っている個人事業主は対象外として扱われるからです。
なお、個人事業主と同居している親族も原則として雇用保険に加入できません。ただし、事業主の指揮命令に従って業務を行っていることが明確である場合など、一定の要件を満たせば加入できることもあります。
個人事業主が雇用保険に加入できるケース
個人事業主がご自身の事業以外にもダブルワークをしており、雇用されている場合は雇用保険に加入できます。
従業員が雇用保険の加入条件を満たせば、雇用主は加入させなくてはいけません。しかし、週20時間以上ダブルワークで働くとなると、ご自身の事業がおろそかになる可能性があります。ダブルワークをする場合は、本業とのバランスを考えて行いましょう。
個人事業主本人は雇用保険に加入できない
雇用保険は「雇用されている方」を保護するための制度のため、フリーランスをはじめとした個人事業主本人は加入できません。しかし、本業以外にもダブルワークをしており、週20時間以上雇用されている場合など、条件を満たせは雇用保険に加入できます。
したがって、個人事業主としてご自身の事業をメインに働くことを検討している方は、雇用保険に加入できないと思っておきましょう。
出典
厚生労働省 雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!
ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 教育訓練給付制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部