更新日: 2023.01.25 その他保険

「60歳以降で賃金が下がった」「育児・介護で休業している」人がもらえる手当って?「雇用保険」の加入者は要チェック!

執筆者 : 中村将士

「60歳以降で賃金が下がった」「育児・介護で休業している」人がもらえる手当って?「雇用保険」の加入者は要チェック!
雇用保険には、「失業等給付」「育児休業給付」「雇用保険二事業」があります。雇用保険といえば、失業したら給付金を受け取れるというイメージが強いかもしれません。これは雇用保険のうち、失業等給付の「求職者給付」「就職促進給付」に該当します。
 
雇用保険には、雇用保険に加入中であっても、給付を受けられるものがあります。「高年齢雇用継続基本給付金」「育児休業給付」「介護休業給付」などです。本記事では、高年齢雇用継続基本給付金、育児休業給付、介護休業給付の支給要件、支給期間について解説します。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

高年齢雇用継続基本給付金

高年齢雇用継続基本給付金は、原則として、60歳以後の賃金が、60歳時点の賃金と比較して低下した場合に、被保険者に対して支給される給付金です。
 

支給要件

高年齢雇用継続基本給付金の支給要件は、以下のとおりです。
 

●60歳以上65歳未満の一般被保険者であること
 
●被保険者であった期間が5年以上あること
 
●原則として、60歳以後の賃金(みなし賃金を含む)が60歳時点の賃金と比較して75%未満となっていること

 

支給対象期間

支給対象期間は、被保険者が60歳に到達した月から65歳に達するまでの月です。ただし、各暦月の初日から末日まで、被保険者である必要があります。「暦月の初日から末日まで」とは、簡単にいえば、その月の1日から末日までのことで、4月であれば4月1日から4月30日、5月であれば5月1日から5月31日のことです。
 

育児休業給付

育児休業給付は、1歳(両親が取得する場合は1歳2ヶ月、保育所に入所できないなどの場合には最長2歳)に満たない子を養育するために育児休業をした場合に、被保険者に対して支給される給付金です。
 

支給要件

育児休業給付の支給要件は、以下のとおりです。
 

●育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数(※1)が11日以上(または就業した時間数が80時間以上)ある完全月が12ヶ月以上あること
 
●育児休業期間中の1ヶ月ごとに、休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
 
●就業している日数が支給単位期間(1ヶ月ごとの期間)ごとに10日以下(または就業した時間数が80時間以下)であること(※2)
 
※1 賃金支払基礎日数とは、原則、日給者は各月の出勤日数、月給者は各月の暦日数のこと
※2 休業終了日が含まれる支給単位期間は、就業している日数が10日(10日を超える場合は就業していると認められる時間が80時間)以下であるとともに、休業日が1日以上あること

 

支給対象期間

支給対象期間は、支給対象となる子が「1歳に達する日の前日まで」です。「1歳に達する日の前日まで」とは、1歳の誕生日の前々日のことを指します。例えば、10月20日が子の1歳の誕生日の場合、10月19日を「1歳に達する日」といい、10月18日を「1歳に達する日の前日」といいます。
 

介護休業給付

介護休業給付は、要介護状態にある家族を介護するために介護休業をした場合に、被保険者に対して支給される給付金です。「要介護状態」とは、負傷、疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。対象となる家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。
 

支給要件


 
介護休業給付の支給要件は、以下のとおりです。
 

●介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(または就業した時間数が80時間以上)ある完全月が12ヶ月以上あること
 
●介護休業期間中の1ヶ月ごとに、休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
 
●就業している日数が各支給単位期間(1ヶ月ごとの期間)に、10日以下(または就業した時間数が80時間以下)であること

 

支給対象期間

支給対象期間は、1回の介護休業につき、最長3ヶ月間です。ただし、支給対象となる同一の家族について取得した介護休業は、93日を限度に3回までです。
 

まとめ

本記事では、「高年齢雇用継続基本給付金」「育児休業給付」「介護休業給付」について、支給要件と支給期間の解説をしました。これらは、雇用保険に加入中に受け取れるものです。このほか、「教育訓練給付」もあります。
 
雇用保険は失業したとき以外にも、給付金を受け取れる場合があります。本記事を読んで、もしあなたが支給要件を満たすようであれば、利用しない手はないのではないでしょうか。
 

出典

ハローワーク インターネットサービス 雇用保険制度の概要

ハローワーク インターネットサービス 雇用継続給付

厚生労働省 高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について

厚生労働省 育児休業、産後パパ育休や介護休業をする方を経済的に支援します

 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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