更新日: 2023.01.27 生命保険
民間の就業不能保険とは? 必要な人・不要な人と収入保障保険との違いは?
本記事では就業不能保険の内容や特徴、名称が似ている保険との違いをまとめるとともに、就業不能保険が必要な人と不要な人についても解説します。ぜひチェックして、生命保険を検討するときの参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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就業不能保険とはどのような保険?
就業不能保険とは、病気やけがなどの理由で働けなくなって収入が減少したりなくなったりしたときに、保障を受けられる保険です。単体の保険商品として販売されているほか、就業不能保障特約などの特約として生命保険に付加できる場合もあります。多くは一定期間を保障する定期保険です。
就業不能保険では例えば次のような場合に給付金が支払われます。
・病気・けがの治療のために病院や診療所に入院している
・医師の指示により自宅で病気・けがの療養に専念している
このほか、身体障害者手帳の交付や国が定める一定の障害状態に該当することを給付金の支給要件としているケースもあるなど、「就業不能状態」に該当する事由は保険会社によってさまざまです。また、精神疾患を理由とする就業不能状態が保障対象になるかどうかも、保険会社によって取り扱いが分かれる点です。
就業不能保険の給付金の給付方法には、毎月一定額を給付するタイプや一時金として給付するタイプなどがあります。
就業不能保険と収入保障保険の違いに注意
就業不能保険と混同しやすい保険に「収入保障保険」があります。
収入保障保険は、加入者が死亡したときや重度の障害状態になったときに、家族が毎月一定額の保険金を年金形式で受け取れる保険です。働けなくなった際の本人や家族の生活費の保障が目的である就業不能保険とは全く性質が異なるため、間違えないようにしましょう。
図表1に、就業不能保険と収入保障保険の特徴をまとめました。比較すると、両者が全く別物であることが分かりやすいのではないでしょうか。
【図表1】
就業不能保険 | 収入保障保険 | |
---|---|---|
保険金の給付事由 | 病気・けがで就業できなくなったとき | 死亡時・所定の高度障害状態になったとき |
保険期間 | ◯歳までなどの定期 | ◯歳までなどの定期 |
免責期間 | 60日、180日など比較的長い | なし |
保険金の受取人 | 被保険者本人 | 被保険者本人・配偶者、子などの家族 |
筆者作成
就業不能保険の必要性が高い人・低い人
就業不能保険の必要性が高いのは自営業やフリーランスの個人事業主など、傷病手当金などの公的な保障が受けられない人です。
個人事業主には有給休暇や傷病手当金、休業補償などの制度がないため、病気やけがで働けなくなると、多くの場合収入が途絶えてしまい、収入が大きく不足する可能性が高いでしょう。十分な額の就業不能保険に加入しておくと、公的保障が受けられない分を給付金で補えるため、生活費の不安解消に役立ちます。
反対に、公的保障が手厚い会社員や、個人事業主でも不動産収入など事業以外のまとまった収入がある人は、就業不能保険の必要性が低いといえます。このような人が就業不能保険に加入する場合は、公的保障や事業以外の収入だけでは不足する生活費の額を目安として、給付金額を設定するとよいでしょう。
就業不能保険は働けないときの収入減少に備える保険
就業不能保険は、病気やけがなどで働けなくなったときに保障を受けられる保険です。就業不能保険に加入しておくことで、急に収入が減少した場合にも、給付金で生活費の不足をまかなえます。
名前が似た保険に収入保障保険がありますが、こちらは死亡や高度障害状態を給付事由としている、全く別の保険商品なので注意しましょう。
就業不能保険の必要性が特に高いのは、働けなくなったときの公的保障を受けられない個人事業主です。公的保障が手厚い会社員などは就業不能保険に加入したとしても、それほど高額な給付金を設定する必要はないでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部