更新日: 2023.01.27 その他保険

後期高齢者の医療費の窓口負担増加。対象になるのはどんな人?

後期高齢者の医療費の窓口負担増加。対象になるのはどんな人?
後期高齢者医療制度とは、75歳以上の高齢者や65歳以上75歳未満の障害認定を受けた人が加入する公的医療保険制度です。2022年10月より、75歳以上などで一定以上の所得がある人の窓口負担割合が1割から2割へ引き上げとなり、医療機関などの窓口で支払う医療費の負担が増えています。
 
本記事では、医療費の自己負担割合が増えるのはどんな人が対象なのか、医療費負担の増加に活用できる負担軽減措置について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

後期高齢者が窓口で負担する医療費の割合

2022年10月以降、後期高齢者医療制度の窓口負担割合が変更されています。75歳以上の後期高齢者のうち一定以上の所得がある人は、医療費の窓口負担割合が1割から2割に引き上げられました。
 
2022年9月30日までと10月1日からの医療費自己負担割合を図表1と2でまとめましたので参考にしてください。
 
【図表1:2022年9月30日までの医療費自己負担割合】

区分 医療費自己負担割合
現役並み所得者 3割
一般所得者など 1割

出典:厚生労働省 後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)
 
【図表2:2022年10月1日からの医療費自己負担割合】

区分 医療費自己負担割合
現役並み所得者 3割
一定以上の所得がある人 2割
一般所得者など 1割

出典:厚生労働省 後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)
 
厚生労働省の推計によると医療費自己負担割合が2割になるのは、後期高齢者医療制度の被保険者のうち約20%(約370万人)とのことです。75歳以上の人などで、一定以上の所得を判断する基準は以下のとおりです。

・課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯の場合200万円以上、複数世帯の場合合計320万円以上の方

「年金収入」は、公的年金控除などが差し引かれる前の金額です。遺族年金や障害年金は含まれません。また、「その他の合計所得金額」の対象になるのは、事業収入や給与収入から必要経費や所得控除などを差し引いた金額です。
 
医療費の窓口負担割合が2割へ引き上げとなるかについては、後期高齢者医療広域連合または市区町村役所から交付される被保険者証を確認してください。2022年10月以降の窓口負担割合が記載されています。
 

医療費の負担増となる人への配慮措置

後期高齢者医療制度の窓口負担割合の見直しに伴い、施行後3年間(2025年9月30日まで)は、窓口負担割合が2割となる人を対象にした配慮措置が設けられています。
 
入院による医療費を除く、医療機関で診療を受けた際に支払う窓口の負担増加額が1ヶ月あたり3000円までに抑えられます。同じ医療機関で同一月の診療を受けた分については、上限額以上を窓口で負担する必要がありません。
 
医療機関で診療を受けたら、1ヶ月の負担増を3000円に抑えるための差額が高額療養費として、事前に登録した金融機関口座へ払い戻されます。2割負担の対象となる人で高額療養費の口座登録が完了していない場合、後期高齢者医療広域連または市区町村から申請書が郵送されますので、記載して返送しましょう。
 

【高額療養費制度とは】

高額療養費制度とは、医療費による家計負担を軽減する制度です。医療機関や薬局で支払う同一月内(1日~末日まで)の医療費が一定額を超えた際に、超過分を国から支給してもらえます。
 
年齢や所得に応じて1ヶ月の窓口負担額の上限が定められていて、2割負担の場合は外来で1万8000円、外来と入院を合算して5万7600円です(所得によって異なる)。
 

安心した老後を過ごすために医療費の自己負担額を把握しておこう

2022年10月1日から一定以上の所得がある方は、後期高齢者医療制度の窓口負担割合が1割から2割に変更されています。自身の医療費の窓口負担割合を確認して、負担する医療費について把握しておいてください。
 
健康を維持できればよいに越したことはありませんが、高齢になれば医療費が発生するリスクは高まります。高額療養費制度をはじめ、医療費控除を活用したり、医療保険の契約内容を見直したりして、老後生活を安心して過ごせるように準備を整えましょう。
 

出典

厚生労働省 後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)
政府広報オンライン 後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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