更新日: 2023.03.30 その他保険
これからの社会に必要? 孤独死保険の家主型と入居者型とは? 加入するメリットは?
本記事では、孤独死保険の家主型と入居者型の違いや、加入によるメリットについて解説します。ぜひ適切な保険商品に加入する参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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孤独死保険とは? 家主型と入居者型の違い
孤独死保険とは、孤独死によって生じた金銭的負担を補償してくれる保険です。居住者が孤独死した場合、一般的には以下のような金銭的負担があるといわれています。
・部屋の清掃や消毒などの費用
・遺品整理費用
・空室や家賃引き下げによる家賃収入の減少
上記の金銭的負担は、孤独死した入居者の遺族や賃貸住宅の大家が負担します。しかしまとまった金額が必要になるため、費用を負担できないとなると遺族・大家ともにリスクとなるでしょう。
住人が孤独死した際の金銭的リスクを軽減してくれる孤独死保険には、大きく分けて「家を貸す側が加入できる家主型」「家を借りる側が加入できる入居者型」の2種類あります。立場によって加入する保険商品を選びましょう。
孤独死保険の家主型と入居者型の特徴やメリット
孤独死保険には家主型と入居者型、2つのタイプがあります。両者の特徴を図表1で見ていきましょう。
【図表1】
家主型 | 入居者型 | |
---|---|---|
保険種類 | 費用保険(単独保険) | 家財保険の特約 |
契約者 | 家主、管理会社 | 入居者 |
被保険者 | 家主、管理会社 | 入居者、遺族 |
保障される内容 | ・原状回復費用 ・遺品整理費用 ・家賃の保障 |
・原状回復費用 ・遺品整理費用 |
保険料 | 保険商品により1棟、1室あたりの契約になる 1室あたり年額3000円前後の保険料であることが多い |
入居時加入の家財保険料に含まれる場合が多い 2年間で2万円前後 |
筆者作成
家主型と入居者型では、保険商品の特徴は全く異なります。本項では家主型と入居者型の特徴を踏まえつつ、加入するメリットについて詳しく説明します。
孤独死保険家主型のメリット
孤独死保険の家主型では、賃貸住宅の清掃や遺品整理費用のみならず、新しい入居者が決まるまでの家賃収入も補償されます。一般社団法人日本少額短期保険協会の「第7回孤独死現状レポート」によると、孤独死による損害平均額は以下の通りです。
・原状回復費用:38万1111円
・残置物処理費用:23万5839円
・家賃保証の損害額:30万7876円
入居者の遺族と連絡がとれない、もしくは遺族がいないと、高額費用を請求する相手がおらず、家主が負担しなくてはなりません。しかし、孤独死保険に加入すれば、金銭的負担をまかなえるでしょう。
家主型は1室あたり年間3000円程度の保険料負担であるため、孤独死のリスクが高いひとり暮らし向けの賃貸住宅を経営している場合はメリットが多いです。しかし、ファミリー向け物件の経営をしているのであれば孤独死リスクは低いといえます。保険への加入によるメリットは少なく、かえって保険料の支払いが負担になるでしょう。
孤独死保険入居者型のメリット
入居者自身が契約者となって孤独死保険に加入すれば、遺族へ保険金が支払われます。部屋の掃除や入居者が残した家具家電などを整理する費用は遺族に請求されるため、保険金によってまかなえるでしょう。家財保険の特約となり、保険料は2年で2万円程度です。
部屋をきれいに清掃したり、入居者が残した品物を整理したりする費用は高額になるケースもあります。「遺族に迷惑をかけたくない」と考える人にとっては、加入によるメリットを感じられるでしょう。
孤独死保険は目的に合った加入タイプを選ぼう
孤独死保険は、経営者側・入居者側双方に対し、加入によるメリットがあります。しかし、経営している賃貸住宅のタイプや遺族の有無などの状況によっては、不要であるケースもあるでしょう。また、補償内容は契約する保険商品によって違います。
ひとり暮らし用の不動産で家賃収入を得ている家主や、「もしものとき、遺族に金銭的負担をかけるのは忍びない」と考える入居者は、孤独死保険への加入を検討しましょう。
出典
一般社団法人日本少額短期保険協会 第7回孤独死現状レポート
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部