終身保険は元本割れすることがあるって本当? 終身保険の仕組みと元本割れを避けるには?
配信日: 2023.03.29
本記事では、終身保険の仕組みをはじめ、元本割れする場合がある理由や元本割れを避ける方法を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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終身保険とはどんな保険? 保障の仕組みを解説
終身保険とは、加入してから一生涯にわたって一定額の死亡保障や高度障害保障が継続します。被保険者が死亡、高度障害になった際に保険金を受け取れるので、残された家族の生活を守る役割を果たせるでしょう。保険会社によって保障内容は異なりますが、終身保険に共通する主な特徴は以下のとおりです。
・保障が一生涯続く
・解約した場合、解約返戻金が戻ってくる
・支払う保険料が一定
以下で、特徴別に内容を解説します。
保障が一生涯続く
終身保険は「〇〇年満期」という満期型の保険ではなく、被保険者が生存しているかぎり死亡保障・高度障害保障が継続します。定期保険とは違い保障期間が定められていないため、老後の遺族の生活費や葬儀費用に充当したり、相続対策として加入したりするケースもみられます。
終身保険以外に当初定めた保険期間内にかぎり、死亡保障・高度障害保障を受けられるのが定期保険です。
解約時に解約返戻金が戻ってくる
「保障が不要になった」「急にお金が必要になった」などの理由で終身保険を中途解約しても、契約からの経過期間に応じた解約返戻金が戻ってきます。ただし、解約をする時期によっては、解約返戻金が払い込んだ保険料総額を下回る可能性が高い点に注意が必要です。
定期保険の場合、途中で解約しても解約返戻金は基本的に発生しない、またはわずかな額しか戻ってきません。払い込み済みの保険料が返ってこない、いわゆる掛け捨て型の保険が定期保険であると認識しておくとよいでしょう。
支払う保険料が一定
終身保険は、契約時の年齢や健康状態から保険料を計算します。満期による更新がないため、原則として支払う保険料は生涯にわたり一定です。年齢を理由に保険料が上がるといったこともなく、生存期間中は支払いが継続するため、払込期間が長期化するほど保険料総額が増えます。
その一方で、定期保険は保障満了時に契約の更新を行うたびに保険料が高くなるのを避けられません。更新時点の年齢で保険料を計算するからです。
終身保険の元本割れする理由とは? 避ける方法も解説
終身保険は貯蓄性の高い保険といわれていますが、元本割れをしないわけではありません。貯蓄ではなくあくまでも保険なので、元本割れのリスクを認識したうえで加入することが重要です。
終身保険の元本割れにつながる理由は、以下のとおりです。
・終身保険の途中解約
・インフレによるもの
元本割れの理由、損をしないための方法も解説します。
途中解約による元本割れ
終身保険には、途中解約した際に解約返戻金を受け取れますが、解約する時期によっては元本割れを引き起こす可能性が高いです。万が一、お金が必要になった際に終身保険を解約するのも選択肢として有効ですが、保険料の払込期間中の場合は損につながる場合があります。
終身保険は、長期間にわたって保険料を払い込んでいくからこそメリットを受けられる保険です。早期解約をしないためにもライフプランを確認しておく、将来的にどのくらいのお金を必要とするのかを事前に把握しておくとよいでしょう。
インフレに対応できない
途中解約以外に元本割れの理由となるのが、インフレによる価値の減少です。インフレとは、物価上昇によって物品やサービスの値段が高騰して、金銭の価値が下がる状態を意味します。
終身保険は、契約時に定めた死亡保険金や解約返戻金を受け取る仕組みなので、死亡時や途中解約時に物価が上昇している場合は、価値が下がることを避けられません。例えば、年間で物価が5%上昇すれば、死亡保険金や解約返戻金は5%目減りしてしまうのです。
インフレリスクを考慮した保険選びをしたいなら、景気変動による金利上昇に対応可能な「積立利率変動型終身保険」「変額終身保険」といった終身保険への加入も検討してみてください。
終身保険は元本割れする場合がある! リスク回避の対策を検討しましょう
終身保険は、一生涯の保障を受けられる、支払う保険料が一定、解約返戻金が戻ってくるといったメリットのある保険です。ただし、終身保険の保険料を払い込んでいる途中で解約、インフレによる物価上昇といった理由で元本割れを起こすリスクが発生する場合があります。
終身保険を契約する際には、元本割れを避けるためにも解約返戻率がどの程度なのか確認しておく、インフレリスクに備えられる保険を選ぶなどしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部