90%以上の人が老後の年金に不安がある? 老後の年金対策「個人年金保険」について理解しよう
配信日: 2023.04.06
老後資金を準備するにあたり、個人年金保険は有効な手段となります。しかし、どのように選べばよいのか、選び方が分からない方は少なくありません。
そこで本記事では、そんな方々に向けてポイントや注意点について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後に不安を抱える人は多い
日本は少子高齢化が進んでいる背景もあり、老後に不安を抱える人は多いです。まずは、多くの人が老後に不安を抱えている調査内容やデータを紹介していきます。
老後の年金に不安を感じている人の割合は93%
2022年12月、株式会社Q.E.D.パートナーズ(神奈川県川崎市)が現役世代である20~50代の200人へ年金について、意識調査を行いました。
「老後の年金について不安に思うか?」「年金だけで生活できると思うか?」などの質問を通じて意識調査したところ、将来の年金について「とても不安・不安」と思っている人は全体の93%という結果でした。
現役世代の20~50歳のほとんどの人が、「将来の年金について不安」に思っていることが分かります。年金に対する不安を拭い去って老後生活を豊かにするためには、年金に加えて自分自身でも蓄財を行うことが大切です。
公的年金の上乗せとなる自助努力が必要
日本は少子高齢化が進んでおり、今後は保険料を納める現役世代が減り、年金を受給する世代が増えます。現在は「高齢者1人を現役世代2人で支える時代」ともいわれており、現役世代の社会保険料負担は年々重くなっています。
負担は重くなる一方で、将来的に公的年金の受給額は目減りしてしまうことが予想されるなか、個人で資産形成を行うことの重要性は高まっているといえるでしょう。
老後対策で有効となるのが個人年金保険
今後、少子高齢化の急速な進展や長寿化の進展に伴い、公的年金の給付水準の低下が見込まれています。公的年金に加えて年金を受給できれば、より豊かな老後を過ごすことが可能です。安心した老後生活を送るにあたって有用な手段となるのが、個人年金制度です。
個人年金保険の種類
個人年金保険の種類には、主に「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3つがあります。そのほかにも、夫婦どちらかが生存している間は年金を受け取れる「夫婦年金」という商品もあります。
以下で、それぞれの個人年金商品の種類や受け取り方の特徴などについて解説していきます。
確定年金:5年、10年などの決められた期間で、被保険者の生死に関係なく年金が支払われる
有期年金:5年、10年などの決められた期間で、被保険者の生存中にかぎり年金を受け取れる
終身年金:被保険者の生存中にかぎり、年金を受け取れる
保証期間付き有期年金:5年、10年など一定期間の年金の受け取りが確定しており、その後は決められた期間内で被保険者が生存中にかぎり年金を受け取れる
保証期間付き終身年金:5年、10年など一定期間の年金の受け取りが確定しており、その後は被保険者が生存中にかぎり終身で年金を受け取れる
終身年金や保証期間付き終身年金を選ぶと、生きている間は一生涯年金が受け取れます。長生きリスクに対応するためには、終身に渡って安定した収入が得られる終身年金が適しています。
終身年金は、確定年金に比べて同じ年金額に設定をすると保険料は割高になるため、保険料負担などを勘案しながら最適な個人年金を選ぶことが大切です。
・定額タイプ:将来受け取る年金額が契約時に決まっている
・変額タイプ:株式や債券などで運用し、運用実績によって年金や解約返戻金などが増減する
運用によるリスクを負いたくない場合は定額タイプ、ある程度リスクを背負って受給額を増やしたい場合は変額タイプを選ぶとよいでしょう。
・円建て:保険料を円で支払い、年金を円で受け取る
・外貨建て:保険料を外貨で支払い年金原資を外貨で計算し、年金受取時に円に替えて受け取る
外貨建ては、米ドルやユーロなどの外貨建てで保険料を払い込み、一般的に円より高い予定利率での運用が期待できます。しかし、外貨で運用した場合、年金を円で受け取るときには為替の影響を受けるため、為替リスクがある点には注意が必要です。
個人年金保険の選び方
個人年金保険は選択肢が多いため、自分に合った年金を選ぶためには下記の要素を勘案する必要があります。
・公的年金に加えてどれくらいの上乗せが必要か
・長生きリスクにどれくらい備えたいか
・現役時代の保険料負担が重くならないか
・運用リスクを背負えるか
・為替リスクを背負えるか
老後に向けての資産運用は重要とはいえ、現役時代の負担が過重になるのは問題です。自身が受け取れる公的年金をシミュレーションしたうえで、どの程度の上乗せが必要かを考えるとよいでしょう。
個人年金保険の商品によってリスク要因が異なるため、自身の状況を鑑みつつ、最適な商品を選ぶことが大切です。
まとめ
少子高齢化が進むと、現行よりも年金受給開始年齢の引き上げが実施される可能性があります。社会保険給付の先細りは容易に想像できる以上、自助努力による資産形成を行うことは非常に重要です。
老後に向けて少しでも安心した生活をするためには、個人年金保険の活用が有力な選択肢となります。また、老後破産のリスクを軽減するためには、早い段階からマネープランを立てて着実に実行することが重要です。
出典
株式会社Q.E.D.パートナーズ 「老後の年金」についてアンケート
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部