更新日: 2023.04.24 生命保険
これから暑くなる季節。熱中症になったときの保険は?
また、2023年は2022年までのように行動制限がなくなり、気象庁の予想で平均気温が例年より高い地域もあるかもしれませんので、熱中症には十分注意しましょう。
しかし、気を付けていたとしても熱中症になって入院したり、場合によっては死亡したりすることもあるかもしれません。本記事では、そのような事態に対応した保険について説明します。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
熱中症による救急搬送の状況は?
改めて、2022年の月別の搬送人数と死亡者数は、図表1のとおりです。
図表1 熱中症による救急搬送状況(令和4年)「救急搬送人員及び死亡者数(年別推移)」
出典:総務省消防庁「令和4年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」より筆者作成
年齢区分別では高齢者(満65歳以上)が3万8725人(54.5%)で最も多く、成人(18~64歳)2万4100人(33.9%)、少年(7~17歳)7636人(10.8%)、乳幼児(7歳未満)566人(0.8%)となっています。
また、熱中症の症状において、入院を必要としない軽症(外来診療)が最も多く4万6411人(65.3%)、中等症(入院診療)2万2586人(31.8%)、重症(長期入院)1633人(2.3%)、死亡が80人(0.1%)となっています。
熱中症になった場合の保険の対応は?
一般的に生命保険や医療保険に加入していて、入院給付金の特約や医療保険の契約がある場合、熱中症を原因として入院すると、入院給付金を受け取ることが可能です。
しかし、上記のとおり多くの場合は外来診療ですので、保険の対象となることはありません。また、通院保障が付いている保険でも、入院後の通院を対象としている契約の場合、保険の対象になるのは難しいでしょう。また、中等症で入院しても免責日数以上入院するケースでは重症となっていることもあるので、実際に保険の対象となるのは難しいかもしれません。
しかし、救急搬送の半数以上を占める高齢者や、部活・課外活動などで外に出る機会が多い中高生などは、いざというときに備えて対策が必要でしょう。
熱中症に対応した保険はあるの?
傷害保険やスポーツ保険などは、一般的に熱中症に対し基本補償に含まれていません。しかし、保険の種類によっては、熱中症を補償するための熱中症特約が付けられる保険がありますので、必要に応じて加入するのもよいでしょう。
また、最近ではスマホのアプリから申し込める、熱中症に対応した保険も販売されています。
2023年の夏も暑くなる?
熱中症のためだけに保険に加入する方は、それほどいらっしゃらないかもしれません。しかし、2023年の夏は暑くなる予想が出ている地域もありますし、2022年までと違い行動制限もありません。そのようななか、コロナ禍の規制中と同じように熱中症対策をあまりせずに行動をしてしまうと、熱中症リスクが高まる可能性があります。
以前と違って、加入だけでなく請求もスマホでできる保険もありますので、熱中症のリスクが考えられる場合には加入することを検討してもよいでしょう。
出典
総務省消防庁 令和4年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況
国土交通省 暖候期予報(2023年02月21日発表)の解説 気象庁 夏の天候の見通し 全国(06月〜08月)
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表