更新日: 2023.05.24 その他保険

4月からはマイナ保険証じゃないと「医療費が高くなる」って本当?「これまでの保険証」との料金を比較!

4月からはマイナ保険証じゃないと「医療費が高くなる」って本当?「これまでの保険証」との料金を比較!
従来のカード型健康保険証に代わって、マイナンバーカードに健康保険証の機能を付加して、マイナンバーカードを医療機関に提示することで健康保険証として使えるようになります(以下「マイナ保険証」と表記)。本記事では、国がマイナ保険証の普及を促進する背景、マイナ保険証のメリット・デメリットや保険証の手続き方法などを説明します。
FINANCIAL FIELD編集部

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マイナ保険証を普及させるのはどういう目的があるの?

マイナンバーカード導入の目的は、社会保障、税、災害情報などの分野で国、県、市町村などが保有するデジタル化した個人情報をスピーディーにやり取りすることで国民の利便性向上や行政事務の効率化を目指すことです。
 
マイナ保険証はマイナンバーカードに健康保険証機能を付加することで、過去の特定検診の結果や投薬中の薬剤の情報などをひもづけします。所有者の同意があれば医療機関もポータルサイトで情報を確認でき、正確で効率的な医療や投薬を提供できるようになるのです。
 

マイナ保健証のメリット・デメリットはどういうもの?

マイナ保険証を持つメリットやデメリットを紹介します。
 

・メリット

マイナ保険証をもつことで次のようなメリットが得られます。
 
「マイナ保険証のほうが医療費が安い」
「高額療養費に該当する場合、自己負担限度額以上を支払う必要がない」
「自分の特定検診の結果や投薬の情報をマイナポータルで確認でき、適正な医療が受けられる」
「確定申告で簡単に医療費控除の申告ができる」
「転職などで新しい健康保険証交付前に健康保険証として使用できる」
「健康保険証機能の利用申し込みでマイナポイントがもらえる」

 
このうち、「医療費はマイナ保険証のほうが安い」という最初のメリットについて、厚生労働省が公表した「令和5年4月1日からの診療報酬上の特例措置等について」にもとづき紹介します。
 
図表1のかっこ書きの中は、自己負担が3割の場合の金額で、初診料、再診料、調剤管理料のいずれもマイナ保険証利用のほうが安い料金となっています。国は2023年4月からは全国の医療機関でマイナ保険証に対応するシステム導入を原則義務化しています。
 
図表1
 

初診料 再診料 調剤管理料
従来保険証 60円(3割18円) 20円(3割6円) 40円(3割12円)
マイナ保険証 20円(3割6円) 0円 10円(3割3円)
差額 40円(3割12円) 20円(3割6円) 30円(3割9円)

 
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用についてを基に筆者作成
 

・デメリット

主なデメリットは3点です。
 
まず1点目は「現時点でマイナ保険証未対応の医療機関が多い」ことです。厚生労働省の「オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け)」によると、2023年1月時点でマイナ保険証対応の医療機関は4割にすぎません。このため、当面の間は従来の健康保険証を使用することになります。
 
2点目は「マイナ保険証を紛失した場合、再交付までに約1ヶ月かかる」ことです。急に医療機関を受診する場合は従来の健康保険証を使います。
 
3点目は「マイナ保険証を紛失することで、カード記載のマイナンバーや住所、氏名、生年月日などの個人情報が流出する」ことです。カードのICチップには税や年金などの個人情報は入っていません。また、マイナ保険証でも特定検診の結果や薬剤などの情報はチップに書き込まれず、紛失してもこれらの情報は漏えいしません。
 

マイナ保険証の手続きはどうすればいいの?

マイナ保険証の手続きには2つの方法があります。
 
1つ目は「マイナポータルサイトからパソコンまたはスマートフォンでアプリをインストールし、保険証利用を申し込む」方法。2つ目は「セブン銀行ATMでマイナンバーカードでの手続きから保険証利用を申し込む」方法です。
 
国は2024年秋までに健康保険証を廃止し、マイナ保険証への移行を予定しています。しかし、マイナンバーカード取得は個人の意思によるもので、マイナ保険証を希望しない人は、自ら申請して「資格確認証」を所有して健康保険証の代わりに使うことになります。
 

当面はマイナ保険証と従来の保険証を併用しよう

マイナンバーカードは2023年5月21日時点において77.0%の普及率です。急激なデジタル変革の潮流が世界的規模で起こっている現代において、日本もデジタル社会の実現を避けて通ることはできません。
 
いわばマイナンバーカードは来たるべき超デジタル社会へ踏み出す切符といえるかもしれません。そのカードに健康保険証の機能がひもづけされますが、今後もさまざまな情報が付加されるでしょう。
 
ただし、すべての医療機関がマイナ保険証に対応するには、まだしばらく時間がかかりそうです。このため、当分の間は従来の健康保険証も併用して使い分けることをおすすめします。
 

出典

デジタル庁 よくある質問:健康保険証との一体化に関する質問について

厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について

総務省 マイナンバーカード交付状況について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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