更新日: 2023.05.25 自動車保険

初めて車を買うんだけど、自賠責保険と任意保険って違うもの? 両方入る必要があるの?

初めて車を買うんだけど、自賠責保険と任意保険って違うもの? 両方入る必要があるの?
自動車を所有するには、購入代金以外にも税金や保険などで購入時に負担する費用や維持費がかかります。できればそうした維持費を少なく抑えたいと思う人も多いでしょう。特に、初めて自動車を購入する人のなかには、自賠責保険と任意保険の違いについてよく理解していない人もいるのではないでしょうか。
 
そこで、本記事ではそれぞれの保険の概要と、任意保険へ加入するべきかどうかについて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

自賠責保険と任意保険の概要

自賠責保険とは、損害保険会社で契約する「自動車損害賠償責任保険」または共済組合で加入する「自動車損害賠償責任共済」のことを指します。
 
自賠責保険最大の特徴は、自動車を購入するときに加入が義務付けられている点で、「強制保険」とよばれることもあります。そのため、加入にあたっては一定程度の保険料を納める必要がありますが、それを拒否することはできません。仮に保険料を納めず、加入をしていない状態だと車検にも通らなくなってしまいます。
 
一方の任意保険はその名の通り、「加入するかどうかは運転者の判断に委ねられている保険」です。つまり、任意保険に加入していないからといって、自動車を運転できなくなるというわけではありません。ただし、任意保険のほうが一般的に補償内容は手厚いため、運転を始める前に加入するかどうかの検討は必要です。
 

保障内容の違いについて

自賠責保険はもともと、事故被害者に対する最低限の救済を目的に創設された保険であることから、補償はすべて事故の相手方に対してしかありません。勘違いされることもありますが、自分に対しての補償はないのが特徴です。そのため、仮に事故の加害者となり、自分や購入した自動車にも大きな被害があったとしても、保険金を受け取ることはできません。
 
自賠責保険の保険金等は、迅速かつ公平な支払いを確保するため、国土交通大臣および内閣総理大臣により「支払基準」が定められています。具体的な補償限度額は、「傷害による損害」が120万円、「後遺障害による損害」が4000万円、「死亡による損害」が3000万円です。
 
ただし、事故や被害者の状況によっては、限度額をはるかに超える損害賠償金が請求される恐れもあり、補償としては不十分なケースも珍しくありません。
 
一方の任意保険の補償範囲については事故の相手方だけでなく、自分自身の傷害や自分の所有する自動車や物など、幅広い種類に及びます。そのため、さまざまな補償範囲のなかから、自分に合ったものを特約として選択するのが一般的です。
 
補償限度額については、対人や対物は無制限とする場合が多いですが、そのほかの項目についてはそれぞれの保険会社で異なるので、契約時によく確認することが重要です。
 

任意保険には加入したほうがよい?

結論からいうと、必ずしも加入しなければいけないわけではありませんが、「任意保険に加入している人のほうが圧倒的に多い」のが実際のところです。
 
損害保険料率算出機構が作成した「自動車保険の概況」によると、2022年度の任意保険への加入率は88%を超えています。たしかに、任意保険に加入すると自賠責保険に加えて、さらに保険料支払いが増えてしまう点はデメリットです。
 

自賠責保険の補償範囲をよく理解したうえで任意保険への加入も検討しよう

自賠責保険は自動車を運転する場合に必ず加入しなければいけませんが、補償範囲は任意保険よりも狭く、実際に事故が起こったときに不十分な場合もあります。任意保険に加入するにはさらに保険料支払いが必要になりますが、大切なことは自分に合った補償内容を理解し、それに合わせた保険に加入することです。
 
また、一口に任意保険といっても、補償内容や保険料はそれぞれの保険会社で異なります。本記事を読んで自動車保険に興味をもった人は、ネット型保険も含めた複数の保険商品と比較したり、無事故等級割引などについて調べたりしてみてはいかがでしょうか。
 

出典

国土交通省 自動車総合安全情報~自動車の安全な交通を目指して~ 自賠責保険ポータルサイト 自賠責保険について知ろう!
損害保険料率算出機構 2022年度(2021年度統計)自動車保険の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集