生命保険の配当金は税金がかかる? 配当金あり・なしどちらの保険がいいの?
配信日: 2023.06.26
本記事では、生命保険の配当金の仕組みや税金について説明します。ぜひ自分に合った生命保険を選ぶ際の参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生命保険の配当金とは
生命保険とは、保険を契約している人から集めた保険料を財源とし、病気をしたり死亡したりした際に、被保険者に対して保険金が支払われる仕組みです。生命保険の仕組みは、相互扶助の精神で成り立っています。
生命保険では、保険金が支払われる以外にも、保険を契約している人が受け取れる「配当金」があります。生命保険の配当金がいつどのように、誰が受け取れるのかについてを本項で解説します。
生命保険の配当金
生命保険とは、予定死亡率・予定利率・予定事業費率の3項目から保険料を計算し、被保険者へ保険金を支払います。
しかし実際には計算通りにいかず、集めた保険料よりも支払った保険金が少なくなるなど、剰余金が発生するケースもあるでしょう。そのときは、保険を契約している人へ還元されます。還元されるお金を「配当金」とよびます。
生命保険の配当の有無
配当金は、どの生命保険と契約していてもあるかというと、そうではありません。生命保険には無配当と有配当のものがあり、加入時に自分でどちらのタイプか確認してから契約できます。
無配当の生命保険商品であれば、配当金を得られない代わりに保険料を抑えられる傾向です。一方、有配当は、配当金が期待できるものの剰余金がなければ還元されることはなく、保険料が高くなりやすいです。
有配当の生命保険には、「3利源配当タイプ」と「利差配当タイプ」の2種類があります。3利源配当タイプは、予定死亡率・予定利率・予定事業費率の3つの予定率と実際の率との差で出た剰余金が配当金となります。受け取れるタイミングは、毎年や3年ごとなど保険商品によります。
利差配当タイプは予定利率をもとに立てた予測によって配当され、こちらも受け取るタイミングは5年ごと、3年ごと、毎年など、保険商品によって違います。
生命保険の配当金に税金はかかるのか?
生命保険の配当金を受け取る場合に税金はかかるのかというと、一概にどちらとは言えません。なぜなら、配当金を受け取るタイミングや、受け取ったときの状況によって違うからです。
具体的に、どのような状況で受け取ると、課税対象となる・ならないが決まるのでしょうか。また、税金の区分等はどうなるのかについて、本項で解説します。
保険契約期間中
生命保険の配当金を保険契約期間中に受け取った際は、税金がかかりません。注意したいのは、生命保険料控除を申告する場合です。生命保険料控除として申告する際は、支払った保険料から受け取った配当金を差し引く必要があります。
保険金の支払開始日以降
生命保険の保険金の支払開始日以降に配当金が支払われる場合は、課税対象となります。年金として受け取るのなら雑所得、一時金として受け取る場合は一時所得として区分されます。
満期保険金と合わせて受け取ったとき
満期保険金と共に配当金を受け取った場合は、一時所得として所得税や住民税の対象になります。
一時所得として課税対象になる額の計算方法は以下のとおりです。
(保険金+配当金-支払保険料-特別控除額50万円)×1/2
会社員などの場合、課税対象額が20万円以下であれば、申告の必要はありません。しかし、課税対象額が20万円以上であるか、または副業による収入と合わせて20万円以上となる場合は、確定申告の必要があります。
自営業者の場合は、金額に関わらず課税対象となるため、確定申告を行いましょう。
生命保険は配当金よりも保障内容で選ぼう
生命保険の配当金は、もらえるとうれしいと感じる人もいます。しかし有配当の生命保険だからといって、必ず配当金がもらえるわけではありません。無配当に比べて支払う保険料が高い傾向でありながら、配当がない可能性もありえます。また、場合によっては受け取った配当金が課税対象となるケースもあるでしょう。
生命保険を選ぶ際は、配当金を気にするよりも保障内容が自分に合ったものかが重要です。十分に契約内容を見て、適切な生命保険を選びましょう。
出典
国税庁 保険と税
国税庁 No.1490 一時所得 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー