まったく新しい保険の形「P2P保険」とは? 従来のサービスとの違いを解説

配信日: 2023.06.28

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まったく新しい保険の形「P2P保険」とは? 従来のサービスとの違いを解説
日本における民間の保険加入率は約9割となっており、ほとんどの方が何らかの保険に加入した経験をお持ちではないでしょうか。このように民間保険が浸透しているなかで、新しい仕組みである「P2P保険」が注目を集めています。
 
そこで今回は、従来型の保険とは異なる特徴やメリットを持つ「P2P保険」についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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P2P保険の仕組みとは?

P2P保険(Peer to Peer保険)とは、保険会社が実際に支払った保険金を、契約者たちが全員で「割り勘」して負担する仕組みの保険商品のことです。
 
日本における一般的な保険では、保険料は前払い制が採用されています。月々の保険料は加入時に決まり、契約期間中は基本的に変動しません。それに対してP2P保険では、前月までに保険会社から支出された保険金額に応じて保険料が決定する変動制が採用されています。
 
そのため、支払われた保険金が多いほど保険料は高くなりますが、支払いが発生しなければ保険料負担は0円となります。日本では「わりかん保険」とも呼ばれており、保険商品の新たな選択肢として注目されています。
 

保険料の計算例

P2P保険における、保険金や保険料の計算例を見ていきましょう。

【例】

・一時金100万円
・契約者数1万人
・保険会社の管理手数料30%

上記の契約において、保険金を3人に支払ったときの翌月保険料は次のとおりです。


・支払保険料:100万円×3人=300万円
・管理手数料:300万円×30%=90万円
・1人あたりの保険料:390万円÷(1万人-3人)=約390円

このケースにおける翌月保険料は約390円です。同様に計算すると、支払いが2人分のときは約260円、1人分のときは約130円となり、支払い人数が少ないほど保険料も割安になります。
 

P2P保険のメリット・デメリット

P2P保険には、次のようなメリットがあります。


・保障内容が分かりやすい
・保険料が割安に設定されている
・保険会社の手数料が開示されている(資金の透明性が高い)

P2P保険の多くは、万が一のときには一時金として保険金を支給するタイプの保障内容となっています。そのため内容がシンプルで分かりやすく、また、保険料も割安に設定されています。
 
さらに保険料が何に使われているのかが開示されているので、資金の透明性の高さもP2P保険のメリットと言えるでしょう。一方で、次のようなデメリットには注意が必要です。


・一生涯の保障には不足する(保険金額が低い)
・保険期間が1年間で、保険金を受け取ると更新できない
・保険料は掛け捨て

シンプルな契約内容が魅力のP2P保険ですが、保険金額が低く保険期間も短いため、一生涯の保障には向いていません。一般的な医療保険にあるような入院・手術給付金や先進医療特約もないため、あくまでも補助的な保障に留まるのも注意したいポイントです。
 

P2P保険が向いている人

一般的な保険の場合、保険料は年齢や性別によって異なる金額が設定されています。これは年齢・性別により死亡率も異なるためです。
 
P2P保険は、がん診断時に受け取れる保険金額は一律で(死亡保険金は年齢性別により異なる)、保険料は性別問わず大まかな年代ごとに上限が設けられており、若い世代はかなり低く設定されています。
 
そのため、保険料を低くおさえたい人に向いているといえるでしょう。また、P2P保険は契約にあたり、告知情報などをWEB上で回答するだけなので、契約手続きに手間をかけたくない方にもおすすめです。
 
なお、虚偽の告知をおこなうと告知義務違反にあたり、契約は解除され保険金も支払われません。通常の保険と同様、すでに罹患している疾病を保障するものではない点に注意しましょう。
 

まとめ

P2P保険はまだまだ歴史が浅く、日本で提供されている商品の種類も多くはありません。
 
しかし従来型の生命保険と組み合わせれば、多様なニーズに対応できるのが大きな特徴です。すでに何らかの保険へ加入している方も、保険内容を見直す際には「P2P保険」も検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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