更新日: 2023.07.31 損害保険

未加入で「9000万円」の賠償金!?「自転車保険」への加入は義務? 必要ない場合もあるの?

未加入で「9000万円」の賠償金!?「自転車保険」への加入は義務? 必要ない場合もあるの?
自動車を持っていなくても、自転車があれば徒歩より気軽に、しかも短時間で目的地に移動できます。ガソリンも不要なため、自転車を利用している人は少なくありません。
 
ただ、国土交通省の要請により、令和5年4月1日現在で、32都府県で自転車損害賠償責任保険などに加入することが義務化されています。また、そのほか10道県についても加入の努力義務を条例として定めています。
 
そこで、本記事では自転車保険について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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自転車保険とは

自動車については、自賠責保険の加入が強制です。自転車の場合は強制されている保険はなく、あくまでも任意加入となっていました。しかし、今回の国土交通省の要請により多くの自治体で条例によって自転車損害賠償責任保険などに加入することが義務化されています。
 

自転車保険は「個人賠償責任補償+傷害補償」のセット保険

ほかの人にけがをさせたり、ものを壊したりしたときの損害賠償責任に対応できる保険が個人賠償責任補償保険です。一方、傷害補償保険は自分がけがをしたり、亡くなったりしたときに補償される保険となっています。さらに、保険によってはほかの特約や付帯サービスがついているものもあります。
 

加入済みの保険に個人賠償特約が含まれていないかを確認

自転車保険に加入する前に、すでに加入している保険に自転車保険に該当する内容の補償がないかを確認してみましょう。例えば、自動車保険や傷害保険、火災保険、クレジットカード付帯保険などが挙げられます。
 
もし自転車でほかの人にけがをさせてしまった場合などが補償内容に含まれており、補償内容や金額が十分であれば、新たに自転車保険に加入しなくても対応できる場合があるからです。
 

実際にあった自転車事故による賠償事件例

重量がある自動車とは異なり、小型で自動車よりはるかに軽く、気軽に利用できる自転車は事故について深く考えない人もいるかもしれません。しかし、自転車事故の被害者でも死亡、あるいは重大な障がいが残ってしまったケースがあります。
 

正面衝突で意識不明

少年に自転車で正面衝突された被害女性は頭蓋骨骨折などを負い、意識が戻らない状態になりました。加害者には、9521万円の損害賠償金の支払いが命じられています。
 

頭蓋骨骨折などで2ヶ月後に死亡

少年に自転車で衝突された警察官は頭蓋骨骨折などで約2ヶ月後に死亡、少年は損害賠償金9330万円の支払いを命じられました。
 

自転車同士の衝突で言語機能の喪失

男子高校生が対向車線から直進してきた24歳男性と衝突、男性は言語機能を失うという重大な障がいが残りました。男子高校生には損害賠償金9266万円の支払いが命じられています。
 

自転車保険でカバーされる範囲

自転車事故の加害者が仮に未成年だった場合、その親権者が代わりに損害賠償金を支払う必要があります。家族がそういった事故を起こした場合に備えるという意味でも、自転車損害賠償責任保険などに加入しておくことは大切です。
 

自転車保険の補償内容

一般的に、自転車保険の補償内容は、自身のけがや手術の治療費、死亡保険金、ほかの人に対する損害賠償責任への補償が挙げられます。ほかに、示談交渉サービス、弁護士依頼費用の補償、トラブル時に自転車を運んでくれるロードサービス、車両盗難特約などが含まれている場合もあります。
 

損害賠償補償金は5000万~3億円

自転車事故による損害賠償の補償金額は、5000万~3億円ほどがカバーされるものがあるようです。被害者の状態によって高額な損害賠償金の支払いが必要になります。そのため、保険の補償金額も高額な範囲をカバーできるものが多くなっています。
 

傷害保険は数十万~数百万円

傷害保険は、例えば、自身に後遺障がいが残った際に障がいの程度によって数十万~数百万円が受け取れます。死亡した場合は数百万円を家族が受け取れるものが多くなっています。
 

万が一に備えて自転車保険に加入しておくと安心

自転車事故の損害賠償金は、被害者の状態によって1億円近くの支払いが命じられているケースも少なくありません。普段から気をつけて自転車を運転し、事故を起こさないことが前提ですが、万が一に備えておくほうが安心です。ただ、すでに加入している保険で自転車保険に該当する補償が含まれている場合があるので、その有無を確認したうえで自転車保険に加入することを検討しましょう。
 

出典

国土交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
愛知県 自転車損害賠償責任保険等に加入しましょう
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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