更新日: 2023.07.31 その他保険

自然災害に遭った場合、国からどんな支援を受けられる? 入っておきたい保険は?

自然災害に遭った場合、国からどんな支援を受けられる? 入っておきたい保険は?
日本は地震や台風など自然災害が多い国なので、どこに住んでいても自然災害による被害を受ける可能性があります。そのため、国でも災害時における被害に対する救済策として各種の支援制度を整備しています。
 
本記事では国の支援制度の解説に加えて、民間の保険制度ではどんな保険で自然災害の被害がカバーできるかも解説します。災害被害に不安を感じている人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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台風や地震などの災害時に受けられる国の支援

災害は忘れたころにやってくるといいますが、特に日本では地震や台風が多いため季節や時間を問わずに災害が発生する可能性があります。
 
予測することは難しくても、災害の被害に備えることは可能です。国の自然災害に対する支援策を事前に覚えておくと、実際に被害にあってからも落ち着いた対応をすることができます。
 

被災者生活再建支援制度

被災後の被害者の支援対策として、国では被災者生活再建支援法によって対処しています。被災者生活再建支援法で制定された制度の概要については、図表1と図表2をご覧ください。
 
【図表1】
 

内容
趣旨 都道府県は自然災害で被害を受けた人々を支援するため、相互扶助の観点から拠出した基金を利用して被災者生活再建支援金を支給。
被災者の生活再建を支援し、住民の生活の安定と迅速な復興を目指す。
対象となる自然災害 住宅全壊被害が10世帯以上発生した自然災害(市町村等)
対象となる被災世帯 ・住宅が全壊
・住宅が半壊、または住宅の敷地に被害が生じ、住宅をやむを得ず解体した
・危険な状態が継続、居住不能な状態が長期間継続
・住宅が半壊、大規模な補修が必要(大規模半壊世帯)
・住宅が半壊し、相当規模の補修が必要(中規模半壊世帯)

 
内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」より筆者作成
 
【図表2】
 

被害程度
カッコ内は被害割合
基礎支援金 再建方法別加算支援金 合計
全壊(50%以上)
解体
長期避難
100万円 建築・購入:200万円
補修:100万円
賃貸(公営住宅を除く):50万円
300万円
200万円
150万円
大規模半壊
(40%台)
50万円 建築・購入:200万円
補修:100万円
賃貸(公営住宅を除く):50万円
250万円
150万円
100万円
中規模半壊
(30%台)
建築・購入:100万円
補修:50万円
賃貸(公営住宅を除く):25万円
100万円
50万円
25万円

 
内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」より筆者作成
 

住宅の応急修理(災害救助法)

災害救助法でも住宅に対する被害に対処する規定が定められています。災害救助法に定める救助の対象(種類)には「被災した住宅の応急修理」が含まれています(第四条六)。
 
具体的には、市町村は災害によって住宅が損傷を受けた世帯を支援するため、業者に依頼して被災住宅の屋根や台所・トイレなど日常生活に不可欠で最小限の部分の緊急修理を行います。
 

災害復興住宅融資(住宅金融支援機構)

災害の被害を受けた場合は国や自治体の支援がありますが、住宅金融支援公庫では融資による支援も行っています。
 
◆災害復興住宅融資
 
地震などの災害で、住宅が全壊、大規模半壊、中規模半壊または半壊した人が利用できる、住宅復旧のための建設または購入資金に対する融資です。申し込みができる方は以下のとおりです。
 

(1)災害により被害が生じた住宅の所有者または居住者で、地方公共団体から「り災証明書」を交付されている方
(2)自分もしくは被災した親等が居住するための住宅または被災した他人(親族等)に無償で貸すための住宅を建設または購入する方
(3)年収に占める全ての借入れの年間合計返済額の割合(総返済負担率)が以下の基準を満たしている方

 
■総返済負担率基準
 

●年収400万円未満:30%以下
●年収400万円以上:35%以下

 
■総返済負担率の計算=全ての借入れ(※)の年間返済額の1/12÷年収の1/12×100
 
※災害復興住宅融資以外の住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローンなどの残高も含む
 

自然災害時に適用できる保険の種類

国や地方自治体では自然災害の被害に対しての支援を行っていますが、支援だけで災害前の状態に戻せるかどうかには不安が残ります。そのため、民間の各種保険にも加入しておくと安心です。
 
保険のなかでも、特に損害保険では、災害時の被害にも対応しているものがあるのでご紹介します。
 

火災保険

火災保険は、住宅の火災による被害を補償する損害保険です。しかし、ほとんどの火災保険は、火災だけでなく風災、水災、雪災、落雷などの損害も補償できます。
 
台風や暴風などの風災、大雪などの雪災で一定額以上の損害がある場合も補償対象となります。ただし、地震・噴火・津波による損害は、火災保険では補償されず、地震保険への加入が必要です。火災保険に加入する場合は自然災害にも対応しているかもチェックしておきましょう。
 

車両保険

車両の所有者の多くは任意の自動車保険に加入しますが、車両保険に加入することによって風水害での被害を補償する場合があります。
 
任意保険には加入しても車両保険には加入しない人も多いですが、災害時に補償を受けられるので、災害被害が不安な人は加入時には確認しておきましょう。自動車保険では一般的に地震・噴火・津波によって生じた損害は補償されませんが、補償される保険もあるのでその点もチェックが必要です。
 

傷害保険

損害保険には、けがをした場合に備える傷害保険もあります。損害保険でも、台風や洪水などの風水災等でけがをしたときには補償を受けられます。
 
ただし、車両保険と同様に地震・噴火・津波による損害は補償されませんが、特約をつけることで補償される保険もあるのでこちらもチェックが必要です。
 
なお、生命保険に関しては原則として補償を受けられます。ただし大型地震などで多数の死亡者が発生した場合などは、支払われないケースもあります。
 

災害の被害には国の支援があるが、各種保険に加入しておくとより安心

災害の被害に対して国や自治体では、主に住宅の復旧に関して金銭面での支援が行われます。しかし、実際の被害は住宅だけにはとどまらず、車両の損傷やけがなど人体への影響もあるのが一般的です。
 
住宅だけでなくあらゆる被害に対応するには、民間の損害保険も活用しましょう。ただし、災害であれば全て補償されるわけではないので、加入前には十分な確認が必要です。
 

出典

内閣府 被災者生活再建支援制度の概要

内閣府 災害救助法

住宅金融支援機構 ご利用条件

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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