国内旅行でも「旅行保険」は加入したほうがいい? 加入済みの「医療保険」や「生命保険」とはどう違うの?
配信日: 2023.09.19
今回は保険の種類とその概要、そして国内旅行で保険に入ったほうがよいのかどうかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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保険の種類:「旅行保険」「医療保険」「生命保険」の違いとは?
保険業は、内閣総理大臣の免許を受けたものがとり行ないます。保険業法では、保険の種類について「生命保険」「損害保険」、そしてこれらに該当しない「第三分野の保険」に分類しています。以下でその違いを説明します。
生命保険
人の生存や死亡に関するリスクをカバーする保険です。この種の保険は生命保険会社だけが取り扱うことができ、主に「定額払い」が基本となっています。保険期間は一般的に20年または30年など長く設定されることが多いといえます。
損害保険
偶然の事故や災害によって生じた損害を補償する保険です。このタイプは損害保険会社のみが取り扱い、基本的には「実損払い」となっています。保険期間は通常1年とされる場合が多くなっています。なお、旅行保険はこの分野に含まれます。
第三分野の保険
生命保険や損害保険に該当しない特別なケースをカバーします。具体的には「傷害保険」や「医療保険」があり、これらは生命保険会社も損害保険会社も取り扱うことができます。定額払いと実損払い、両方の方法で保険金が支払われる場合があります。
さらに、保険業法により第三分野の保険は「傷害疾病損害保険契約」と「傷害疾病定額保険契約」に細かく分類されます。前者は実際に出費した費用を補償し、後者はあらかじめ定めた一定額が支払われる形式です。
国内旅行傷害保険とは?
国内旅行傷害保険は、日本国内での旅行中に発生する事故やけが、トラブルを補償する保険です。
主な補償内容は自分がけがをした場合(傷害)、他人にけがをさせたり、物を壊した場合(賠償)、旅行先での入院に際して家族がかけ付けた場合(救援者費用)などです。また、物を盗まれた場合(携行品損害)、航空機の欠航や変更(欠航・変更)もカバーしています。
保険会社によって内容は異なります。さらに、これらの基本的な補償以外にも特別なオプションを提供しています。
国内旅行傷害保険の特徴として、海外旅行保険とは異なり、病気による補償が一般的には含まれません。また、危険なスポーツや職務に従事する場合も補償の対象外となる場合が多くなっています。
国内旅行でも旅行保険に入るべき?
国内旅行の際に旅行保険に加入する必要性は一概にはいえません。国内であれば健康保険が適用されるため、医療費の自己負担は一般的に3割以下に抑えられます。また、民間の医療保険に加入していたり、火災保険、自動車保険に個人賠償責任保険が付帯されていたりするのであれば、旅行保険が重複する可能性があるからです。
一般的には、以下のような状況で旅行保険が有用とされています。
レジャー活動
スポーツやアウトドア活動でのけがや遭難時には、救援者費用が発生する可能性があります。
個人賠償責任
現在、個人賠償責任保険に加入していない場合、第三者への賠償が必要になったときに役立ちます。
離島への旅行
航空機の欠航リスクが高く、その場合の宿泊費用が発生する可能性があります。
留守宅のセキュリティ
旅行中に自宅で何らかのトラブル(盗難など)が発生すると、その補償が可能です。
国内旅行傷害保険への加入は旅行の目的を考えて
保険は生活のさまざまな面でその効果を発揮しますが、各保険がカバーするリスクや保険金の支払い方法は異なるため、その違いを理解することが非常に重要です。
紹介したような特定のケースにあてはまる場合は、国内旅行でも旅行保険に加入する価値があります。既存の保険との重複を確認した上で、自分の旅行プランやリスクを総合的に考慮して加入を検討することが重要です。
出典
独立行政法人国民生活センター 損害保険・そのほかの保険
E-GOV 保険業法施行令
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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