渋滞中の「車線変更」は意味がない? しかも事故を起こすと「3等級ダウン」で保険料が高くなる場合もあるって本当?
配信日: 2023.09.23
本記事では、渋滞中の車線変更には意味があるのかについて、高速道路会社のデータをもとに解説していきます。また、渋滞時には事故のリスクも増加します。
万が一、事故を起こしたときの修理費用についても解説していますので、高速道路の利用機会が多い人はぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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渋滞中に車線変更しても所要時間にはほとんど差がない
高速道路の渋滞中に、すいているように見える車線に車線変更をすると所要時間を短くすることができるのでしょうか。結論から言うと、自然渋滞の中で車線変更をしても、所要時間にはほとんど差がありません。
ただし、工事や事故による渋滞の場合は、規制されていない車線のほうが速く流れやすいです。とは言え、規制車線がどの車線か分からない場合は車線を変えず、前車に追従する形で走行するのがよいでしょう。
また、東日本高速道路株式会社(以下、NEXCO東日本)の渋滞対策実験からは、追越車線が必ずしも早いとは言い切れないという結果が得られています。いずれにしても、過度な車線変更は極力控えて、事故防止に徹底するべきと言えます。
渋滞中の車線変更は神経も削りますし、後方車両にも迷惑をかけてしまう場合があります。無理な車線変更はあおり運転などの被害につながる原因にもなりかねないため、自身を防衛する意味でも、渋滞時は極力車線変更をしないほうが無難でしょう。
渋滞中に車線変更するとさらに渋滞が悪化する
また、渋滞中の車線変更は、渋滞のさらなる悪化原因にもなります。NEXCO東日本によると、むやみに車線変更をして後続車両にブレーキを踏ませると、渋滞の発生やその悪化要因となるようです。
早く渋滞を抜け出したい気持ちを抑えて、走行車線を維持することが渋滞解消につながります。また、合流地点では譲る気持ちを持って、思いやりのある運転を心がけましょう。
渋滞時の事故リスクは自由走行時の7倍!
阪神高速道路株式会社の「阪神高速道路交通統計データ」によると、渋滞時の事故リスクは自由走行時の約7倍も高くなります。事故を起こすと、危険であるのはもちろんのこと、事故処理に時間を奪われたり、車の修理費用がかかったりするなどのデメリットが発生します。
渋滞中の事故原因の多くは、よそ見運転や、無理な車線変更によるものです。渋滞中でゆっくり走っているからと、よそ見しながら運転すると追突してしまう可能性があります。また、別の車線のほうが速そうだからと、無理に車線を変えて事故を起こすケースもあるでしょう。
雨天時の事故リスクと比較しても、渋滞中の事故リスクは圧倒的に高いです。そのため、走行車線はキープして、車間距離は詰めすぎない意識が大切です。
3等級ダウン事故では保険料が10万円以上高くなることも
事故を起こすと、相手がいる場合は賠償金を支払うことになったり、車の修理費を負担したりする場合もあります。また、事故で損傷した自分の車を修理する場合も、自費で払うか保険を使うかを選択することになります。なお、事故により、自動車保険を使う場合は、保険における翌年の契約の等級が3等級下がるケースが多いです。
このような事故のことを「3等級ダウン事故」と言います。3等級ダウン事故を起こすと、翌年の保険料が10万円以上高くなるケースもあります。
自動車保険には等級による割引があり、等級がダウンすると割引率も下がるため、保険料が高くなるのです。また、保険を使うと事故ありの等級とみなされる「事故あり係数」も適用されますので、さらに割引率が下がります。
3等級ダウン事故の場合は元の保険料に戻るまで3年かかり、高い保険料を3年間払い続けることになります。修理代のみならず保険料の負担も増えますので、事故は起こさないように気を付けたいものです。
まとめ
渋滞中に速く進みたいからと車線変更をしても、所要時間にはほとんど差が生まれません。それどころか、渋滞中の車線変更には多くのデメリットがあります。無理に車線変更をして後続車両にブレーキを踏ませたり、事故を起こしたりすると、渋滞状況がより悪化します。
事故を起こすとその処理にも時間がかかるため、旅行などの楽しい時間も失われてしまうでしょう。また、修理代やその後の保険料など思いのほか負担が増えてしまいます。
渋滞中の車線変更はできるだけ控えて、走行車線をキープしておくことがおすすめです。
出典
東日本高速道路株式会社 高速道路の渋滞対策
阪神高速道路株式会社 阪神高速の渋滞とその対策【前編】~渋滞時に事故が起きやすいってホント!?~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー