中学生の息子が母の電動アシスト自転車を運転中に事故! 保険未加入……どうすれば?

配信日: 2023.10.30

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中学生の息子が母の電動アシスト自転車を運転中に事故! 保険未加入……どうすれば?
子どもの自転車事故といっても、ばかにしてはいけません。
 
実際にあった例としては、11歳の小学生が無灯火で自転車を運転していて、歩行中の62歳の女性と衝突、女性は頭蓋骨骨折等で意識不明の重体になりました。これに対して、神戸地方裁判所は9521万円の賠償額を支払うよう判決を下しており、(平成25年7月)、事故の重大さも、また損害の規模も軽視できるものではありません
 
こういったもしもの事故のためにも、自転車保険に加入していることが望ましいですが、保険に未加入で子供が事故を起こしたらどうしたらよいかを解説してみます。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

自転車事故の発生状況

最初に、自転車事故が年間どれくらい発生しているのかを確認してみます。
 
(1)自転車事故件数
自転車事故関連件数は、減少傾向にありますが、自転車対歩行者の事故は横ばいで推移しています。また、自転車相互の事故は減少が見られましたが、平成27年から増加し、自転車対歩行者の事故件数よりも多くなってきています。
 

表1

 
(2)年齢別事故件数
自転車事故を起こした年齢層を見ると、16~19歳が最も件数が多く、19歳以下が全体の38%を占めており、20歳未満の事故件数が多い傾向となっています。
 
表2

 

子どもが保険未加入で自転車事故を起こした場合

本人に責任能力がない子供の場合には、原則として、親が監督義務者として責任を負うことになります。したがって、中学生の子供が事故を起こした場合は、親が対応することになります。
 
保険に加入している場合には、保険会社が対応してくれますが、保険に未加入の場合には、事故を発生させた当事者と相手方とで過失割合や賠償金額などについて示談交渉を行わなければなりません。
 
ご自身で示談交渉が難しい場合には、交通事故の対応に詳しい弁護士に相談するとよいでしょう。
 
なお、自転車事故における加入者救済の観点から、条例により自転車保険への加入を義務化する動きが広がっています。令和5年4月1日現在で、東京都、神奈川県をはじめとする32都道府県で条例が制定され、自転車損害賠償責任保険等への加入を義務化しています。
 

まとめ

自転車事故によって加害者が数千万円もの高額な損害賠償を命じられる判決も出ています。自転車事故を起こした年齢層を見ると、16~19歳が最も件数が多く、19歳以下が全体の38%を占めている現状を鑑みると、子供を自転車保険に加入させるのが望ましいと思われます。
 
また、残念ながら、自転車保険に未加入の子供が事故を発生させた場合には、相手方に対する経済的補償などによる経済的負担は大変大きく、加えて相手方との交渉ややり取りにも大きな精神的負担を伴います。自転車保険への加入が義務付けられていてもいなくても、保険への加入を一度検討されてみてはいかがでしょうか。
 

出典

国土交通省 資料:自転車事故の損害賠償に係る現状について
国道交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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