更新日: 2023.10.31 自動車保険
任意保険未加入の車と事故に遭ったらと不安です… そのときの補償はどうなりますか?
本記事では、任意保険とは何か、任意保険未加入の自動車と事故に遭った場合どうすればよいのかについて解説します。いざというときに必要な補償を受けられるよう、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
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自動車の任意保険って?
自動車保険には、「自賠責保険」と「任意保険」との2種類あります。自賠責保険は強制保険ともいわれる自動車保険で、自動車(バイクや原付も含む)を保有している人は必ず加入しなくてはいけません。自賠責保険では、交通事故で他人をけがさせたり死亡させたりといった対人賠償が補償の対象となります。
任意保険は、自賠責保険だけでは補えない補償ができるため、加入がすすめられています。具体的に、自動車の任意保険とはどのような保険か見ていきましょう。
自動車の任意保険とは
自動車の任意保険に加入することで、以下の補償を受けられます。
・自分のけが
・同乗者のけが
・車の損害(車両保険を付けた場合)
・自賠責保険では補いきれない対物賠償
自賠責保険は被害者側のけがや死亡に備えられるだけで、加害者側のけがや加害者・被害者両者の車の損害に対応していません。自賠責保険(強制保険)ではカバーできない部分の補償を任意保険に加入して備えられます。
任意保険未加入の自動車は約25%
任意保険は強制ではないため、全員が加入しているわけではありません。損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」によると、任意保険加入率(2022年3月末時点)は対物賠償で75.4%、対人賠償で75.5%でした。このことから、約25%の人が任意保険未加入といえます。
任意保険未加入の自動車による事故の被害者となったら
任意保険未加入の自動車による事故の被害者となった場合、相手方の自賠責保険で最低限の補償しか受けることができません。しかし、物損事故については自賠責保険から支払われません。加害者側に支払う能力がないケースだと、賠償金を受け取れない可能性もありえます。
示談交渉したり賠償金支払いを請求して裁判を起こしたりしても、弁護士費用や裁判費用などでお金がかかってしまうでしょう。以下の方法で対処しておくと安心です。
人身事故の場合
人身事故であれば、相手の自賠責保険から補償を受けられます。しかし自賠責保険のみでは補償額に上限があり、納得いく額が受け取れない可能性も考えられます。自賠責保険の賠償の上限については、以下のとおりです。
・死亡時:3000万円
・けがをした場合:120万円
・後遺障害の場合:等級によって75万~4000万円
重大な事故を起こした場合、上記の補償額では足りないこともあるでしょう。
通勤時・仕事中に任意保険未加入の自動車と事故に遭ったら、労災保険がおりる可能性があります。労災保険はさまざまな給付を受けられ、けがの治療費だけでなくけがで休業した際の収入減も補償されます。ただし、自動車保険と労災保険は併用することはできますが、重複する補償内容についてはいずれかの保険しか補償は受けられません。
物損事故の場合
自賠責保険の補償は対人賠償のみで、物損事故の補償は受けられません。したがって、自身の加入する任意保険で備えておくとよいでしょう。先述のとおり、任意保険未加入の自動車は約25%です。任意保険未加入の自動車と事故に遭った場合に備えて、自分の任意保険の内容を見直すのもよいでしょう。
無保険車傷害保険
任意保険未加入の自動車に対して備えられる保険には、「無保険車傷害保険」があります。無保険車傷害保険では、相手に賠償する資金がなかったり任意保険未加入の自動車だったりした場合、相手からの賠償に代わって補償を受けられます。保険会社によっては、特約として補償や人身傷害保険の補償内容がセットとなる場合もあります。
ただし、死亡または後遺障害に対する補償のため、軽いけがなどの場合、補償は受けられないケースがあるので注意しましょう。
任意保険未加入の自動車との事故に備えよう
任意保険に加入していない自動車は2割以上であり、いざというときに十分な賠償金を受け取れない可能性があります。任意保険未加入の自動車と事故に遭うことも考慮して、自分の任意保険内容を確認しておきましょう。
出典
日本損害保険協会 自賠責保険
損害保険料率算出機構 自動車保険の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー