更新日: 2023.11.24 自動車保険

保険の基本をおさらいしよう・・・自動車保険ノンフリート等級

保険の基本をおさらいしよう・・・自動車保険ノンフリート等級
個人でも会社(法人)でも、保有・使用している車の数が9台以下の場合、自動車保険はノンフリート契約となります。ノンフリート契約の特徴の1つに「ノンフリート等級」があります。
 
契約は始まってから満期までの間(=大抵は1年間)、つまり保険期間中の事故の回数と事故の内容によって、翌年の保険料が上下します。そして、この保険料の上下はノンフリート等級によって行われます。
 
そこで、今回は、ノンフリート等級について見てみましょう。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

ノンフリート等級

ノンフリート契約の自動車保険には、ノンフリート等級が定められています。先述の自動車保険の保険料の上下、つまり自動車保険の保険料の割増引きはノンフリート等級に従ってなされます。
 
自動車保険を新規で契約すると、ノンフリート等級は原則として「6等級」からスタートします。そして、原則として保険期間中を無事故で過ごすと、翌年の更新時には1等級上がり、7等級になります。無事故のまま自動車保険の契約の更新を重ねると等級は上がり続けますが、等級には上限があります。
 
ここでいう事故とは「任意保険から保険金が支払われたこと」を意味します。つまり逆に言えば、事故があったとしても、保険金の支払いがない場合には、ここでいう事故には該当しないのです。
 

事故があった場合・・・ノンフリート等級は?

原則として6等級から始まるノンフリート等級ですが、保険期間中に事故があった場合は、どのようになるのでしょうか?
 
保険期間中の事故は、「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」そして「ノーカウント事故」の3パターンがあります。
 
保険期間中に事故を起こした場合、翌年の更新時には3等級ダウンが一般的です。6等級から3等級ダウンすると3等級です。ただし、盗難や台風、洪水、高潮などによる車両保険の事故に該当した場合は、翌年の更新時には1等級ダウンします。6等級から1等級ダウンですと5等級です。保険期間中に事故があり、等級がダウンする場合には、1等級ずつ下がるわけではありません。
 
自動車保険を新規で契約し、その後事故がなければ「事故なし等級」を1等級アップします(等級が1等級上がります)。しかし、事故があり等級がダウンする時は「事故有等級」になってしまいます。そして3等級ダウン事故の場合には、少なくとも3年間、事故の後3年間は無事故でも「事故有等級」が1等級アップするにとどまります。「事故なし等級」に比べると「事故有等級」のほうが、割引率が小さく設定されています。
 
なお、事故があっても人身傷害保険のみの場合などにはノーカウント事故に該当し、等級ダウンはなく、翌年の更新時には1等級アップします。もちろん、「事故なし等級」でアップとなります。
 

事故があっても・・・

例えば、相手のいない単独事故でバンパーをこすってしまい、修理代が15万円だったとします。この修理代15万円を車両保険の保険金によって賄ったとします。
 
その場合、翌年の更新時には「事故有等級」に3等級ダウンします。そして、その後少なくとも3年間は「事故有等級」で等級アップしていくことになります。
 
つまり、以下のような比較を行い、車両保険の保険金を受け取るか否かを判断することになるでしょう。

■車両保険の保険金額と、保険金を受け取ることによる「その後の保険料のアップ額」
■車両保険の保険金を受け取らず、修理代は全額自己負担した場合の負担額と「事故なし等級でアップすることによる保険料の割引額」

 

ノンフリート等級の知識があると安心

ノンフリート等級は複雑ですね。特に単独事故の場合、車両保険の保険金を受け取るか否か、判断に悩むところでしょう。事故がなければ、ノンフリート等級の知識は不要かもしれません。
 
しかし、万が一に備えるための保険です。ノンフリート等級の知識もおさらいしておきましょう。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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