海外旅行で突然病気やけがをした場合のことが心配です。海外の病院では日本の健康保険は使えないのでしょうか?
配信日: 2023.12.08
「海外で病気をしたら日本の健康保険は使える?」「やっぱり海外旅行保険に加入したほうがいいの?」といった疑問を持つ人もいるでしょう。海外で病気やけがをしても日本の健康保険は使えるものの、負担額が多くなる傾向があるので注意が必要です。
本記事では、海外旅行で病気やけがをした際に日本の健康保険を使う方法と、海外旅行保険について解説します。もしものときに高額な医療費を負担しなくて済むよう、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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海外旅行先で病院に行ったら日本の健康保険は使える?
海外で、日本の健康保険を使って治療することはできません。しかし、海外で治療して日本に帰国した際、一度払った治療費の払い戻しが受けられる可能性があります。
なぜ払い戻しを受けられるかというと、「海外療養費制度」により、自己負担分をのぞく額が支給されるからです。本項では、海外で治療を受けた際の海外療養費制度の申請方法や、利用条件について解説します。
申請方法
海外療養費制度を利用する場合、以下の必要書類をそろえましょう。
・海外療養費支給申請書
・診療内容明細書(※)
・領収明細書(※)
・領収書原本(※)
・上記(※)の書類の日本語訳文
・受診者の海外渡航期間が確認できる書類(パスポート原本など)
・同意書
・健康保険証
・銀行口座の分かるもの など
国民健康保険に加入していれば市町村役場の窓口、勤め先がある場合はそれぞれの健康保険組合に提出します。必要書類は自治体や健保組合などにより異なる場合がありますので、公式ホームページなどで確認しましょう。
利用できる条件
海外療養費制度を利用するためには、以下の条件でないと給付を受けられません。
・日本で保険適用になっている治療である
・治療目的の渡航ではない
・海外の公的健康保険の給付を受けていない
・治療から2年以内
日本国内で保険適用でない治療(美容整形やインプラント、最先端医療など)や、日本国内で実施していない治療などは海外療養費制度を利用できません。そのほか条件はさまざまあるため、払い戻しを受けられるかどうか早めに確認しましょう。
海外旅行保険に加入すべきか?
日本に帰国後に治療費の払い戻しが受けられる可能性があるものの、海外は日本に比べて医療費が高額であるケースも多いです。自己負担が高額になり、治療費を払えないことも考えられます。
もしもの場合に備えて、海外旅行保険に加入しておくことで安心できるでしょう。本項では、海外旅行保険に加入していたことでカバーできた高額医療費の実例と、海外旅行保険の選び方を紹介します。
海外旅行保険の加入で高額医療費をカバーできる
外務省 海外安全ホームページ「旅先で入院したら医療費が嵩む」では、ある海外旅行保険会社の報告によると、ここ5年間で扱った日本人医療費の最高額が、ハワイを訪れていた日本人が病気になり、病院のICUで治療を受けた際の3800万円と公表しています。このケースでは、海外旅行保険に加入していたため治療費が支払えたとのことです。
このように海外で病気になってしまうと、高額な治療費がかかるケースが多くあります。そのため、海外旅行保険に加入して万一のときに備えておくと安心です。海外旅行保険によっては保険金額が無制限タイプのものもあり、高額の医療費に対応可能です。
海外旅行保険の選び方
海外旅行保険を選ぶ際は、以下の点に気を付けるとよいでしょう。
・病気やけがへの補償はいくらか
・クレジットカード付帯のものは注意
・行く国の状況もふまえる
・日本語や24時間対応などのサポート体制
海外旅行保険の内容はさまざまです。病気やけがをした際の補償はいくらか、どこまで補償してくれるのかが違います。特に、スポーツ目的で海外を訪れる場合は、けがのリスクも高いため、補償金額について確認しておくとよいでしょう。クレジットカード付帯の海外旅行保険は、補償金額が少ないものも多い点に注意です。
行く国の状況によっては盗難が多いこともあります。携行品に対する補償も受けられる海外旅行保険であると、より安心できます。日本語が通じて、いつでも対応してくれるサポートがあれば、トラブルがあった際に安心でしょう。
海外旅行へ行く際は海外旅行保険への加入がおすすめ
海外で治療したとしても、日本の健康保険によってある程度の金額は戻ってきます。しかし海外は医療費が高い傾向で、自己負担額が多額になるケースもみられます。
そこで、万一のときに備えて、海外旅行保険に加入しておくとよいでしょう。海外旅行保険に加入する際は補償金額などを確認して、いざというときに医療費の負担が増えないようにしておきましょう。
出典
外務省 海外邦人事件簿 Vol.64 旅先で入院したら医療費が嵩む
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー