20等級なのに自動車保険がそれほど安くありません。年齢が上がれば保険料は安くなりますか?
配信日: 2023.12.11
本記事では、自動車保険の保険料が決まる等級や、20等級であっても保険料があまり安くならない理由を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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自動車保険の等級とは
自動車保険は、契約者の事故歴に応じて保険料が増減する「ノンフリート等級制度」によって保険料が決められています。任意の自動車保険では1~20等級に区分されていて、スタートは6等級です。翌年度以降に事故がなければ、1年に1等級ずつ上がります。
等級が上がれば保険料の割引率は増す一方、事故を起こしてしまうと等級が下がり、保険料が割り増しされます。なお、事故を起こして等級が下がっても、再び事故を起こさなければ等級は上がります。
自動車保険が20等級なのに安くない理由
20等級になれば、大幅に保険料が割り引かれると考えている人もいるでしょう。しかし20等級になったにも関わらず、保険料があまり安くならないケースがあることも事実です。「年齢が上がれば安くなる」といった期待もありますが、年齢を重ねても割引率が高くなるとはかぎりません。
本項では、20等級なのにあまり保険料が安くならない2つの理由を説明します。
自動車保険料が高くなる年齢
任意の自動車保険は、年齢のリスクによって保険料率が定められています。若年層と中高年以降は事故のリスクが高いため、保険料も高めに設定される傾向です。どのような区分になるか、見ていきましょう。
任意の自動車保険は、ドライバーの年齢範囲に応じて3区分にわけられます。
●全年齢補償
●21歳以上補償
●26歳以上補償
さらに、「26歳以上補償」をさらに6区分します。
●30歳未満
●30歳以上40歳未満
●40歳以上50歳未満
●50歳以上60歳未満
●60歳以上70歳未満
●70歳以上
保険料が高い年齢は、若年層および中高年以降です。
政府統計 2022年家計消費状況調査「全国・地方・都市階級別支出世帯1世帯当たり1ヶ月間の支出金額」から、自動車保険料(任意)について見ていきましょう。同調査の「二人以上の世帯」と「二人以上の勤労世帯」の自動車保険料(任意)の全国平均額は以下の通りです。
●二人以上の世帯:2万5375円/月
●二人以上の世帯(勤労世帯):2万2956円/月
働き盛りの若い人がいる勤労世帯のほうが、自動車保険料は安い傾向です。
20等級を達成するには、長い期間(6等級スタートなら最低で14年)かかります。20等級になる頃に中高年以上の年齢になると、事故のリスクが高いとされ保険料が安くならない可能性もあるでしょう。
事故を起こしたことがある
損害保険料率算出機構の「自動車保険参考純率改定説明資料」によると、事故なしと事故ありの場合では、同じ20等級であっても割引率が違います。図表1にて割引率を比較しました。
【図表1】
無事故係数(割引率) | 事故有係数(割引率) | |
---|---|---|
19等級 | 0.45(-55%) | 0.58(-42%) |
20等級 | 0.37(-63%) | 0.56(-44%) |
※損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率改定説明資料」をもとに筆者作成
事故ありの契約者は、新たな事故を起こすリスクが無事故の契約者に比べて高いため、割引率は低いです。事故ありの場合、19等級と20等級での割引率の差がわずか2%であるため、事故なしと比べて20等級でも保険料の割引を実感しにくいといえます。
20等級でも自動車保険料がそれほど安くならないこともある
自動車保険で20等級に上がれば、本来は大幅な割引が期待できます。しかし20等級になったからといって、思ったほど保険料が安くないと感じる人も多いでしょう。年齢や事故の有無といった要因で自動車保険の保険料が決まるため、自分の自動車保険の保険料がいくらになるか、シミュレーションしてみましょう。
出典
損害保険料率算出機構 2022年度(2021年度統計)自動車保険の概況
損害保険料率算出機構 自動車保険参考純率改定説明資料(詳細版)
総務省統計局 家計消費状況調査 支出関連項目 2022年 第6-1表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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