本当に必要なのは75歳から?今、加入の医療保険に70歳以上の保障はありますか?
配信日: 2018.10.26 更新日: 2019.01.10
また、ガンにかかったときも、高額な通院による抗がん剤治療や、健康保険外の高額な治療費になる先端医療の医療費に保険がおりると、安心してガン治療に臨めます。
入院する可能性が高くなっていくのは、75歳以上になってからです。
年齢別にみた10万人に対して入院する割合をみますと、40代前半が330人であるのに対して、70代後半は2635人と高齢者の割合が大きくなります。また、80代・90代と年齢が上がるほど入院する割合が上がっていきます。したがって、70歳以上で医療保険の保障に入っているかどうかを考えるのはとても重要です。※1
Text:大堀貴子(おおほり たかこ)
CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員
2008年南山大学法学部法律学科卒業後、大手証券会社で、営業として勤務。主人のタイ赴任がきまり、退社。3年間の在タイ中、2人をタイで出産、子育てする。本帰国後、日本で3人目を出産。現在、3人の子育てと長女の国立小学校受験に奮闘中。子供への早期教育の多額の出費、住宅ローン、子供の学資資金、また老後資金準備のため、いろいろな制度を使って、資産運用をしています。実際の経験を踏まえた、お金に関する、役立つ情報を発信していきたいと思います。
あなたの医療保険は定期型、更新型、終身型?
医療保険には定期型、更新型、終身型があり、種類によって70歳のときの保障の有無や内容が変わります。
■特徴
★保障期間
・定期型:1年が多い
・更新型:10年ごとに更新が多い
・終身型:一生型
★保険料
・定期型:安くて定額、健康であれば高齢でも加入可能
・更新型:若いときは安いが高齢になると高い
・終身型:若いときも高めだが一生涯一定の値段
・定期型
共済などがこのタイプです。
【メリット】
保険料が安く定額です。
【デメリット】
70歳以降に入院したときの1日あたりの保障額が下がることが多いです。また、65歳以降は高齢向けの共済に再加入し、再加入のときに健康である必要があります。
・更新型
生命保険会社の医療保険に多いです。
【メリット】
10年ごとの更新で、若いときの保険料が安いです。
途中で現状にあった保障内容に変更することができるものもあります。
【デメリット】
更新するときの年齢で保険料が決定するため、そのときに保険料が大きく上がる可能性があります。保険契約内容によっては、高齢になると更新できない可能性もあります。
・終身型
損害保険会社の医療保険やがん保険に多いです。
【メリット】
同じ保障内容で一生涯保障が続きます。更新がないため、途中で病気になっても保険の保障は変わらず続きます。
【デメリット】
若いときや他の保険型に比べると高い保険料を支払う必要があります。低解約返戻金型保険だと、途中解約しても返戻金はほとんど戻ってきません。
途中でよりよい保障内容の新しい医療保険があっても変更することができません。
70歳以降の医療費は安いけれども
70歳以降の医療費は、収入が低ければ2割(平成26年4月2日以降に70歳になられる方)になり、さらに75歳以上になると後期高齢者医療制度により1割の負担になります。
高額療養費制度で年金などの収入が156万円〜370万円の場合、外来のみでは上限月1万8000円(年14万4000円)外来・入院で上限月5万7600円までの支払いで済みます。ただし、過去12ヶ月以内に限度額を超えた高額療養費の支給が4回以上あった場合は、4回目から4万4400円が上限額になります。
しかし、高額療養費は申請してから支給されるまで3ヶ月かかること(入院の場合は申請すれば高額療養費の上限額以上は支払う必要はありません)、月5万7600円でも負担は大きいこと、入院した場合それ以外の交通費や雑費、差額ベッド代など予期しない費用が多くかかることから、高齢でも医療保険があると安心です。
老後の安心を考えるなら終身型がおすすめ
60歳以降になると持病やガンになっている可能性が高く、その場合、新しく医療保険に加入できなかったり、手厚い保障内容で更新できなかったりします。
保険料は高くても安心料と考えて、健康なうちにガンの通院・手術・先端医療や老後の入院に備えた終身型の医療保険に加入しておくことをおすすめします。
ガンや病気になってからでは遅いのです。
※1
厚生労働省 受療率 平成26年
Text:大堀 貴子(おおほり たかこ)
CFP(R)認定者 第1種証券外務員