更新日: 2024.05.07 その他保険
ライフプランニングは本当に必要? 不要な人と必要な人をそれぞれ徹底解説!
この記事では、「ライフプランニング」の概要やその必要性と、不要な人や必要な人の特徴について、詳しく解説しています。「ライフプランニング」に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
ライフプランニングとは?
「ライフプランニング」とは、将来の人生の目標実現に向けて具体的な計画を立て、実行していくことです。人生の目標実現には図表1のとおり3つの要素が必要であり、「ライフプランニング」ではそれぞれの要素から考慮する必要があります。
図表1
要素 | 概要 |
---|---|
夢 | 生きがいを持つこと。計画実行の原動力となるため、夢を叶えたい理由や想いを明確にすることが重要。 |
身体 | 健康とは身体的なことだけでなく、精神的な健康も含まれる。計画の中には長い時間と労力を必要とするものもあるため、目標実現には健康な身体が必要不可欠。 |
お金 | 目標実現には資金が必要なものもあるため、計画的に準備することが重要。そのためにも資産運用や保障、税金、公的制度を踏まえた「マネープランニング」が必要。 |
日本ライフプランニング協会「ライフプランニング」を基に筆者作成
上記の中でも「マネープランニング」は専門的な知識が必要であるため、金融機関を中心に多くの企業、官公庁が推奨しています。また、現在では「マネープランニング」と「ライフプランニング」を同じ意味で使用することが主流となっています。
ライフプランニングの立て方
ライフプランニングでは、想定される人生の出来事に対して必要となる時期と金額を設定します。想定される人生の出来事のことをライフイベントといい、一般的には以下のようなものがあります。
●就職
●結婚
●子どもの出産、就学
●住宅購入
●車の購入、買い替え
●退職および老後
上記以外にも、ご自身の趣味や家族でかなえたいイベントなどがあれば個別に設定します。
ライフプランニングで大事なことは「自分らしく生きる」ことであるため、一般的な金額を機械的に設定するのではなく、「どのようなライフイベントにしたいのか」を考慮して設定しましょう。例えば、新築戸建てと中古の戸建ての購入では金額が全く違います。
また、同じ新築戸建てであっても場所や広さ、構造、仕様などでも金額は大きく変わります。したがって、購入後の希望する生活ややりたいことなどを踏まえて、希望する住宅を明確にする必要があります。
特に、子どもの教育資金、住宅資金、老後資金は人生の3大支出と呼ばれており、高額となることが予想されます。一般的な金額ではなく、ご自身の将来をイメージした上でしっかりと計画を立てましょう。全てのライフイベントを設定すると、お金が必要となる時期や金額が分かるため、貯蓄計画を立てます。
ライフプランニングは、銀行や生命保険会社で作成してもらえるだけでなく、例えば、金融庁のライフプランニングシミュレーションなど、インターネットの無料ツールであればご自身で作成できます。また、ライフプランニングは一度立てれば良いというものではありません。定期的にライフプランニングの進捗(しんちょく)状況を確認し、必要があればプランの修正をしましょう。
ライフプランニングは必要?
ライフプランニングは金融機関や企業、官公庁でも推奨しており、現代を生きる上で必要なものです。ライフプランニングは1990年代半ばよりクローズアップされ始め、2022年4月からは高等学校での金融教育の1つとして授業がおこなわれています。このようにライフプランニングが普及した背景には、以下のものが挙げられます。
(1)ライフスタイル、価値観などの多様化
(2)お金を取り巻く環境の変化
つまり、上記に対応するため、ライフプランニングによるお金の管理や計画的な貯蓄、運用が必要です。
ライフプランニングが必要である理由(1)ライフスタイル、価値観などの多様化
ライフスタイルや価値観は年々多様化しており、お金の使い方も人によって大きく異なります。例えば、昭和の時代では普通であった「専業主婦」は選択肢の1つに過ぎず、結婚後も夫婦共働きの家庭もあれば、そもそも「結婚をしない」選択をする人もいます。
「自分らしく生きる」ことが尊重されている現代ですが、一般論やモデルケースから大きくかけ離れている場合も少なくありません。したがって、個人や家庭のライフスタイルや、価値観を前提としたライフプランニングによる事前準備が必要な時代となっています。
ライフプランニングが必要な理由(2)お金を取り巻く環境の変化
お金を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。
例えば、導入された1989年は3%であった消費税の税率は、10%まで上昇しています。また、社会保険料も年々増加する一方で、少子高齢化により年金受給年齢の引き上げや減額などがおこなわれています。2019年には、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書による「老後2000万円問題」が話題になりました。
年金以外にも老後資金の準備が必要であるため、同じ年収であっても「自由に使えるお金」は年々少なくなっています。
今後も引き続きお金を取り巻く環境は、厳しさを増してくることが予想されます。そのためにもライフプランニングによるお金の管理や計画的な貯蓄、運用が必要となります。
ライフプランニングでできること
ライフプランニングでは、以下のことができます。
(1)将来の支出額が分かる
(2)家計の把握
(3)貯蓄の目安が分かる
(4)リスクへの備え
ライフプランニングでできること(1)将来の支出額が分かる
ライフプランニングでは、ライフイベントでお金が必要となる時期と金額を設定しますが、全てのライフイベントを時系列に並べることにより、人生全体でお金が必要となる時期や金額が分かるようになります。ライフイベントはあくまでも想定される出来事であるため、必ずその金額が必要になるわけではありません。
例えば、子どもの教育資金で、私立大学に自宅からの通学を想定してライフプランニングしていても、実際には国公立大学に下宿にて通学となることも十分にあり得ます。この場合、ライフプランニングとは違う金額が必要になります。このように想定していた金額と実際にかかる金額が違うことは、十分にあり得ることです。
一番重要なことは「あらかじめ想定して準備する」ことであり、想定していた金額と実際の金額のズレは早めに把握し、修正しましょう。
ライフプランニングでできること(2)家計の把握
ライフプランニングで設定するライフイベントは、日々の生活を送りながら起こる出来事であるため、ライフイベントのための貯蓄計画には、家計の把握が必要です。家計の把握のために家計簿をつける必要はありませんが、毎月の支出の大まかな内訳は把握しておきましょう。
家計を把握する中で、支出の削減をしなければならないことがあります。この場合は、食費や生活雑貨の購入など毎月変動するものよりも、公共料金や携帯電話代、生命保険料など、口座から毎月固定で引き落としされるものから見直しをしていきましょう。
ライフプランニングでできること(3)貯蓄の目安が分かる
収入から把握した家計を差し引くと、毎年や毎月貯蓄できる金額の目安が分かります。この金額で、将来のライフイベントが実現可能であれば良いですが、資金が不足する場合があります。この場合は、再度家計の見直しだけでなく、ライフイベントの見直しをおこない、想定される金額を抑えることを検討します。
一方で、収入が増やせる場合は、その分を考慮し、再度貯蓄計画を検討します。
ライフプランニングでは、お金が必要となる時期と金額の目安がついているため、最適な金融商品で貯蓄することができるようになります。例えば、10年未満に必要になる資金は増やすことよりも元本の安全性や流動性を重視して、銀行預金などを中心に貯蓄します。
一方で、老後資金など10~30年程度貯蓄する期間がある場合は、リスクを取りつつリターンが期待できる投資性の金融商品で貯蓄します。
ライフプランニングでできること(4)リスクへの備え
ライフプランニングを実行していく中で、いつも順調とは限りません。時には、以下のような想定しない事態が起こることもあります。
●事故
●病気
●自然災害
●勤務先の倒産
ライフプランニングでは、上記のようなリスクが発生する可能性と万が一起きた場合の経済的な損失をはかり、リスクへの備えを検討します。例えば、事故による骨折など発生する可能性が低く、かつ経済的な損失も小さい場合は、あえてリスクに対して備えない場合があります。
一方で、収入がある人の死亡など発生する可能性は低いものの、経済的な損失が大きい場合は生命保険に加入するなどで備える場合がほとんどです。
ライフプランニングは、何事も起きなかった場合はもちろんのこと、実現実行中の不測の事態が起きても目標が実現可能なものであることが重要です。
ライフプランニングが不要な人の特徴
ライフスタイルや価値観が多様化し、お金を取り巻く環境も日増しに厳しくなっている中でも「自分らしく生きる」ため、ライフプランニングは必要です。したがって、基本的にライフプランニングが不要な人はいませんが、既に「自分らしく生きる」ことができている人は必要性を感じない可能性が高いです。
また、以下に該当する場合も、ライフプランニングの必要性を感じない可能性はあります。
●資産家
●独身
十分な資産を持っている場合は金銭的な問題がないため、ライフプランニングをせずとも比較的容易に「自分らしく生きる」ことができます。一方、独身の場合は時間の経過とともに現実とのズレが大きくなる傾向にあるため、ライフプランニングが参考にならない可能性があります。
ライフプランニングが必要な人の特徴
ライフプランニングは、「自分らしく生きる」ためにどのような人にも必要です。特に以下の人生の節目を迎える人は、改めて将来を考え直すきっかけになるため、ぜひライフプランニングをしましょう。
●結婚
●出産
●住宅購入
●退職
●転職
上記は、お金の流れが大きく変わる時期であるため、家計の見直しにちょうど良いタイミングです。
ライフプランニングまとめ
ライフスタイルや価値観が多様化し、お金を取り巻く環境も厳しさを増している現代において、「自分らしく生きる」ためにライフプランニングは必要です。ライフプランニングでは、将来の出来事に対してお金が必要となる時期と金額を想定するため、将来の支出額や貯蓄額の目安が分かるだけでなく、家計の把握やリスクへの備えもできます。
したがって、どのような人でもライフプランニングが必要ですが、特に人生の節目を迎える人は将来を考え直すきっかけにもなるため、ぜひライフプランニングをしてみましょう。
出典
日本ライフプランニング協会 ライフプランニング
金融庁 ライフプランシミュレーション
金融庁 報道発表資料 高校向け 金融経済教育指導教材の公表について
金融庁 家計管理とライフプランニング
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
財務省 Q&A ~身近な税について調べる~ 日本の税の歴史を教えてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部