更新日: 2024.03.19 医療保険
保険の基本をおさらいしよう! がんの闘病に備えることができる、がん保険以外の保険とは?
そして、「がん」で死亡する人の確率は男性の場合4人に1人、女性の場合は6人に1人となっています。つまり、「がん」は治る可能性のある病気でもあることが分かります。
その「がん」の闘病に備える保険として、生命保険会社や損害保険会社からがん保険が販売されています。しかし、がん保険は「がん」だけを対象とした保険です。では、他の保険で「がん」の闘病に備えることはできないのでしょうか?
執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。
民間の医療保険
生命保険会社や損害保険会社が販売している商品に、「民間の医療保険」があります。「民間の医療保険」にも、がん保険と同様に入院給付(入院保険)金がありますが、がん保険とは異なり「民間の医療保険」には入院給付(入院保険)金の対象となる入院の日数に限度が設けられています。
また、がん保険と同じく「民間の医療保険」にも、手術給付(手術保険)金があります。
「民間の医療保険」はがん保険とは異なり、「がん」を含めた幅広い病気やけがによる入院治療を補償の対象としています。
介護保険
「がん」の治療が難しくなり、生活を送るうえで介護が必要になった場合、65歳以上のいわゆる介護保険第一号被保険者は、国の介護保険を利用したサービスを受けることができます。
なお、40歳以上64歳までのいわゆる介護保険第二号被保険者の場合は、介護保険の申請時、病名欄に「がん」と記載し認定を受けることができれば、同じく国の介護保険を利用したサービスを受けることができます。
なお、「民間の介護保険」もあります。所定の要介護状態になった期間が一定の期間を超えた場合、契約している「民間の介護保険」から介護に要した費用の補償を受けることができます。
所得補償保険
所得補償保険は、「民間の保険」です。病気やけがなどで入院したときや、医師の指示のもと自宅で安静に療養する必要があり、保険証券に記載している業務にまったく従事できない場合に、所得補償保険から保険金を受け取ることができます。
健康保険制度に加入している方は、働くことができず収入がない場合に傷病手当金を受け取ることができます。一方で、自営業者などが加入している国民健康保険には、傷病手当金の制度が設けられていない場合があります。
国民健康保険の傷病手当金は任意給付で、給付の実施の有無は保険者が決めます。
国民健康保険に加入し、傷病手当金の制度がない方には所得補償保険を検討してもよいかもしれません。ただし、所得補償保険は既述のとおり「民間の保険」です。傷病手当金の給付を受けるための要件と、所得補償保険から保険金を受け取るための要件が異なるケースが多いので慎重に検討しましょう。
まとめに代えて
「がん」の闘病生活に備えられるがん保険以外の保険を3点挙げてみました。がん保険は「がん」だけを対象にしたものですが、本記事に挙げた3点は、「がん」を含めて幅広い対象となっています。がん保険と比べながら、検討するとよいでしょう。
出典
国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス 最新がん統計
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役