子供が生まれたら学資保険は過去の話

配信日: 2019.03.19 更新日: 2020.04.07

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子供が生まれたら学資保険は過去の話
子どもの養育には医療費助成など、さまざまな補助があるものの、子どもが独立するまでの費用は人生において、とても大きな費用となります。
 
以前は、子どもが生まれたら学資保険と言われるくらい、多くのご家庭が学資保険に加入されていました。今回は別の見方で「子どもが生まれたら入るべき保険」について考えてみます。
 
吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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子どもにかかる教育費

今回、参考にしている文部科学省の教育費のデータは平成28年(2016年)度のものですが、今年10月からは幼児教育の無償化も始まりますので、教育費の支出は多少少なくなるでしょう。
 
先のデータによると、幼稚園から高校まで公立に進学した場合、学習費総額は約540万円となっています。幼児教育無償化も、無償化となるのは幼稚園や保育園の利用料で、預け先によっては月額上限があります。月額上限を上回る額や行事費など、負担する費用はありますので、注意が必要です。
 
高等学校の場合は、公立私立を問わずに年収約910万円未満の世帯の生徒に対して、年額約10万円の授業料補助があります。ただ、公立については授業料が無償化となりますが、私立についてはそもそも授業料が高く、無償とはいきません。しかし、ありがたい制度ではあります。
 
また、大学進学には多額の費用がかかり、奨学金を利用される方も多いようです。
 
国公立の大学で年間約110万円、私立短大で年間約160万円、私立文系で約160万円、私立理系で約180万円とされています(ただし、授業料以外の費用を含めた額)。
 
進む大学によって差がありますが、私立に進学すれば4年間で600万円以上がかかってきます。
 

子どもが生まれたら学資保険は過去の話

高度成長期には、子どもが生まれたら学資保険と言われていました。
  
高度成長期の日本は普通預金でも金利が高く、現在のような低金利ではありませんでした。保険商品で運用をしても、保険料として払った以上に戻ってくるお金が多かったのです。しかし昨今の学資保険は、良くても払い込んだ保険料の10%程度戻ってくるか、逆に払った保険料の方が多くなってしまうケースもあります。
  
仮に、払った保険料よりも10%多く戻ってきたとしても、物価上昇や教育費の上昇で、実質的には準備した額以上に払う額が多くなることも考えられます。
 

子どもが生まれたら独立するまでの保障を

では、子どもが生まれたらどんな保険に加入しておけばいいのでしょうか
 
前述したように、お子さまが生まれてから大学を出て独立するまでには、多くの費用がかかります。 また最近は、塾や習い事に通うお子さまも多く、思った以上にお金が必要になるケースも少なくないのではないかと思います。 
 
これだけお金がかかる子育てですが、万が一ご主人さまが亡くなられた場合はどうなるでしょう。会社員など厚生年金に加入されている方だと、遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されます。
 
遺族基礎年金は、死亡した人によって生計を維持されていた、子のある配偶者か、子に支給されます。子とは、18歳到達年度の末日を経過していない子、あるいは20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級に該当する子です。
 
子のいない配偶者には、遺族基礎年金は支給されないことになります。
  
配偶者とお子さまひとりの場合には、平成30年度現在で年額77万9300円+22万4300円の計100万3600円が支給されます。月額にすると約8万3000円ですが、この額では生活費としてだけでも厳しいと思います。
 
会社員の方は遺族厚生年金がプラスされます。
 
遺族厚生年金の支給額は給与によって変わりますが、仮に年間の平均標準報酬月額が40万円の場合は、年額49万3290円が受け取れます。月額では4万1108円となり、遺族基礎年金と併せて約12万4000円となります。
 
※参考:日本年金機構
(遺族厚生年金は厚生年金加入年数が短い場合でも、25年加入したとして計算されます。今回は平成15年4月以降に加入された場合で計算しています。)
 
この額をお子さまが18歳になった年度末まで受け取れるのですが、お子さまが18歳になった年度末以降は遺族基礎年金は受け取ることができなくなり、40歳以降64歳までの間にお子さまが18歳の年度末を迎えて年金の子の要件から外れている場合には、中高齢寡婦加算の年額58万4500円を受け取ることになります。
 
ですから、40歳以降に子がいない場合には、先ほどの遺族厚生年金の49万3290円と中高齢寡婦加算の58万4500円の107万7790円で、月額約5万4000円を受け取ることになります。
 

残された家族が安心して過ごせる保障を

ここまで見ると、万が一大黒柱のご主人さまが亡くなられた場合、これまで通りの生活ができなくなる可能性が高いのが分かります
 
多額の教育費以外にも、マイホームを購入され住宅ローンを組まれている場合には、団体信用生命保険に加入されている方も多く、ローンの残債がなくなる可能性もありますが、賃貸の場合には住居費がかかり続けることになります。
 
大黒柱の方が亡くなられた時に不足すると思われる額は、保険で準備しておく必要がありますね。 
この保障額を効率的に準備できるのは、被保険者が亡くなられた場合に、毎月一定額を一定期間受け取ることができる、収入保障保険という保険だと思います。
 
最低でもお子さまが独立されるまでの教育費が必要となる期間は、この収入保障保険で保障を準備しておくことを検討しましょう。
日本政策金融公庫 平成 29 年度「教育費負担の実態調査結果」
文部科学省「平成28年度子どもの学習費調査」
内閣府・文部科学省・厚生労働省「幼児教育の無償化について」
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)
 
執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)
夢実現プランナー
 


 

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