医療保険の保険料、払い方はどうしたらいい?選ぶ時のポイント
配信日: 2019.09.27 更新日: 2021.06.23
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
医療保険の保険料の払い方
例えば、こんな質問があります。
Q.保険料の払い方は、どのようにしたらいいでしょうか。
保険料の払い方は、「終身払」、「一定の年齢での半額払」、「一定の年齢での払済」など、保険料をいつ払い終えるかで方法が異なります。
○終身払:保険料を一生涯払い続ける。
○半額払:例えば、65歳などの年齢になると、それ以降の保険料はそれまで払っていた保険料の半額になる。
○払済:例えば、65歳などの年齢で保険料の支払いが終わる。
月払で保険料を支払うご家庭が多いため、月々の保険料を基準にこれらの違いを見ていくと、次のようになります。
○月々の保険料
終身払<一定の年齢での半額払<一定の年齢での払済
月々の保険料で比べると、終身払がもっとも少なく、一定の年齢での払済がもっとも多くなります。一方、保険料の支払総額で比べると、次のようになります。
○保険料の支払総額
終身払>一定の年齢での半額払>一定の年齢での払済
保険料の支払総額では、終身払がもっとも多く、一定の年齢での払済がもっとも少なくなります。保険料の支払いはこのような仕組みになっているため、毎月の家計負担を抑えたいという方は「終身払」を、働けるうちに保険料を払い終えて、老後の支払いをなくしたいという方は「払済」を選ぶ傾向があります。
基本的には、このような考え方で差し支えありませんが、実をいうと、もうひとつ、重要なポイントがあります。
三大疾病にかかると、それ以降の保険料が免除される。
数年前から医療保険では、「三大疾病保険料払込免除特約」が当たり前になっています。この特約を付けておくと、一定の条件を満たす必要がありますが、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)にかかった場合、それ以降の保険料が免除されます。
三大疾病保険料払込免除特約を付けておくと、例えば、終身払で契約している人が、60歳でがんになった場合、それ以降は保険料を支払う必要がなくなります。本来なら、終身払なので一生涯保険料を払い続ける必要がありますが、この特約を付けておいたおかげで、それ以降の保険料を支払う必要がなくなりました。
一方、60歳払済で契約している人が、60歳でがんにかかった場合、すでに保険料を払い終えてしまっているため、せっかく三大疾病保険料払込免除特約を付けていたのに効果はありませんでした。
医療保険だけに限りませんが、ほかの保険商品でも、三大疾病保険料払込免除特約はメジャーになってきています。日本人の健康リスクを考慮した特約ですが、こういった点も保険料をどのように払うかに影響を与えます。
まとめ
確かに、保険料だけで保険を考えるのは良くありません。しかし、生命保険などの保険料は、住宅費用、子どもの教育費、老後の生活費と並び、人生の4大支出とされています。
保険料の払い方を間違えると、その後の家計に大きな影響を及ぼします。基本的な違いを理解し、保障内容と保険料のバランスをみながら家計にとって負担の少ない方法を選ぶ必要があるのも重要なポイントといえます。
保険料を抑えすぎると保障は少なくなってしまいます。一方で、保障を増やしすぎると、保険料は高くなります。保険に入る際は、何のために、どのような保障を選び、どのように保険料を支払っていくかをしっかり考えていく必要があるでしょう。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)