更新日: 2020.09.23 生命保険
今さら聞けない! 1年に一度届く生命保険の契約内容確認書の見方
今回は、契約内容確認書の見方について解説します。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
主な記載事項
契約内容確認書には、主に以下の事項が記載されています。
(1)証券番号:契約している保険の証券番号
(2)商品名・保険の種類:契約している保険の商品名・種類
(3)契約日:保険の契約日
(4)被保険者:保障の対象となる人
(5)受取人:保険金を受け取る人
(6)保険内容:主契約・特約の内容
(7)保障内容:保障の内容
このうち、特に確認しておきたいのが、(5)受取人と(7)保障内容です。当該保険は、受取人の生活を経済的に支えるものと考えられるため、保障内容については情報を共有しておくことが望ましいでしょう。
契約内容を確認する・見直す
契約内容確認書が届いたら、どのような保障内容だったかを確認するのはもちろんのこと、今後もその保障内容で良いのかを、ぜひ見直していただきたいと思います。
特に、契約日から数年たつと、ライフプランが変わっていたり、経済状況が変わっていたりする場合がありますので、そのような場合には保険も見直す必要が出てくるためです。
例えば、結婚して子どもが生まれたときや住宅を購入したとき、子どもが独立したときなどは、ライフプランや資金計画を見直すタイミングといえます。
そして、ライフプランや資金計画と照らし合わせて、保険を見直す(保障内容に過不足が無いかをチェックする)には、年に1度届く契約内容確認書は最適な資料となります。
必要な保証額の考え方
保険に加入した際に、一度は確認されていると思いますが、改めて必要な保証額の考え方について説明します。
まず、保険とは万が一に備えておくためのセーフティーネットという位置づけになります。そして、このセーフティーネットには「公的保険」と「私的保険」、つまり「社会保険」と「民間保険」があります。あまり意識はされていないかもしれませんが、社会保険がセーフティーネットのベースとなります。
民間保険は社会保険の次のセーフティーネットとなりますので、考え方としては「社会保険で足りない部分を補う」ことが、その役割となります。ですから、民間保険に加入する前に、社会保険(基礎年金・厚生年金)について理解しておく必要があります。
備えておきたい資金としては、ライフプランにより異なるのですが、例えば配偶者の生活費、子どもの生活費や学費、住居関連費などが考えられます。このうち、社会保険や死亡退職金で賄える部分、遺族の収入で賄える部分、預貯金などを差し引いたものが、必要な保証額ということになります。
契約内容確認書の見方としては、上記のような点に留意しながら、その内容を確認していくのが良いでしょう。
まとめ
契約内容確認書が届いたら、必ず内容を確認しましょう。特に確認すべき内容は、受取人と保障内容です。保障内容については、受取人と情報共有するのが望ましいといえます。
また、その保険が現時点で適切かどうかを見直してみましょう。保険に加入したときと状況が変わっていれば、必要な保証額も変わってきます。必要な保証額について考えるときには、社会保険を考慮することも忘れてはいけません。
生命保険は、あなたに万が一のことがあったときに、遺族の生活を支えるものとなります。
年に1度届く契約内容確認書は、あなたの資金計画を見直す良い機会かもしれません。この機会に、ご家族でライフプランや資金計画について話し合ってみるのはいかがでしょうか。
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー