「『がんばりすぎない』とは、周りに協力をお願いするということ。自分1人で抱え込まない方が仕事も育児もうまくいく」 auじぶん銀行 住宅ローン企画推進部 吉永章子さんインタビュー
Interview Guest : auじぶん銀行 住宅ローン企画推進部 吉永章子
配信日: 2022.10.06
Interview Guest
2005年、新卒でネット証券に入社後、2012年3月、au じぶん銀行に入行。営業統括部、住宅ローンセンターなどを経て、現在は住宅ローン企画推進部にて、住宅ローンの事務企画やデータ分析・ Salesforce のシステム管理等を担当。2度の産休育休を取得後、テレワーク等を活用してフルタイムで働いている。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
育休明けに、働きやすい部署を提案してくれた
―現在、住宅ローン企画推進部に所属されているとのことですが、担当されている業務についてお聞かせください。
住宅ローン企画推進部は住宅ローンの所管部署で、住宅ローンに関することは幅広く業務を行っています。
その中で私は、主にCRMツールの開発の保守担当をしています。今は特に提携案件(不動産業者から持ち込まれる住宅ローン案件)について、ペーパーレス化を目指したシステムのリリース準備や。住宅ローンで扱う各種データを抽出するプログラムのメンテナンスなどを行っています。
――吉永さまは今年、2人目のお子さまの育休から復帰されたとのことですが、1人目のお子さまの産休に入られる前から、住宅ローン企画推進部にいらっしゃったのでしょうか?
いえ、第1子の産休に入る前は住宅ローンセンターに所属していまして、育休後、現在の住宅ローン企画推進部に異動しました。
――異動は、吉永さまが希望されたのでしょうか?
私も希望を出しましたが、会社からも提案をいただきました。
住宅ローンセンターはシフト制で動いている部署でして、例えば子どもの体調不良などで急に休んだ場合、業務に直接影響を与えてしまうのではないかと心配でした。
しかし企画業務であれば、子どものことで1日いなくてもリカバリーしやすいし、ほかの人に代わりをお願いしやすいので、その方が働きやすいのではないか、と会社から提案していただいたのです。私としてもその方が安心できるなと考えて、住宅ローン企画推進部での復帰になりました。
引き継ぎで心がけた、“仕事を抱え込まない”方法
――会社から育休後の仕事について、そんな風に提案してもらえるのは心強いですね。産休・育休に入られる前の業務の引き継ぎはいかがでしたか?
第1子のときは、何かのプロジェクトに関わっていたわけではなかったので、引き継ぎは、実はあまりなかったんです。
しかし第2子のときは、当行がお客さまの電話応対をしているコールシステムのリリースに向けたプロジェクトに入っていて、その中でも私は、産休に入る直前まで、CRMツールにおけるプロジェクトマネジメントのようなことをやっていたんですね。
リリース直前に産休に入らなければならないことが分かっていたので、なるべく早いタイミングから1人で仕事を抱えず、一緒に仕事をしているメンバーに常に情報共有を図って、引き継ぎがスムーズにいくように対応していました。
――なるべく早いタイミング、とは具体的には産休に入られるどのくらい前からですか?
ほぼ5ヶ月前にはプロジェクトのメンバーに産休に入る時期を伝えて、とにかく仕事を自分1人で抱え込まないようにしていましたね。
あとは、自分だけが表に立たないように、自分の後任になりそうな人にできる限り表に立ってもらうようにして、私は後ろからサポートする、ということはやっていました。
1年にも満たない産休・育休期間、その理由は?
――2人のお子さまの産休・育休を、それぞれ2019年と2021年に取得されたそうですが、具体的にはいつからいつまで取得されたのでしょうか?
第1子は2019年に産休・育休に入り2020年6月に仕事に復帰、第2子は2021年7月に産休・育休に入り、2022年5月に仕事に復帰しました。
――2人目のお子さまの産休・育休は10ヶ月なんですね! 何か理由があったのでしょうか?
保育園の問題ですね。保育園って、募集人数は4月が一番多く、4月以外は入りづらいんですよね。4月を逃してしまうと、翌年の4月まで待たなければならなくなる可能性が高いのです。
また、0歳児はわりと入りやすい傾向があるのですが、子どもが1歳になってから復職を考える方が多いみたいで、1歳児の入園の倍率が高く、とても入りづらいということもあります。そのため、0歳児でも復職した方がいいかな、と考えて10ヶ月で復職しました。
――例えば保育園のことがなければ、もう少し休みたかった、ということはなかったのでしょうか?
それはなかったですね。
第1子のときは、初めての出産・育児で分からないことが多く、子どもがちょっと泣いたらどうしたのかと心配したり、ちょっと体をぶつけて赤くなっているのを見ると、慌てて病院に電話したり……という感じだったのですが、子どもが1歳くらいになると、だいぶ育児に慣れてきたんですね。そうすると今度は、早く仕事に復帰したいなと思うようになりまして……。
子どもと2人きりの世界に居続けると、周りがどんどん動いているのに、自分が世界から取り残されているような気がして不安に感じる、というところがありました。
――2人目のお子さまのときも似たような感じだったのですか?
2人目のときは、1人目の経験のおかげで、こうなったらこうなるよね、と、大体想定できたので、手の抜きどころが分かっていたといいますか。
どちらかというと、「社会人人生最後の長い休みだから、これを楽しまなきゃ損だ!」くらいの気持ちで産休に入ったんです。年がいもなく、はやりのインナーカラーを入れて髪の毛を真っ赤に染めたりとかして。
――育休期間を満喫されていたようですが、それでもお休みに未練はなかったのですか?
実は第1子がイヤイヤ期に入っていたので、もう子どもたちと3人きりでいることが大変で。早く仕事に復帰して、心の安定を図りたいという気持ちが強くなっていました。
妊娠・出産
・通勤緩和としてフレックスタイム勤務・短時間勤務(1日6時間)が可能。
・女性社員の妊娠出産のとき産前6週間(多胎妊娠の場合は産前14週間)、産後8週間の休暇を付与。
育児
・育児休業は子が満2歳に達するまでの期間取得可能
※育児休業取得率…女性100%、男性60%(2021年度実績)
・子の看護休暇として、1年度内に5日、対象となる子が2人以上いる場合は10日
(子が小学校就学の始期に達するまで)
テレワークで効率性を上げて働くコツ
――なるほど、1人目のお子さまのときも2人目のお子さまのときも、意欲的に仕事に復帰されたのですね。実際に仕事に復帰されたとき、職場で何か変化を感じられましたか?
第1子の育休から復帰する時期は、ちょうどコロナがはやりだしていたころでしたが、まだテレワークは会社の制度として、きちんと成り立っていませんでした。でも第2子のときにはウィズコロナ時代で、当行でもテレワークは当たり前になっていたことには変化を感じましたね。
私たちのような子育てをしている人間からすると、例えば子どもがちょっと熱を出したら、以前は仕事を休まざるをえませんでしたが、今なら自宅で仕事ができるので、かなり働きやすい状況になっています。
――やはりテレワークで働けると、お子さまのことなどで急に何かあっても対応しやすいですよね。
そうですね。ただ効率性は上げて仕事をするように気を付けています。
――例えば、効率性をあげるための、何か工夫はありますか?
主人もテレワークが多いのですが、子どもを見ながら仕事をするのであれば、どうしても外せないミーティングや作業などでは「この1時間はお願いね」と、主人に子どもを完全にお願いして仕事に集中する、とかですね。
1時間と決めてその間、どっちかが仕事に集中して、どっちかが仕事をしないで子どもを見て……と、主人と調整しながらやっているのですが、緩急をつけながら仕事ができているので、かなり効率は上がっていると思います。
――ご主人と、まさに二人三脚でお子さまを育てていらっしゃる感じですね。
主人は、子どもにご飯を食べさせたり寝かしつけたりと、かなり育児に関わってくれています。仕事を持ち帰ったときでも、「ここから後はお願いね」と子どもを任せられますし、私がどうしても出勤をしなければならないような場面でも、主人一人で子ども2人の面倒を見られるので、とても助かっています。
予測できない子どもの体調変化で、仕事の計画を変更せざるをえないときは……?
――現在は、ほぼテレワークで仕事をされているのですか?
いえ、仕事ではデータ分析が多いのですが、個人情報を扱うデータなどは出社しなければ扱えないので、出社もしています。
――出社されている割合はどのくらいなのでしょうか?
まちまちですね。例えば先々週は、子どもが次々に手足口病にかかってまったく出社できなかったので、出勤しないとできない業務を片付けるために、直近ではほぼ出社して仕事をしています。
テレワークが続くと、出社しないと対応できない仕事が宙に浮いてしまうのですが、その状況は月や週によって違うんです。ただ、週1回はテレワークをしていると思います。
――状況によってテレワークを取り入れられているのですね。吉永さまはいろいろな業務を担当されていますが、部下の方と業務に対応されているのですか?
いえ、部下がいるわけではないのです。部署の案件それぞれにチームがあり、チームで業務に対応しているので、常に同じメンバーで動いているわけではありません。時にチームメンバーがかぶりつつ、同じ部署の中で、さまざまな案件を回しているという感じです。
――とてもお忙しそうですが、仕事と家庭を両立されていて、大変だと感じるときはどんなときでしょうか?
自分の体調はある程度管理できますが、子どもについてはどうにもなりません。例えば昨日まで元気だったのに、急に熱が出たりすることもあります。
また、今は特にコロナ禍の状況なので、体温が37.5度にワンタッチでもすると、もう保育園に預け入れできないんです。そんな風に、どうしても出社できなくなって、急にテレワークに切り替えなければならないときは、やはり大変だなと思いますね。
ただ、こうしたことが起こるという前提で、自分一人で仕事を抱え込まずに、チームメンバーには「今こういうことをやっていて、今日はこれをやらなければいけないから、ダメだったらお願いしますね」と、依頼できるように常に心がけています。逆にチームのメンバーから、子どもの体調不良のときなどに「業務の引き継ぎは大丈夫ですか?」と声をかけてもらったりして、手厚くフォローしていただいていると思います。
情報共有を徹底して、お願いしたらよほどのことがない限りスルー!
――チームメンバーにお願いされている点について、もう少し詳しく聞かせていただけますか?
がんばりすぎないというか、自分1人で抱え込まない、できる限り、みんなに協力してもらおうという感じです。なんでもかんでも自分1人でできる時代は終わったんだな、と思っています。
――なるほど、しかしほかの方にお願いしたとき、自分が想定したものと違う形になっていた、ということもあるのではないかと思います。そんなときはどうされるのですか?
お客さまに致命的な影響を与えるとか、このままだと絶対ダメになるということが分かっている場合は、もちろん口を出すのですが、そうでない限りは、最近はスルーするようになりました。私の場合、自分よりも後輩にお願いしてやってもらうことの方が多いのですが、やってもらって場合によっては失敗することも経験だと、最近は思っています。
なんでもかんでも、こちらがお膳立てをしてしまうと、後輩は作業だけやっている状態になってしまって、結局、最終的には自分でやった方が早かったということになってしまいます。なので、彼らが自分で良いと思ったことはそのままやってもらう、成功するかもしれないしダメかもしれないけど、取りあえずやってもらう、ということを自分の中で決めています。
――そんな風に思われるようになるまで、いろいろと葛藤がおありだったのではないかと思うのですが、それをどんな風に自身に納得させて、ほかの方に仕事をお願いされるようになったのですか?
実は産休前の引き継ぎの際、ずっと口出しをし続けて、結局自分の業務が全く減らず、引き継ぎが進まないということがあったんですね。いつまでたっても産休・育休に入れないという状況になりつつあり、このままではいけないと。
これは割り切るしかないという状況に至り、そこからは今のように、口出しせずにお願いできるようになりました。時間的なリミットが近づき、自分の中でも追い詰められていたということは大きいですね。
――産休前の引き継ぎでのご経験が、人にお願いされる、任せることにつながっているんですね。みなさんに協力してもらうために工夫されていることがあれば教えてください。
工夫というほどでもないですが、自分がキャッチした情報は、常にみんなに共有するようにしていますね。社内の情報によっては、「これって実は私1人にしか連絡が来てないのでは?」というものがたまにあるのですが、公開して問題ないものは、常にみんなに「こういう話が進んでいます」と、どんどん共有するようにしています。
特に今だと、メールではなくチャットでやりとりをする形になっているので、関係のあるメンバーでどんどんグループを作って情報を共有し、メンバー全員で意見を出し合える場を、自分から作るようにしています。
メールだと一対一の関係でしかやり取りが進んでいかないところがありますが、チャットだとあちこちとやり取りがしやすいですし、途中から参加してもらっても、過去のやりとりをふりかえって共有しやすいので。
ママという立場でも管理職やさらに上のレイヤーを目指したい
――情報共有を徹底されていますね! では、そうしていくつもの業務に対応されている中で、やりがいを感じられるのはどんなときですか?
システムリリースであれば、業務改善系のものが多いのですが、トラブルなくきちんとリリースできて、その業務が改善され、それを使う方たちから「業務がスムーズになったよ」「こうなってよかったよ」と言っていただくと、やっぱりやってよかったなと思いますね。
また計画を立てて住宅ローンという商品を紹介している以上は、その計画を達成できたときは、もちろんうれしいですね。
――それはうれしいですよね。もしも吉永さまの今後の夢や目標があれば教えていただけないでしょうか?
日々の仕事や生活を着実にこなしていくことで、ママという立場の人間でも、管理職になったり、もっと上のレイヤーを目指していけたりすればいいな、と考えています。
――すてきですね。確かにそれは、後輩の方たちの励みにもなりそうですよね。ところで、弊社メディアは「お金や暮らしの疑問を解決する!」というコンセプトを掲げています。もしも吉永さまに家計の悩みや不安がもしありましたら、教えていただけますでしょうか?
これだけ物価が高くなってしまうと、単純に貯金しているだけではお金の価値自体は減るばかりになるので、資産運用をある程度する必要があると、個人的には思っています。
実際に資産運用はしているのですが、「本当にその配分でいいのかな?」「どこにどれだけ運用バランスを変えていけばいいのかな?」という点は自分の中での答えが見つかっていないので、その辺りを教えてくれる人がいたらうれしいなと思いますね。
――確かに吉永さまのように、運用バランスなどを教えてほしいと思っている方は多そうですね。弊社メディアの読者は、吉永さまのように、仕事と家庭を両立させようとがんばっている女性が多いのですが、そういった方が、auじぶん銀行さまの住宅ローンを利用するメリットを教えてください。
当行の住宅ローンは、魅力的な金利に、充実した団体信用生命保険が付帯しているところが一番の魅力だと思います。
実は私も当行で住宅ローンを契約しているのですが、やはりそれは、金利がどこと比較しても良かったという点と、上乗金利がついてでも「がん100%保障団信」がよいと思ったからです。
お客さまは大体、金利の上乗せがない「がん50%保障団信」をお選びになる方が多いのですが、「がん100%保障団信」の場合、がんと診断を受けた時点で、ローンの残高が全て0になるというものです。
私は、生命保険の死亡保障の方を少なくし、金利の上乗せの方で生命保険分をカバーすればよいと考えて「がん100%保障団信」を選んだのですが、保険は保険、住宅ローンは住宅ローンで分けて考えるではなく、こういった考え方もできるんじゃないかなと思います。もちろん、生命保険とどっちがよいかは、最終的にご自身の判断になってしまうのですが。
――生命保険と団信の比較、住宅ローンを初めて組む方は、なかなか思いつかないかもしれないですね。
生命保険は生命保険、住宅ローンは住宅ローンと、完全に別のものとしてお考えになる方が多いでしょうね。ただ、付帯しているサービスの内容をみると、生命保険の話なので、保障の内容などを見比べてもらって、どれに入るか考えていいただければ、当行の住宅ローンは魅力に感じていただけるのではと思います。
――ありがとうございます。最後に育児も仕事も頑張りたいと考えている方に、メッセージをいただけますでしょうか?
私も昔は、「がんばりたい、がんばりたい」と思っていたのですが、がんばりたいと思うことで、どんどん疲れ始めるんですよね。
肩の力を抜いて、お願いできるところは周りにどんどんお願いする、というスタンスでいる方が、自分の首を絞めずに育児も仕事もうまくいくんじゃないかなと個人的には思っています。
――本日はありがとうございました!
出典
auじぶん銀行 住宅ローン
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部