敷金・礼金・保証金の違い、説明できますか?どれも必要な費用なの?
配信日: 2018.03.24 更新日: 2019.01.08
その節目と切っても切り離せないのが引っ越しです。
引っ越しのとき、賃貸物件を探しているとよく目にする単語があります。
そう、「敷金」「礼金」「保証金」です。
これらの違いをきちんと理解していますか?
どのような用途へ使われているのか、考えたことがありますか?
賃貸物件の契約には多額の費用がかかります。
自分の支払う項目について、きちんと理解しておきましょう。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
敷金とは
敷金とは、万が一の際に備え、大家さんへあらかじめ預けておくお金のことです。大家さんの立場になって考えてみてください。
ある程度事前に審査するとはいっても、結局のところ、どんな人が入居するのかについて入居前から完全に知ることができません。
マナーの悪い人が入居してしまい、家賃も払ってもらえない。おまけに部屋の使い方が荒く、退去時には室内がボロボロになってしまった。
そんなことになってしまっては目も当てられません。
しかし、そんなときであっても、あらかじめ、敷金としてお金を受け取っていれば、そこから費用を充当することができ、安心して部屋を貸すことができます。
また、借主としても、あらかじめお金を預けておくことで、いざという時にお金が用意できなくなるといった心配も少なくなるため、決して悪いものではありません。敷金は、家賃の滞納や部屋の破損などがない限り、基本は退去時に戻ってくる費用となります。
つまり、敷金は大家さんにとっても、借主にとっても必要なお金であることがわかります。
礼金とは?
礼金とは、大家さんに対するお礼と言われています。
戦後、焼け野原で人の住む場所が少なかった時代、住居を提供してくれてありがとう。という意味を込め、お金を払っていた慣習が現在まで残り、礼金となったと言われています。
その他にも、子供が上京する際「子供のことをよろしくお願いします。」と大家さんにお金を包んでいた慣習が浸透し、広まったとも言われています。
現在では当初の慣習のような意味合いではなく、支払われた礼金は住宅の維持費や広告費などに充てられることがほとんどです。礼金は敷金とは異なり、退去時に戻ってくることはありません。
そうなってくると、礼金を支払うことについて抵抗が出てくるかもしれません。しかし、礼金の分毎月の家賃が少々安くなっていたり、家賃の割に豪華な設備になっている物件もあります。
あまりいいイメージのない礼金ですが、そういった視点で見てみると、思わぬ掘り出し物件に出会えるかもしれません。
保証金とは
保証金とは、基本的に敷金と同様のものとなります。保証金という名称は主に関西方面で使われているため、関東の方にはなじみが薄いかもしれません。
保証金は敷金とは異なり、礼金のような一面も持っています。関西では敷金・礼金と言うシステムが一般的ではないため、保証金が関東で言うところの敷金・礼金としてのシステムを果たしているのです。
当然、その分費用も高額となっています。
仮に同じ家賃の部屋を借りたと想定すると、保証金は敷金と比べ、2倍から3倍の金額を覚悟しなければなりません。
敷金・礼金・保証金にはそれぞれ必要とされる理由があります
敷金・礼金・保証金、これらを支払うことがイマイチ腑に落ちないと考える人は少なくないでしょう。
しかし、それぞれの役割と必要性について、しっかりと理解しておくことで、納得して不動産の契約が行えるのではないでしょうか。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士・2級ファイナンシャルプランナー