更新日: 2019.01.10 その他暮らし

『未成年だから』は関係ありません!中学生のひどいいじめは犯罪になります。

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 池田理明

『未成年だから』は関係ありません!中学生のひどいいじめは犯罪になります。
学生がいじめを苦に命を絶つという悲しいニュースが度々取り上げられます。中学生、高校生だけでなく、中には小学生というケースも。いじめの内容や、被害者の心のダメージに年齢は関係ありません。
 
ターゲットに対する暴言や暴力は、「嫌がらせ」という言葉で片付けられないほど、悪質な場合もあります。
 
どんな場合も「未成年だから」「学校の中のことだから」で済まされるものなのでしょうか。いじめ問題について弁護士の先生にお伺いしました。
 
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

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池田理明

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

中学2年生A子さんのケース。クラスメイトの3人から悪口、教科書を破られるなどの嫌がらせを受け…

A子さんは中学2年生。地元の公立中学校に通っています。
 
A子さんは人当たりがよく、男女問わず誰にでもにこにこと愛想のよいタイプです。しかし、それがぶりっ子だと一部の女子から反感を買い、嫌がらせをされるようになりました。
 
その中心はクラスメイトの女子3人組です。
 
ある日、A子さんが自分の席で自習をしていると、3人が近くで「いい子ぶっててきもい」と言いました。はじめ、A子さんはそれが誰に対してなのか分からずにいましたが、3人がちらちらとA子さんを見たので自分のことなのだと察しました。
 
3人のA子さんに対する嫌がらせは徐々にエスカレートしていきました。「人の彼氏を取った」と根も葉もないうわさを流したり、教科書を破ったり、わざと突き飛ばしたり…。
 
ある日の昼休み、A子さんは3人に通学かばんを取り上げられました。
 
「返してほしかったら、食堂でアイス買ってきて。3人分ね」
 
教室は3階。1人がかばんを持つ手を窓の外に出し、今にも手を離しそうです。かばんの中にはスマートフォンが入っていたので、割れては困ると思ってA子さんはしょうがなく食堂に向かいました。
 
A子さんは日々の度重なる嫌がらせで精神的にまいり、学校に行くのもおっくうになっています。
 
*物語はフィクションです
 

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A子さんに対する3人の行為は、「中学生だから」「学校の中だから」と許されるものなのでしょうか。東京桜橋法律事務所の池田理明弁護士にお伺いしました。

このような嫌がらせを刑法の犯罪類型に当てはめると、「いい子ぶっててきもい」などの悪口は「侮辱罪」、「人の彼氏を取った」などと根も葉もないうわさを流す行為は「名誉棄損罪」、教科書を破く行為は「器物損壊罪」、わざと突き飛ばす行為は「暴行罪」、「アイスを買ってこい」などとパシリにする行為は「強要罪」に当たると考えられます。
 
いじめた方が「14歳に満たない」場合は刑事責任能力がありませんが、中学2年生でも14歳以上であれば、刑事責任能力が認められ、犯罪の成立要件を満たします。
 
「14歳に満たない」場合は、刑務所に収監されることはありませんが、少年審判の対象とはなりますし、少年院法の改正により12歳を超えている場合は少年院へ収容される場合もあります。
 
被害者の親だけでなく加害者の親にも言えることですが、何度注意しても、いじめがなくならない場合、悪質な事件に発展する前に学校に相談することが大切ですね。
 

まずは家族や友人、先生に相談しよう。いじめは法に触れる可能性が充分にある

いじめ問題は根深く、絶対的な解決策は見つかりません。特に、小中高生は対処方法を見いだすことができず、一人で抱え込んでしまうケースも少なくありません。
 
つらい時はまず、家族や信頼できる友人、先生に相談してみましょう。そのうえで、問題が解決しない、気持ちの折り合いをつけたいという場合は、弁護士に相談するのもひとつの手段です。
 
中学生にもなれば、「子供だから」「学校の中だから」という言い訳は通用しません。いじめに当たる行為は、相手に心身ともに深い傷を負わせるだけではなく、法律的にも罪になる可能性が十分にあります。
 
自分の言動ひとつで、法に触れる可能性があるということを自覚しましょう。
 
Text:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/
IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応