最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.07.29
暮らし

初めての海外旅行! しかし、電車遅延で飛行機に乗り遅れ・・これって金額請求できるの?

空港は広く搭乗口も多いため、戸惑うことがありますよね。特にあまり飛行機に乗ることが無い人は、スムーズにいかないこともあるかもしれません。
 
初めての海外旅行であれば、多くの人は余裕を持って家を出ます。しかし、空港までの電車が遅延してしまったら?自分のせいではないのに、飛行機に乗り遅れてしまったら…。
 
今回は、初めての海外旅行で大変な目にあったIさん一家の例をご紹介します。
 

初めてのハワイ旅行にうきうきのIさん一家。電車で「車両点検」のアナウンスが入り…

Iさん一家は夏休みを利用して、ハワイ旅行に出かけることになりました。
 
子供たちも、初めての海外旅行に大はしゃぎです。Iさんは夜の8時に出発し、朝の7時にハワイに到着する航空券を予約しました。
 
出発日、Iさん一家は余裕を持って家を出ました。空港までは電車で向かいます。家族は電車の座席に座り、ガイドブックを広げてお喋りに花を咲かせます。すると、突然電車が停止しました。
 
「車両点検のため、一時停車いたします」
 
心配する奥さんに、Iさんは「余裕持って出たから大丈夫」と言いました。電車は思ったよりも長く止まっています。しばらくすると、動き出しました。
しかし、その数分後、再びアナウンスが入りました。今度は非常停止ボタンが押されたようです。
 
「なんだか重なるわねえ。大丈夫かしら」
 
奥さんの言葉に、Iさんも少し不吉な予感を感じていました。運転が再開し、ほっとしたのも束の間です。2回の停車で電車が詰まり、間隔調整のためになかなか進まなくなりました。結局、Iさん一家が目的の駅に着いたのは、予定の1時間後でした。
 
これはまずいぞと、家族は空港内を走ります。ところが、初めての海外旅行で勝手が分かりません。搭乗口を探して右往左往していると、飛行機に乗り遅れてしまいました。
 
離陸後だったので便の変更もできず、Iさん一家は航空券のキャンセル料を払う羽目になりました。その後、当日券を購入できましたが、その分の費用も余計にかかってしまったとのことです。
 
Iさんは無事に飛行機に乗ることができてよかったものの、電車が遅延しなければ間に合ったのにと悔しい思いをしています。

*物語はフィクションです
 

電車の遅延で飛行機に乗り遅れた場合、鉄道会社にキャンセル料や飛行機代を請求することはできるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いしました。

今回のように電車の遅延が原因で飛行機に乗り遅れたとしても、鉄道会社に対する請求は難しいと思います。
 
あまり知られていませんが、電車に乗ると、電車と乗客の間には「旅客運送契約」が結ばれます。契約の成立には証書の作成を要せず、運送賃の支払いと引換に乗車券を交付し、これを契約の成立としています。旅客運送契約は「目的地まで運ぶこと」を目的とした契約であり、「時間通りに目的地に運ぶこと」までを内容としていません。そして、運送約款などで電車の遅延による損害賠償が免責されています。
 
このような請求を認めてしまうと、損害賠償が膨大になることが予想され、運賃が高騰し、公共の輸送の運営を困難にすると予想されます。そのため、鉄道会社などでは「責任は負わない」とする約款が許されています。
 

電車遅延で飛行機に乗り遅れても、鉄道会社に対する請求は難しい

電車遅延が原因で飛行機に乗り遅れたとしても、鉄道会社に対して飛行機代やキャンセル料を請求することは難しいということが分かりました。
 
朝のラッシュによる電車遅延を考えると、請求を認めた場合の損害賠償は莫大になることが予想されますよね。免責されるのは仕方のないことかもしれません。
 
絶対に遅れてはいけない用がある場合は、電車遅延なども考慮して家を出なくてはいけませんね。今回は車外に出ることが難しいケースでしたが、出ることができるのであれば、違うルートで行く、他の移動手段を利用するなど、状況に応じて臨機応変に対応しましょう。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

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FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

石垣美帆

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。



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