更新日: 2020.04.06 その他暮らし
うっかり未納してしまった。そんな時に助かる「総合口座」のサービスとは?
このように毎月の支払いなど銀行口座の残高が足りずに引き落とされなかった、という経験はありませんか?
いつもこのような状況だと問題がありますが、たまにうっかりということもあるでしょう。銀行などで作れる「総合口座」のサービスはこんな時にとても役に立つんです。一度でもうっかり未納を経験したことがある方は、一考する価値はありますよ。詳しく見てみましょう
執筆者:田中栄二(たなか えいじ)
AFP認定者
2級DCプランナー
確定拠出年金相談ねっと 認定FP
福岡でのテニスコーチ業で、個々に適した伝え方や問題解決の基礎を学ぶ。その後「保険業は困ったときにこそ必ず人の役に立てる」と誘われ保険代理店の道へ。複数の保険会社・証券会社を取扱う会社に所属し、保障から資産運用までサポートしている。20年の保険業務と15年の証券業務の経験を持つ。「幸せな楽しい老後を送るための資金準備をしませんか?」の思いを伝えるべく確定拠出年金を活用した老後資金作りの相談やサポート業務、資産形成セミナーも行っている。
総合口座のサービスとは?
通常、銀行で通帳を作り、キャッシュカードで引き出しも預け入れも簡単にできる一番身近な預金を「普通預金」といいます。
また、まとまったお金を満期日まで預ける預金を「定期預金」といいます。毎月決まった日に積み立てすることもできます。普通預金より金利が高い貯蓄専門の預金です。
この普通預金と定期預金を一つにまとめたものが総合口座になります。二つの通帳を一つにまとめるイメージです。
総合口座を作れば、特典としてサービスを受けることができます。その一つとして、引落される金額が口座の残高より多ければ、自分の定期預金を担保に自動的に貸し付けてくれるのです。これを「当座貸越」といいます。
つまり3万円引かれるのに5,000円しか通帳に入ってない、という状況であれば、当座貸越のサービスを利用すると自動的に支払いにあててくれますので、残高不足で引落ができない事態を防ぐことができます。
口座残高より多い額を自分で引き出すこともできます。その場合も当座貸越を利用しており、通帳のお預り残高の欄にはマイナスで表示されます。当座貸越できる額には限度があります。定期預金の80~90%までで、200万や300万の上限もあるようです。
50万円の定期預金がある場合、90%の限度額であれば40万円までの利用が可能になります。自動的に当座貸越を利用するように設定されているか、また限度額などは金融機関に確認しておくと良いでしょう。
注意点としては、定期預金を担保に融資を受けているわけですから、当然利息が発生します。この金利は定期預金の金利より高くなっていますので、余裕があれば早く返済しておきましょう。返済日は特に決まりはなく、口座に入金すると自動的に返済されますので利便性も高いです。
せっかく定期預金を持っている方は総合口座にまとめるだけでいいのです。
まだ定期預金をしていないという方でも、使う予定のないまとまったお金で定期預金をするか、コツコツ積み立てを始めて総合口座にしておくと、当座貸越のサービスを受けることができますので、非常時に助かります。
毎月の支払いの管理
うっかり未納がおきてしまう原因として、毎月の支払いの管理が大変だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
公共料金、保険、クレジットカード、携帯電話、月会費など、口座から自動で引き落とされる項目はかなり多いし引き落とされる日もばらばらです。それをシンプルにしたいのであれば、支払いをクレジットカード払いにしてみるのも一つの方法です。
メリットとして引落し日を一つにまとめることができます。引落前にクレジットカード会社から利用明細書が来て、請求額が把握できますし、請求額の残高を確保しておけばよいので管理がしやすくなります。
また、ポイントなどの特典が付くサービスもあります。筆者も航空会社のマイルを貯めるために月々にかかる支払いで可能なものは全てクレジットカード払いにしています。貯まったマイルで出張や旅行の際の飛行機代として活用しています。
ただ、クレジットの滞納は信用情報に傷がつきますので、しっかり引落ができるようにしておきたいところです。
毎月残高不足にならないくらい入金しておけば問題はないのですが、ついうっかりして入金できないという月があるかもしれません。そんな場面でも、総合口座の当座貸越のサービスは有難い制度なのです。
Text:田中 栄二(たなか えいじ)
AFP認定者