更新日: 2019.06.28 その他暮らし

増えるカーシェアリング、8人に1人が「運転する」以外の予想外な利用も。

執筆者 : 宮﨑真紀子

増えるカーシェアリング、8人に1人が「運転する」以外の予想外な利用も。
モノに対する意識が変わってきたと言われています。シェアリングエコノミーが日常的なものになりました。“ずっと持ち続けたい”という所有欲が薄れ、必要な時だけ使うことに重点が置かれています。たとえ購入しても、それを貸し出したり、あるいは売却することを前提にしているケースも増えています。
 
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

クルマは便利に使いこなす時代に

昨年2019年11月にトヨタ自動車が“愛車サブスクリプションサービス(月額定額サービス)”を始めると発表しました。「KINTO」と名づけられたこのサービスは、税金や保険の支払や車両のメンテナンスに掛かる手続きをパッケージ化しているものです。
 
名前は“孫悟空の「筋斗雲(きんとうん)」のように必要な時にすぐに現れ、思いのまま移動できる”を意味しているそうです。これまでのカーリースとの違いをどのように打ち出していくのか、個人的には楽しみにしています。
 
また、このようにメーカーも、クルマ(モノ)を作る会社からサービスを提供する会社へと転換していく動きは進むと思います。より短時間の利用に便利なカーシェアリングは、利用者の増加と利便性が相乗効果を生んでいます。
 
公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団による2018年3月の調査によると、車両ステーション数14,941か所(前年比16%増)車両台数29,208台(同19%増)会員数1,320,794人(同22%増)です。
 
需要が増えると車両数もステーション数も増え便利になります。リピーターも増え、相乗効果は続くことが予想されますので、今後も参入する企業も増えるはずです。
 

シチュエーションによって様々な車種を使いこなす

カーシェアリングの利用者が増加している理由は3つ考えられます。
 
(1)費用の安さ(代表的な3社を例示)
  タイムズの場合:月会費は1,030円/月 利用料金は15分単位で206円~
  カレコの場合:月会費980円/月 利用料金は10分単位で130円~
  オリックスの場合:月会費980円/月 利用料金は15分単位で200円~
 
3社とも、これに距離料金16円/キロメートルが加算されます。(但し、使用時間などの条件によりかからない場合もあります。)月会費は利用料金に充当される場合が多く、月会費無料のプラン設定がある会社もあります。また6時間以上のパック料金などもありますので、使用時間によって比較検討が望ましいです。
 
ガソリン代、任意保険料は料金に含まれています。レンタカーで「満タン返し」のイメージがありますので、使いっぱなしは助かります。タイムズの場合、途中で20リットル以上の給油をしたら15分間割引のサービスを行っています。
 
(2)手軽さ
利用方法:利用時間と車種をスマホ等で設定
→利用場所のステーションが知らされます
→カードなどで解除して使用開始。
24時間ネットで予約が出来ますので、とても便利です。ちょっと出かけたい時にすぐ乗れるので、外出先でタクシーの代わりとしても使えます。支払いは月ごとにクレジットカードで精算します。
 
(3)いろいろな車種が試せるので、試乗代わりに利用
人数や荷物の多少によって車種を使い分けることが出来ます。また新車や上級クラスの乗り心地を試乗してみるといった使い方をしている人もいるようです。
 
カーシェアリングについて驚いたことがあります。NTTドコモの調査によると、8人に1人が運転しない使い方で利用しているといいます。詳細を調べてみると、使い方のトップは仮眠や休憩です。
 
個室になることから、電話やカラオケ、赤ちゃんの夜泣きの避難場所や授乳という回答まであったそうです。手軽に低料金で、しかも現在地の近くで借りることが出来ますので、“こういう使い方もあるのか”と感心してしまいました。
 
都心ではタワーマンションが次々建設されています。駅に近く便利なため、車を持っていなくても不自由はありません。ちょっと乗りたいな、筋斗雲のように便利な頼れる存在は、ますます人気者になりそうです。
 
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
 

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