後悔しない賃貸物件探しのポイント(1) 家賃はいくらに設定する?

配信日: 2020.02.05

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後悔しない賃貸物件探しのポイント(1) 家賃はいくらに設定する?
4月からの一人暮らしのために、3月末までに住むところを探すという方は少なくないでしょう。
 
大学生の入学、社会人の方の異動に伴って、アパート・マンションを探すという方は多いと思います。初めて一人暮らしをするという方もいるでしょう。多くの方にとって住まいを変える、借りるというのは人生でそう何度もない「重大イベント」です。
 
今回から3回にわたって特に2月、3月に賃貸不動産をお探しになる方のための「後悔しない賃貸物件探しのポイント」をお伝えしたいと思います。第1回は、「想定家賃をどう設定するか」についてです。
 
西山広高

執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)

ファイナンシャル・プランナー(CFP®)、上級相続診断士、宅地建物取引士、宅建マイスター、西山ライフデザイン代表取締役
 
http://www.nishiyama-ld.com/

「円満な相続のための対策」「家計の見直し」「資産形成・運用アドバイス」のほか、不動産・お金の知識と大手建設会社での勤務経験を活かし、「マイホーム取得などの不動産仲介」「不動産活用」について、ご相談者の立場に立ったアドバイスを行っている。

西山ライフデザイン株式会社 HP
http://www.nishiyama-ld.com/

2月、3月の不動産業界は大忙し

2月、3月は賃貸マンション・アパート探しをされる方が集中し、不動産業者はこの時期が1年で最も忙しい時期です。物件の回転も激しく、人気のある物件はすぐに入居者が決まっていきます。
 
生まれて初めて地元を離れるという方も少なくないでしょう。親元を離れて一人暮らしをすることに、本人も子を送り出す親もいろいろな不安があると思います。
 
これから何年か住むことになるアパート・マンションをこの時期に探すにあたっては、同時期に物件探しをする人も多いため、ほかの時期よりもスピーディーな決断が求められます。そのため、物件探しに先立って自分自身の準備・心構えをしておくことが非常に大切です。
 

想定家賃を設定する

物件選びでまず考えておかなければいけないのは「家賃」の予算設定。今はインターネットなどで物件情報やエリア情報など、さまざまな情報を収集できます。
 
大学生や新社会人になる人は学校や職場の近く、その沿線など通勤・通学先へのアクセスがよいエリアを中心に探すことが多いでしょう。東京では都心部や人気のエリアは家賃も高くなる傾向があるため、少し通勤時間がかかっても乗り換えが少ないなどの条件で探す場合もあります。
 
それぞれのエリアと家賃相場は密接に関連しています。新生活が始まってからの収入と支出がどのようになるかを考えておかなければ、「どの程度の家賃なら無理なく払えるか」がわかりません。大まかにエリアを想定したら、まずは家賃の上限として許容できる金額(想定家賃)を設定することから始めます。
 

新生活が始まるとどんな費用が必要か

最初の収支想定を甘く見過ぎると後々苦しくなります。後悔しないためにどんな費用を見込んでおかなければいけないか考えてみましょう。

■収入

学生であれば、毎月決まった額の収入を得るのは難しいと思います。親からの仕送りが得られる人もいるでしょうが、不足する場合はアルバイトなどで稼ぐ必要がある方もいるでしょう。
 
アルバイトの収入を多く見積もり過ぎると、学生として本来しなければいけない勉強のほか、部活・サークル活動などに割く時間も少なくなってしまいます。無理をせずに実現できる収入を想定しましょう。

■支出

一人で生活を始めると、これまで親に頼っていたものも自分で賄わなければならなくなります。
 
支出の項目としては
●家賃・共益費
●食費(自炊・外食)
●携帯電話などの通信費
●交通費(定期代・その他)
●交際費
●娯楽費
●被服費(服を買ったりするお金)
●その他雑費
などがあります。
 
人によってそれぞれにいくら必要かは違うと思います。これらをやりくりすることを意識すると、家賃にあてられるお金も決まってくると思います。収入と支出が無理なくバランスし、できれば少しずつでも貯金できる様な想定をしておきましょう。
 

案外高くつく初期費用

賃貸住宅を借りるときには初期費用が必要になりますので、あらかじめ想定しておく必要があります。

■敷金・礼金

最近は敷金・礼金なしという物件もあります。また、2年ごとに契約を更新する契約の場合、更新の際に更新料や事務手数料がかかるケースもあります。家賃を考えるときには、更新料などの費用がかかることも想定しておきましょう。

■前家賃

家賃の支払いは前月に翌月分の家賃を支払うのが一般的です。月の途中から入居する場合はその月と翌月の家賃を契約時に支払うことを想定しておく必要があります。

■家財・借家人賠償保険料

名称は保険会社によって異なります。ほとんどの賃貸住宅で加入が義務づけられており、1R、1Kの場合2年契約で1.5~2万円程度が一般的です。

■保証料

最近では保証会社を利用することを義務づけている物件が多くなっており、家賃の50%程度の保証料を支払うケースが増えています。

■仲介手数料

不動産会社に支払う仲介手数料は家賃の1ヶ月分+消費税が一般的です。本来、賃貸住宅の仲介で仲介業者が借主、貸主から受け取る手数料はそれぞれ0.5ヶ月分ずつとされていますが、借主の承諾を得ることで借主からのみ1ヶ月分を受領することが認められています。

■鍵交換費用

前の入居者が使っていた鍵をそのまま使うのは、セキュリティーのことを考えればお勧めできません。鍵の交換費用は物件や鍵の種類によりかなり差があります。オートロックによるセキュリティーやセンサー式の鍵を使用する物件では、3~4万円程度かかることもあります。一般的には2~3万円程度が多いでしょう。

■その他

物件によってはエアコン、照明器具、ガスコンロなど生活に必要なものでも設置されていないことがあります。また、カーテンや冷蔵庫なども基本的についていませんので、自分で用意する必要があります。
 
家賃6万円程度の1R、1Kの物件でも、30万円前後かかることになると思います。あらかじめ確認しておかないと不動産屋さんに行ってびっくり、なんていうことにもなりかねません(そういう方は珍しくありません)。
 
募集図面やインターネットの物件情報にはほとんどの場合、どんな費用が必要か書かれています。あらかじめ確認しておきましょう。
 

まとめ

まず物件を探す際に事前準備として想定家賃を設定すること。そのためには新生活での収支を想定することが重要です。これらを先に考え、自分自身の準備ができていないと後で後悔することにもなりかねません。不動産屋にコンタクトを取る前に、自分自身の許容できる予算についてしっかり確認しておきましょう。
 
次回以降は、「賃貸物件探しのポイント」として、インターネットでの物件の探し方と内見(現地確認)の際にチェックすべきことなどをお伝えしていきます。
 
執筆者:西山広高
ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、西山ライフデザイン代表取締役


 

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