緊急時に知っておきたい、支払いが困難になった場合の対応について
配信日: 2020.05.17
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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カードローンやクレジットカードの引き落とし。支払い方法の変更を相談
まずクレジット払いについてです。通常、クレジットカードの支払いやカードローンの返済は銀行引き落としになっています。
毎月、コンビニや銀行振り込みで支払う場合と違って、決まったタイミングで自動的に引き落とされてしまいますが、肝心の銀行口座の残高が不足すれば機能しなくなりますし、たとえ、残高があっても引き落とされると家計状況に響きます。
そこでストップさせたい場合、引き落とし前に気が付けば、とにかく引き落としにかかる前に口座から抜いておくという方法もありますが、今のような状況下、現実的な方法ではありませんね。
また、これはクレジットカード会社との約束を反故にすることになり、当然、再引き落としの案内が届き、それが郵便・メール・電話と支払いが完了するまで続きます。
そうなると今後クレジットカードが利用できなくなったり、任意整理を専門家にお願いしたりと、問題は深刻化する一方です。早め早めの対応で、傷はマメに早めに手当てしておきましょう。
その場合、まずはクレジットカード各社に相談しましょう。各社のホームページには、専門のコールセンターを設置していますので、対応する側のスタッフも少ないと思いますが問い合わせてみましょう。
例えば1回払いを分割払いやリボ払いへの変更など、支払い方法の変更で対応できる場合もありますね。公共料金をクレジットカード払いにしている場合には、支払いを猶予してもらえる措置が続々適応あるいは適応予定になっています。こういった措置の対応を検討してもらえるのか確認しましょう。
当座をしのぐには、カードローンを契約するのも選択肢だが注意点あり
あくまで当面の資金繰りを応急手当として手当てするのに限られますが、カードローンという選択肢もありです。
ただし、カードローンは金利が高いので、使い過ぎには要注意。また返済方法についてもリボ払い(どんなに使っても月々の返済は2万円など上限を設定している)にすると、いつまでたっても返済が終わらない、などという事態を招く恐れもありますので注意が必要です。
一括返済、回数での分割返済が無難です。またおおむね銀行系カードローンは消費者金融系よりも金利は低めだけれど、審査が厳しいという傾向がありますので、各社見比べて検討しましょう。
全国銀行協会や取引のある金融機関への相談
全国銀行協会の相談室でも、無料で相談に対応してもらえます。カウンセリングサービスというのは、以下のタイミングでの予約が必要です。
・月~金(祝日・銀行休業日を除く)の9:00~17:00
・050-3540-7553
また、各金融機関でも企業融資と、個人の住宅ローンやカードローン等支払い・返済に関する相談を受け付けています。先のクレジットカード各社にせよ、金融機関の相談窓口にせよ、私たちから電話する、相談に出向くなどアクションを起こすことが大事です。
(参照)全国銀行協会「新型コロナウイルスの影響でお困りの皆さまへ」
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者