更新日: 2021.01.06 その他暮らし

借金が多い人には、どんな特徴がある?

執筆者 : 寺門美和子

借金が多い人には、どんな特徴がある?
「借金」に対しての認識は人それぞれです。お金を借りることに罪悪感を持つ人もいれば、いとも簡単に「借金」を繰り返す人もいます。
 
私も今年は「借金」のご相談を多く受けました。特に、家族に内緒で借金を繰り返し、気が付いた時には多額の借金に膨らんでいる人もいます。そして、意外な人が借金をしていることにも驚きました。
寺門美和子

執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)

ファイナンシャルプランナー、相続診断士

公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』   https://www.voicemarche.jp/advisers/781 

借金をしている意外な人

「借金」をする人のイメージは、毎日ギャンブルをしている無職の人。または、事業に失敗した人。青春時代を昭和時代で生きた私は、そんなイメージがしていました。
 
しかし、私のところにご相談にいらっしゃる方は本人ではなく妻なのです。また「借金」をしている夫たちは大企業または、一定の年収がある人や公務員ばかり。それはなぜなのか。
 
理由は「カードローン」にあるようです。また借金の理由は、ゲーム課金・FX・仮想通貨が一番多く、他に飲食と続きます。飲食の中には、女性と遊ぶことも含まれますが、貢ぐというよりは一緒に遊ぶお金ということが多いようです。
 

カードローンの落とし穴

よく、年収が低い方が「夫が借金をしたらどうしよう」と心配をされますが、貸す側も「お金のない人に貸したくない」という心理があるでしょう。過去バブル時の痛い失敗がありますから、金融機関も貸し倒れには慎重です。
 
ですから、返済能力のない人にお金を貸してくれるところはない! と言っても過言ではありません。
 
しかし一方では、返済能力のある人は、簡単にお金が借りられる怖い時代でもあります。その代表が「カードローン」です。最近は、人気タレントを使いCMやウェブ広告も盛んで安心感があります。
 
金融機関は、人員削減の風潮の中ローン関係の部署を統一する傾向にあるとか。昔のように窓口で、厳しい顔で面接をされ、嫌な思いをすることがなくなりました。ここがまた、「借金」のハードルを下げています。
 
カードローンはウェブ上で、借入する人の属性を入力します。属性とは、その人の年収や家族構成、勤務先などの個人情報のことです。そして、仮審査に合格すると、可能枠まで簡単に何度も繰り返し、借金を繰り返すことができるのです。
 
特に一流企業や公務員は倒産リスクが少なく、退職金も保証されており、貸すほうも安心して審査に合格させます。実際に、本当に困っている人で、ある程度の年収はあるが、小さな会社に勤務している方で審査が通らなかった人もいます。
 
「カードローン」を簡単に説明すると、一般のショッピングカードのようなものです。
 
またA社で枠を使い果たし、返済を怠ったとしましょう。しかし、信用情報が他社に行きわたるのに、1〜2カ月のタイムラグがあります。借りる側も、その辺りの事情に詳しく、その間にB社・C社から借金をしてしまうそうです。
 
その結果、家族が気付いた時には、多額の借金となっています。恐ろしいですね。
 

借金は病気です。早期発見・早期対策を

借金を繰り返してしまう人は病気だそうです。早期発見と、治療(対策)をしないと、慢性病となり、一家の死活問題になってしまいます。まず、ご本人に自覚症状がある場合は収支を見直しましょう。
 
とはいえ、エリートでもある人たちは、ここは理解していて「大丈夫だ!」という確信があるから、借金を繰り返す傾向があります。収支を見直す場合の注意は「支出は予測以上に増える」ということ。
 
支出計画の1.2~1.3倍で見積もりを立ててください。特に、大学生(院)未満の子や、高齢者がいる場合は、多めに見積もったり、別途100万円位の「特別支出枠」の資金準備をしたほうが賢明です。
 
「わかっているけど借りてしまう」という人は、借りることができなくなる仕組みを作ることも大切です。
 

貸付自粛制度で借金増加を防止する

では、どのように仕組みを作ればよいのでしょうか。
 
それには、「貸付自粛制度」を利用してみてください。貸付自粛制度とは、日本貸金自粛協会および全国銀行個人信用情報センターで行ってくれる制度です。これら機関に申請すると、貸付自粛の情報が信用情報機関に一定期間登録されます。
 
そして、無理な借り入れができないようにし、多重債務に陥ることを未然に防止できます。登録機関は5年以内です。とてもありがたい制度ですが、原則、本人の申請が必要です(行方不明等の理由がある場合は別)。
 
もし、ご家族が「借金」に気が付いている場合は、大事に至る前に、本人に「借金」をしていることを知っている旨を告白してください。その際に、取り乱すことなく「一緒に貸付自粛制度を申し込もう」と後押しをしてあげることも大切です。
 
「借金」を期に、収支に敏感になり、決して収入以上の支出をしないことを誓いましょう。お金を増やしたいのなら、短期的に「投機」をするのではなく、長期の資産運用でお金を増やしたほうがお得なのです。ここを間違わないでもらいたいと思います。
 

執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
 

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