更新日: 2021.04.01 子育て
高3の春から本番! 教育資金準備スケジュール
執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
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目次
国の奨学金の申し込みは高3の1学期から
大学や専門学校への進学は、高校までの費用以上にお金がかかるもの。手持ちの教育資金だけでは足りない場合は、借入も視野にいれることになります。
教育資金の借入先として頼れるのが、国の奨学金である日本学生支援機構の奨学金(以下、奨学金)です。民間の金融機関の教育ローンに比べて、奨学金(貸与型)は無利息や低利率なのが魅力。一方で、申し込み締め切り時期が案外早いので注意が必要です。
この奨学金は例年、予約採用と呼ばれる初回申し込みがゴールデンウイーク前後には始まります。高校3年に進級したばかりのときは、進路を決めるなど何かとあわただしいものですが、資金計画も同時進行することを覚えておきましょう。
(日本学生支援機構ホームページを参考に筆者作成)
なお、奨学金の申し込みは予約採用だけでなく、高3の間にもう1回あり、2回目の申し込みは10月ごろに行われます。
借りるのはお子さま本人
奨学金はあくまでお子さまである学生本人が借りるお金のため、申し込み等の手続きも本人が行うことが前提です。そこで、気をつけなくてはならないのが、案内資料や説明会開催などが学校からお子さまに対してアナウンスがあることです。
お子さま側から見ると親の懐具合はわからないため、必要性に気づかず共有が遅れることもありがちです。この時期は学校から来る資料を漏れなく確認することをお勧めします。
受験方法によって入学金の納付時期が異なる
では、入学金等の初年度納入金はいつごろ払わなくてはいけないのでしょう。
受験方法によって入学金等の納付時期が異なりますが、一般的に合格発表後2週間以内に納期限を設けている学校が多いです。特にAO入試や推薦入試は秋口には合否が決定しますので早めの準備が必要になります。最も遅い一般入試でも2~3月上旬には納付しなくてはいけません。
奨学金は入学金等の納付には使えない!
ここで大事なポイントは、こうした入学前にかかる費用を奨学金で賄うことはできない、ということです。奨学金の給付は大学等に進学してから開始します。具体的には初回入金は入学後の5月ごろになります。
さらに、奨学金はまとまったお金で払われる性質のものではなく、毎月定額で払われるもの。入学金や進学に伴う引っ越し費用といったまとまった出費にはそもそも使えないのです。
入学前の費用は民間の教育ローンの利用も
入学前に必要なお金はこれまでの貯蓄を充てることになりますが、不足している場合には、親御さんが民間金融機関の教育ローンの利用を検討することになります。
民間の教育ローンは、まとまったお金を借りることができるのがメリットである一方、国の奨学金に比べ金利が高いこと、返済は申し込んだ翌月から始まることがデメリットです(金融機関によっては在学中の返済を据え置くタイプもあります)。
入学後の授業料等のスケジュールも確認を
先に説明したとおり、入学後の5月ごろには奨学金の最初の入金が始まります。ほっとするのもつかの間、後期の授業料の納入時期は10〜11月ごろと思いのほか早くやってきます。
さらに、翌年の前期の授業料等は4~5月です。あらかじめ毎月の奨学金を貯めておいたり、親御さんが自分の収入等から捻出したりする場合は、冬のボーナスを前期授業料に、夏のボーナスを後期授業料に充てるよう計画しておくと安心です。
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント