更新日: 2021.04.20 子育て

3つの教育無償化ってどんな制度?対象になる条件は?

3つの教育無償化ってどんな制度?対象になる条件は?
子どもを持つ家庭にとって、大きな負担となるのが教育費です。そこで政府は、できるだけ多くの子どもに教育を受ける機会を与えるためにも、3つの教育分野で無償化制度を導入しました。
 
今回は、3つの教育無償化制度とはどのようなものなのか、誰が対象になるのかを考えてみます。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

3つの教育無償化ってどんな制度?

3つの教育無償化とは、(1)幼児教育の無償化、(2)私立高校の無償化、(3)大学などの高等教育の無償化のことをいいます。
 
具体的にどのようなものなのか、それぞれ確認してみましょう。
 

幼児教育の無償化

年齢区分によって所得制限があり、0歳から2歳までは住民税非課税世帯が、3歳から5歳までは原則、全世帯が対象となっています。
 
対象となるサービスは、幼稚園(月額2.57万円まで)、認可保育園、認定こども園、障がい児の発達支援です。
 
保育の必要がある場合には、認可外保育施設と幼稚園の預かり保育も含まれており、0歳から2歳は月額4.2万円まで、3歳から5歳は月額3.7万円です。
 
なお、通園までの送迎費や食材料費、行事に関する費用等は、保護者が負担しなければなりません。ただ、年収360万円未満相当の世帯および第3子以降の子どもは、おかずやおやつ等の副食費用が免除されます。詳細は住所地の市区町村に確認してみてください。
 

私立高校無償化

公立高校に加えて、私立高校においても無償化がスタートしました。
 
対象となるのは、公立・私立ともに年収910万円未満の世帯となっており、公立では授業料の一部として11.88万円が授業料の一部として支援されています。公立の学校の場合、費用的にも支援額で賄えますので、実質無償化となります。
 
一方、私立高校の場合も11.88万円が授業料の一部として支援されていますが、所得によって支援額は違ってきます。私立の場合、実質的に無償化となるのは、年収590万円未満の世帯です。
 
利用するためには申請が必要になり、マイナンバーなどの必要な書類が学校に提出すればOKで、2年目以降はマイナンバーを基に都道府県が確認作業を行うため、再申請は不要です。
 
その他、「高校生等奨学金給付金等」という制度もあり、修学支援金に加えて低所得世帯に対して、教科書代や教材費などの授業料以外の教育費を返済不要で支援してくれる制度があります。こちらの制度は都道府県独自の制度となっていますので確認してみましょう。
 
なお、この制度は全日制がベースとなっており、通信制や定時制の場合は、別途、算定されることになっています。
 

大学などの高等教育の無償化

高等教育でも、授業料や入学金の免除または減額と、給付型奨学金の支援がスタートしました。
 
対象となるのは、大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校ですが、すべての学校が対象ではありません。自分の進学先・希望校が対象かどうかは、文部科学省のサイト(※1)で確認できますので、確認してみましょう。
 
支援の対象となるのは、

●世帯収入や資産の要件を満たしていること
●進学先で学ぶ意欲がある学生であること

以上の2つの要件を満たしている学生です。
 
支援金額は年収によって違いがあり、昼間に通学している学生と夜間に通学している学生とでは、支援額も違っています。
 
住民税非課税世帯の場合、昼間の私立大学では入学金として約26万円、授業料として約70万円が免除・減額されます。一方、夜間の私立大学では入学金として約14万円、授業料として約36万円が、通信制では、入学金として約3万円、授業料として約13万円が免除・減額されます(※2)。
 
給付型の場合の金額は、国立・私立の区別だけでなく、自宅生か自宅外かによっても違ってきます。また、家族構成によっても年収に違いが生じるため、受けられる支援金も異なります。
 
申込先は、どちらの支援を利用するのかによって変わってきます。授業料等の免除を希望する場合には、進学先の大学等へ申し込みしてください。なお、入学後3ヶ月経過後に申し込むと「入学金」の免除・減額は受けられなくなってしまいます。利用する場合には、できるだけ早く手続きしましょう。
 
給付型を希望する場合には、進学する前年の4月下旬から高校等から日本学生支援機構(JASSO)へ申し込むことができます。
 
教育費にはお金がかかるからと、進学を諦める時代は終わりました。対象者であるのならぜひ利用して、子どもの未来を守っていきましょう。
 
(※1)文部科学省「支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧」
(※2)文部科学省「学びたい気持ちを応援します」
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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