更新日: 2021.05.07 子育て

意外と高い大学の受験費用。安く抑える方法って?

執筆者 : 新美昌也

意外と高い大学の受験費用。安く抑える方法って?
新年度になり、高校3年生の受験が本格化します。総合型選抜や学校推薦型選抜で進学する生徒が増えていますが、一般選抜は複数の大学を受験できるといったメリットがあります。
 
その一方、併願校が多いと受験料が家計を圧迫します。私立大学を5校受験すると、受験料だけで約18万円かかります。受験のための交通費や宿泊費などもかかります。
 
そこで、受験費用を安く抑える方法を解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

受験料(検定料)の目安

国公立大学を受験する場合、大学入学共通テストと二次試験を受けます。大学入学共通テストの検定料は、3教科以上の受験で1万8000円、2教科以下の受験で1万2000円です。二次試験は1万7000円なので、合計すると3万5000円(最大)となります。
 
なお、18歳人口の減少や入試の多様化により、共通テストの受験者数が減っていくなどの影響から、検定料の値上げが検討されています。
 
私立大学を受ける場合には、大学入学共通テストを利用する方法(共通テスト利用入試)と個別試験を受ける方法があります。個別試験は1大学1学科あたり3万5000円程度かかります。
 

大学入学共通テストを利用する

国立大学1校、私立大学3校を受験する場合、約14万円の受験料がかかります。大学入学共通テストを利用することで受験費用を抑えることができます。
 
大学入学共通テストは、共通テストの成績で合否が決まり、個別試験を行わないケースが多いので、効率よく私立大学を受験できます。受験料もお手頃で1.5万~2万円程度です。国立大学1校、私立大学3校を受験する場合、共通テスト利用入試を活用すれば、6.3万円(1.8万円+1.5万円×3校)にすることも可能です。
 
遠方の私立大学を受験する場合、個別試験を受けるには、交通費や宿泊費がかかりますが、この費用も節約できます。なお、出願時に成績通知を希望した志願者には、4月1日以降に成績通知書が書留郵便で送付されてきます。成績通知手数料は800円です。
 

併願割引制度を活用する

筆者が受験したとき、私立大学の一般入試は一発勝負でした。現在は、同一学部・学科を複数回受験できる制度など受験の機会が格段に増えています。受験の機会が増えたので現役合格率が高まっていますが、その分受験料もかさみます。
 
一般選抜で同一試験日内の学部・学科・方式を併願することで受験料が割引になる場合があります。例えば、出願1つ目は3.2万円、2つ目は1.5万円、3つ目は1万円といったイメージです。割引がない場合に比べ、3.9万円節約できます。
 
また、最近ではウェブでの出願を受け付ける大学も増えています。願書を取り寄せると1000円程度かかるところもあります。ウェブ出願を利用すれば取り寄せ費用が不要になります。

地方試験会場を活用する

遠方の大学を受験する場合、受験会場への交通費や宿泊費が重くのしかかります。地方試験会場を利用すれば、地元の会場で受験できますので、交通費や宿泊の大幅な節約ができます。また、体力の消耗も防げます。
 
地方試験会場がない場合は、受験生を対象としたお得なプランを提供するホテルもありますので調べてみましょう。また、連泊が必要な場合は、親とウイークリーマンションを利用するという方法もあります。
 

併願校の振込期限に留意

受験費用と併せて確認しておきたいのが、併願校の初年度納付金の振込期限です。一般的に、受験から10日程度で合格発表があり、合格発表から1~2週間以内に初年度納付金を納付しなければなりません。初年度納付金のうち最小納入額が入学金および前期分学費という私立大学が多いです。
 
第二志望校の納付期限が第一志望校の合格発表の前にある場合、第二志望校の初年度納付金を払うと思います。一般選抜では、3月末までに手続きをすれば、未入大学への納付金のうち入学金以外は返還されます。入学金は戻ってこないので受験計画をしっかり練って、無駄な支出を抑えましょう。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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