あしなが育英会の奨学金制度。適用要件は?
配信日: 2021.05.11
厳しい環境にありながら学びたいと望む子を支援する制度、あしなが育英会の奨学金についてまとめました。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
あしなが育英会の奨学金とはどんなもの?
あしなが育英会の奨学金とは、一般財団法人あしなが育英会が運営する奨学金制度です。奨学金として支給される金額は、申請者の通う学校区分によって異なります。また、奨学金は一部が貸付、一部が給付されるものとなっています。
学校区分 | 貸与部分の奨学金 | 給付部分の奨学金 | 合計 |
---|---|---|---|
国公立高校 | 2万5000円 | 2万円 | 4万5000円 |
私立高校 | 3万円 | 2万円 | 5万円 |
大学(一般) | 4万円 | 3万円 | 8万円 |
大学(特別) | 5万円 | 3万円 | 8万円 |
専門学校 | 4万円 | 3万円 | 7万円 |
大学院 | 8万円 | 4万円 | 12万円 |
※あしなが育英会 「奨学金を利用したい方へ」より筆者作成
あしなが育英会奨学金の特徴
あしなが育英会が運営する奨学金制度の特徴は、貸与部分と給付部分がある点です。給付部分は返還不要であることが大きな魅力です。貸与部分は卒業後20年かけて無利子で返還できるため、負担が小さくなるよう考慮されています。
また、他の奨学金と併用可能であったり、生活の困窮や心身に障害を負うなどして返還が困難である場合は、返還の猶予や免除といった制度が用意されているのも特徴になります。
あしなが育英会の奨学金制度の対象となる人は?
あしなが育英会の奨学金制度の利用対象者となるのは、申込時点において25歳未満の学生で、下記のいずれかの要件に当てはまり、進学や在学にお金を必要とする人です。
(1)保護者(父親または母親など)が病気や災害(道路上の交通事故を除)、自死(自殺)などで死亡した
(2)保護者(父親または母親など)が著しい障害を負っている家庭の子ども
なお、ここでいう著しい障害とは、下記のような諸法令に基づいた認定を受けている場合を指します。
【身体障害者福祉法、国民年金法、厚生年金保険法施行令、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、労働者災害補償保険法施行規則に定める第1級から第5級】
奨学金の利用には事前の申し込みが必要
奨学金制度全般にいえることですが、申し込んで即日に利用可能というわけにはいきません。基本的には事前に申し込み(書類審査)、所定の審査に合格した後、一定期間の経過後に奨学金が入金されるという流れです。申込後の審査には筆記試験と面接試験があるため、対策の時間も考慮すると十分に余裕をもって申し込みをした方がいいでしょう。
あしなが育英会の奨学金の申し込みには、専用の申込書(奨学金申請書)、保護者の所得証明書、戸籍謄本などが必要です。申込書は在学している学校を通じて入手することもできますし、あしなが育英会から直接取り寄せることも可能です。
また、奨学金の給付を受けたい時期によって申請の締切日も変わってくるため、奨学金の利用を考え始めたら、まずはすぐにでも確認や問い合わせをしてください。
あしなが育英会の奨学金制度で進学の実現を
あしなが育英会の奨学金は、家庭の事情などから学費を必要とする学生を対象とした奨学金制度です。無理なく返還していける制度が整っているため、奨学金を利用したい場合、ぜひ検討しておきたい選択肢になります。
あしなが育英会の奨学金の利用を考えたら、できるだけ早めに申込期日の確認や問い合わせをし、必要な手続きと対策を行うようにしてください。
出典
あしなが育英会 奨学金を利用したい方へ
あしなが育英会 奨学金申請書のお問い合わせ
執筆者:柘植輝
行政書士