更新日: 2021.05.25 子育て

子どもがいる人が受けられる公的支援制度にはどんなものがある?

執筆者 : 飯田道子

子どもがいる人が受けられる公的支援制度にはどんなものがある?
子どもがいると、「いろいろとお金がかかって大変……」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
 
ただ、今の日本には、子どもがいる家庭に対して、公的な支援制度を利用できるようになっています。もちろん、さまざまな条件はありますが、できるだけ支出を抑えたい今だからこそ、どのような公的支援が利用できるのかを知って、家計の負担を軽減させましょう。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

実は意外とある? 子どもがいる人が受けられる公的支援制度

多くの人が知っていると思われるのが、「児童手当」です。対象となるのは、0歳から中学3年生までの子ども(15歳に到達後、最初の3月31日まで)を養育している人に支給されことになっています。
 
支給額は子の年齢や何番目の子なのかによって変わってきます。
 

●3歳未満は月額1万5000円
●3歳から小学校修了前の第1子・第2子は月額1万円、第3子以降は月額1万5000円
●中学生は月額1万円

 
児童手当が支給されるための所得制限額は、夫婦で児童2人の世帯の場合であれば、960万円が基準になります。ただ、960万円を超えている場合でも、当分の間の特例給付として、対象となる児童1人につき月額5000円が支給されることになっています。
 
「児童手当」と同様に多くの子のいる世帯に知られているのが、「児童扶養手当」です。児童扶養手当は、基本的に、「ひとり親家庭」になった場合に支給される手当です。対象となる子どもは18歳になった最初の3月31日まで、支給を受けることができます。
 
ひとり親以外にも、父親もしくは母親が一定の障害状態にあるときには、支給される場合があります。
 
遺族年金など公的年金を受け取っている場合は支給されません。しかし、このようなケースでも、受け取っている公的年金の年金額が児童扶養手当額より少ないときには、差額分を児童扶養手当として受け取ることができます。
 
児童扶養手当には所得制限があり、受給額も子どもの数や受給資格者の所得等により違いがあります。
 

教育費も支援を受けられる?

教育費の支援として、幼児教育の無償化や私立高校無償化、大学等の高等教育の無償化があります。いずれの支援を受ける場合にも、所得制限があります。
 
~幼児教育無償化~
0歳から2歳までは住民税非課税世帯のみ。3歳から5歳までは原則、全世帯が対象となっています。対象となるのは、幼稚園(月額2.57万円まで)、認可保育園、認定こども園、障がい児の発達支援です。
認可外保育施設と幼稚園の預かり保育も対象で、0歳から2歳は月額4.2万円まで、3歳から5歳は月額3.7万円です。
 
なお、通園までの送迎費や食材料費、行事に関する費用等は、保護者が負担しなければなりませんが、世帯所得によって免除されるケースもあります。詳細は住所地の市区町村に確認してみてください。
 
~私立高校の無償化~
公立高校に加えて私立高校も無償化の対象になりました。私立の場合、実質的に無償化となるのは、年収590万円未満の世帯ですが、年収590万円以上910万円未満の世帯なら、部分的な支援が受けられます。
 
~大学等の高等教育の無償化~
支援の対象となるのは、世帯収入や資産の要件を満たしていること、進学先で学ぶ意欲がある学生であること、の2つの要件を満たしている学生です。支援金額は年収によって違うだけでなく、昼間通学か夜間通学によっても違います。
 
住民税非課税世帯の場合、昼間の私立大学では入学金として約26万円、授業料として約70万円が免除・減額されることになります。金銭的に苦しいから進学を諦めるということは少なくなりそうですね。
 

自治体の支援も確認する

住所地にはどのような支援があるのかも確認しておきましょう。各自治体でさまざまな支援体制を導入していますが、注目すべきはコロナ禍での対策です。
 
特にオンライン授業になった場合、児童が使えるタブレットやパソコンがない家庭もあります。自治体ベースで無料のタブレットやパソコンを貸し出しているところもありますし、私立の学校の場合でも、無料で貸し出しているところもあります。
 
まずは、自分たちが受けられる支援にはどのようなものがあるのか、確認することが大切です。学校関連のものは、申請等、面倒に感じることもあるかもしれません。案内資料などをしっかり読み込み、何が利用できて利用できないのかを知っておくようにしましょう。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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