そこで今回は、適用となる世帯年収の基準や支援される金額をまとめてみました。
執筆者:波多間純子(はだまじゅんこ)
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント
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私立高校の授業料無償化の基準
私立高校授業料の実質無償化に先立って、2010年から公立高校の授業料は国が負担することになり、すでに無償化となっていました。
その後、私立高校も同額の支援金が支給されるなどの経過がありましたが、令和2年度から制度改正によって受けられる支援金の額が引き上げられました。この制度を「高等学校就学支援金」といいます。
■年収の目安によって3段階の支援金
ただし、私立高校の場合、受けられる高等学校就学支援金は世帯年収によって異なります。具体的には以下のとおりです。
〇年収目安 590万円未満……3万3000円/月(39万6000円/年)
〇年収目安 590万円~910万円……9900円/月(11万8800円/年)
〇年収目安 910万円~……支援金なし
(年収目安は両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合)
39万6000円というのは平均的な私立の授業料相当にあたります。
すなわち、年収目安が590万円までの世帯の場合では、授業料全額程度が支援金でカバーできるため「実質無償化」となるのです。そして、上記の支援金額を超えた授業料が個人の負担となります。
また、高等学校就学支援金は国の制度ですが、各自治体によっては独自の学費支援を行っています。例えば、東京都は私立高校の授業料を国の支援金と合わせて上限46万7000円まで支援しています。
こうした学費のサポートにより、高校の教育費負担はずいぶん軽減されているのが現状です。
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授業料以外の支出は?
年収目安590万円未満であれば、公立高校と私立高校のどちらに行っても授業料の負担に差がほぼなくなります。ただし、高等学校就学支援金はあくまで授業料の支援制度ですから、授業料以外の支出は賄えません。
では、授業料以外の支出はいくらくらいでしょう。公立と私立で比較してみます。
(出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」(※)を参考に筆者作成)
このように、上記の教育関連支出はすべて私立高校が上回っています。また、授業料も支援金の上限を超えた金額は家計の負担になります。私立高校を選ぶ際はこうした支出も想定しておくことも大切です。
無償化により高校生の間も教育費づくりができる
高等学校就学支援金によって、高校生の教育費負担がだいぶ軽減されています。しかし、教育費のピークを18歳以降の数年と考えた場合、高校の間も貯め時と考えて、気を引き締めて準備をしておくことが得策です。
出典
(※)文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」(令和元年12月18日付)
執筆者:波多間純子
㈱bloom代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)),キャリアコンサルタント