更新日: 2021.08.05 子育て

大学入学前にいくら必要? 大学等へ入学前に利用できる支援制度とは

大学入学前にいくら必要? 大学等へ入学前に利用できる支援制度とは
大学進学を決めたら、入学試験へ向けての勉強とともに必要なのが、進学にかかる費用の準備です。奨学金を利用するから大丈夫、と思っている人は要注意です。日本学生支援機構(以降「機構」)の奨学金は、申し込みは高校在学中にできても、実際に振り込まれるのは進学後の4月以降になるからです。
 
では、受験料や初年度の入学金・前期の授業料など、入学前に振り込む必要がある費用をどうやって準備すればよいのでしょうか。いくつかの方法を紹介しますので、前もって知っておくと安心です。
 
岩永真理

執筆者:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

大学等へ入学前に利用できる支援制度

合格発表時に必要な金額が満期になる積立定期預金などを設定し、貯蓄に励むというのが王道ではあります。しかし、時間的余裕がない場合などは一時的に必要なお金の借り入れを考えなくてはなりません。親が借りるものと子ども本人が借りるものがあります。
 

<本人が借りるもの>

■労働金庫(ろうきん)の入学時必要資金融資
機構の奨学金には、毎月一定額を借りる通常の奨学金に加えて、4月のみ1回限り特別に増額を申し込むことができます。増額できる金額は10万~50万円(10万円きざみ)です。増額奨学金の給付は4月以降になるため、この増額給付を担保に労働金庫が入学前にその分を貸してくれるというのがこの仕組みです。
 
ただし、この機構の特別増額を申し込めるのは、貸与型奨学金を借りることが決まっていて、本人の収入(アルバイト含む)が120万円以下であるなどの一定の条件があります。
 


(出典:全国労働金庫協会「入学時必要資金融資のご案内」(※1))
 
上記以外でも、児童養護施設の子どもや里子など、本人が生計維持者とみなされるケースでは、下記3の生活福祉資金貸付制度なども利用できる場合があります。
 

<親が借りるもの>

1.教育ローン(民間の金融機関、カードローンは除く)


(出典:横浜銀行(※2)、みずほ銀行など金融機関の教育ローンを参考に筆者作成)
 
2.国の教育ローン(日本政策金融公庫)

(出典:日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」)
 
3.生活福祉資金貸付制度(教育支援資金・修学支度金) 所管:都道府県社会福祉協議会

(出典:全国社会福祉協議会「生活福祉資金一覧」)
 
4.母子父子寡婦福祉資金貸付金制度(修学資金) 所管:厚生労働省

(出典:内閣府 男女共同参画局「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」)
 

入学前にいくら必要なのか?

平均的な入学金・前期授業料については、下図の金額のとおりです。
 


(出典:文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」、文部科学省「文部科学省令第十六号」(※3))
 
後に本人が奨学金で賄う場合でも、入学前に支払わなくてはいけないこれらの金額は、4月以降に入金される奨学金を使っては支払いができないことを理解しておかなければいけません。
 
上記は入学する見込みの学校に支払う費用ですが、第一希望の学校に合格するまでは、補欠校の入学金もかさむかもしれません。
 
これに加えて、

●受験料
●受験会場までの交通費
●受験地での宿泊費(必要な場合のみ)など

 
も考慮しなければなりません。受験料は、私立大学は1校につき3万5000円程度、国立大学は、3教科以上受験する場合は1万8000円、2教科以下を受験する場合は1万2000円です。
 
例えば、私立5校を受験するのであれば、受験料だけでも17万5000円です。交通費や昼食代などを考えると、自宅通学ができる学校を受験しても、受験費用は20万円程度を見込む必要があるでしょう。
 

まとめ

親が借りる場合には、住宅ローンをまだ支払い中で、その支払う金利が教育ローンなどより低いケースでは、あえて住宅ローンを繰り上げ返済せずに、手持ちの現金を教育費へ回すことも考えられます。
 
どこから借りても、また誰がかりても、借りれば必ず返さなければなりません。借入手続きには手間と時間もかかります。それだけの負担をしても、子ども本人に学ぶ意思があるのかどうか、きちんと確認した上で、借りるのであれば金利の低いところから優先的に、利用時期から逆算して計画的に準備を進めていきましょう。
 
出典
(※1)全国労働金庫協会「入学時必要資金融資のご案内」
(※2)横浜銀行
(※3)文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
    文部科学省「文部科学省令第十六号」
 
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
 

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