更新日: 2021.08.10 子育て

経済的に苦しいけど大学進学したい…新しい修学支援制度の内容とは?

執筆者 : 堀江佳久

経済的に苦しいけど大学進学したい…新しい修学支援制度の内容とは?
お金がなかなか工面できない方で大学へ進学を希望する場合には、「奨学金」制度があります。この制度の利用者は、昔に比べて増えているようです。日本学生支援機構(JASSO)の「平成30年度 学生生活調査」(※)によれば、昼間部の大学生の47.5%、ほぼ2人に1人が奨学金を受給しているようです。
 
この奨学金制度を利用した場合の多くは、社会人になると、本人の奨学金の返済が必要となり、お子さんの金銭的負担が増えるという問題もあります。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、ご家庭の家計が厳しくなり、学費などの支援が必要となった学生もいるのが実態です。
 
そういった中、文部科学省が授業料や入学金の減免と学生生活を送るのに必要な生活費を賄える、給付型奨励金の支給をする新たな「修学支援制度」を創設し、申請の受付は令和3年4月下旬から開始となっています。今回は、この「修学支援新制度」の内容について確認してみます。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

修学支援制度概要

(1)支援対象となる学校
一定の要件を満たした、大学・短期大学・高等専門学校(4年・5年)・専門学校が対象です。
なお、進学を希望している学校が制度の対象となっているのかは、文部科学省のホームページで確認をする必要があります。
 
(2)支援内容
 

1.授業料・入学金の免除または減額(授業料等減免)
2.給付型奨学金の支給

 
(3)支援対象となる学生
 

1.住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生
2.進学先で学ぶ意欲のある学生であること

 
(4)支援を受けられる年収の目安と支援額
 

 

給付型奨励金

学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な学生生活費を賄えるように、日本学生支援機構(JASSO)が各学生に支給します。
 
なお、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、表2の給付概算額の3分の2、もしくは3分の1の金額です(表1を参照)。
 

 

授業料等減免

給付型奨学金の対象者は、別途、進学先の大学等に申し込むことで、授業料と入学金の免除・減額を受けることができます。各大学等が、以下の上限額まで、授業料の減免を実施します。
 
なお、給付型奨励金同様、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、住民税非課税世帯の学生の3分の2もしくは、3分の1の支援額です。
 

 

手続きの方法

(1)入学1年前の4月~在学している学校と相談の上、「修学支援制度」の対象になっており、制度の活用を希望する場合には、学校の指示に従って、必要書類をJASSOに提出します。
 
なお、申し込みの際には、マイナンバー(本人・保護者分)のJASSOに提出する必要があります。マイナンバーカードを持っていない人は、別の提出書類を用意する必要がありますので学校ともよく相談をしましょう。
 
(2)申し込みを行った年の10月ごろに支援の対象になったら高校などを経由してJASSOから通知が届きます。JASSOから給付型奨励金の支援対象として認められた人は、進学後に授業料・入学金の支援も受けることができます。
 
(3)翌年4月に入学したら、進学先の大学等へ授業料・入学金の減免の申し込みをします。詳細については、進学先の大学等と相談するとよいでしょう。
 
(※)日本学生支援機構「平成30年度 学生生活調査結果」
 
(出典)
文部科学省「学びたい気持ちを応援します」
文部科学省「進学したいけどお金のことが心配な高校生のみなさんへ」
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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