更新日: 2021.08.26 その他暮らし

災害に備えよう 〜食品備蓄の方法とコツ〜

災害に備えよう 〜食品備蓄の方法とコツ〜
近年は、地震に限らず、台風、水害なども含めれば、毎年日本各地では大きな災害が起こっています。今年政府が公開した30年以内に震度6弱以上の地震が来る可能性のある日本地図の予測図の“真っ赤”な部分の多さからも、地震大国の日本では災害対策が欠かせないことがわかります。
 
9月1日は災害の日。自分だけは大丈夫と思わず、わが家の備えを見直してみませんか?
當舎緑

執筆者:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)「もらい忘れ年金の受け取り方」(近代セールス社)など。女2人男1人の3児の母でもある。
 

防災袋を備えたら安心なの!?

防災袋などを、普段からしっかりと準備されている方もいらっしゃるでしょう。ラジオや乾電池、ライト、ホイッスルなど、日常使わないけれど、非常時にこそ役立つというものはたくさんあります。
 
ただ、食品というものは、スーパーで買ってきて、そのまま防災袋に入れただけで満足しないでください。よく食品は賞味期限が切れていないかを確認しなさいといわれますが、備蓄食料には、それだけではないポイントがたくさんあります。
 
各家庭の人員構成によって、準備するべき食料はまったく異なります。備蓄食料の筆頭として挙げられる「乾パン」を考えてみてください。おいしいものをたくさん知っている現代っ子には、堅いパンはなかなか食べづらいかもしれません。
 
最初は親に言われて食べたとしても、「パンが固すぎ」「氷砂糖はおいしくない」なんて反発されてしまう可能性も。被災して気分が下がっている時に、さらに食べ物で嫌な思いはしたくないものです。
 
子どもや若者には、缶に入ったパンなど、比較的柔らかめのパンのほうが食べやすいかもしれませんので、家族に確認しておくとよいでしょう。
 
食料については、年代や好みを考慮することもポイントの1つといえます。スーパーなどで備蓄食料を購入する際は、以上のようなことも注意しておくと、効率良く買い物ができるかもしれません。
 

備蓄食料は普段から使うことを前提に

主婦(夫)の方のなかには、小麦が値上げしたり、サラダ油が値上げしたりと、食品の値段に一喜一憂しながら、やりくりしている方もいらっしゃるかもしれません。
 
そのような場合、災害時のための買い物をわざわざするというのは難しいかもしれません。ですから、現状のお買い物に行くスパンを「たまに空けてみる」ということを提案させてください。
 
もし2、3日おきに買い物に行っているのであれば、そのうちの1回を4、5日に空けてみる、などで大丈夫。買い物のスパンを空けると、いつもどおりの献立ができなくなります。
 
そこで、食材が少なくなってきた時に、真空パックのおかゆやお米、パスタ、そして缶詰のパン、魚、果物など備蓄食料になりえる食品を試食してみるのです。
 
例えば、乾物を置く場所を取り、いつもそこをいっぱいにすることを目標にした場合、「いっぱい置いてある」「減ったな」という点もすぐに視覚で確認ができるようになるかもしれません。
 
備蓄食料を普段目に触れない場所に置いておくと、知らないうちに賞味期限が切れていたり、家族の好みがわからず、単に「準備しただけ」になってしまったりする可能性もあります。
 
そんなことのないように、備蓄食料は、災害時だけの出番を待つものにせず、普段から活用できる食品にすることが理想的です。
 

備蓄食料のキホンの基本

普段から食べられる乾物、もしくはレトルト食品をご家族の皆さんで挙げてみましょう。目標としては、内閣府の防災情報のページで挙げられているように「1週間を想定した備え」です。
 
水は大人1人あたり2~3リットルといわれていますが、いくらあっても困りません。普段から、段ボールなど箱買いで備えてください。以下の、内閣府の「防災情報のページ」に掲載されている図をご覧ください。
 

出典:内閣府「できることから始めよう!防災対策 第3回内閣府防災情報のページ」
 
冷蔵庫や冷凍庫の食材を活用し、ローリングストック方式により、定期的に食べて、食べた分を買い足していく方式です。スープなど主菜にはならないものの少しでもおなかを膨らませることができて、いろどりになるものも普段から常備しておきましょう。
 
缶詰の焼き鳥など、味がしっかりとついているものも、疲れた時にはおすすめです。また、ネギや豆苗(とうみょう)など、家庭菜園ほどではないものの、身の回りで食材を育てておくと、物がない時には助かるものです。
 
備蓄食料は、「普段からできること」を基準にしましょう。最初からまとめて購入しておいておくだけではなく、カセットコンロでお湯を沸かしてパスタをゆでてみたり、キャンプ用品のガスコンロでお湯を沸かしてインスタントコーヒーを作ってみたり、災害時でなくてもご家族で取り組んでみてください。
 
取りあえずは1週間の食料を自分たちで準備することが目標です。災害はどこで起こっても不思議ではありません。いつ来ても良いように、普段から当たり前に準備すること、まずは備蓄食料から始めてください。別稿で、災害時の財産の備えについても見ていきますので、ぜひお読みください。
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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