更新日: 2021.08.29 子育て
一人っ子の教育費はいくらかかる? 注意したいポイントは?
実際に子どもの教育費はどの程度かかるのか、今回は一人っ子の場合の考え方や注意点も合わせて見ていきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもの教育費の範囲ってどこまで?
まずは、文部科学省が2年に1回実施しているの「子供の学習費調査」(平成30年度)を確認していきます。
こちらは幼稚園から高等学校までを調査の対象としておりますが、「令和2年度 文部科学白書」における高校進学率は95.5%(通信制を除く)のため、教育費の参考になるといえます。調査の中で「学習費」とは以下の3つから構成されています。
(1)学校教育費
授業料、入学金、学用品・実習教材費用、学校納付金、通学費など、学校での活動に必要な費用
(2)学校給食費
幼稚園、小学校、中学校で必要な給食に関する費用
(3)学校外教育費
塾や家庭教師といった学校外での学習・教育のための支出、ピアノやスポーツといった習い事など学校外における活動の費用
上記の合計が「学習費」として集計されており、これを教育費と見ていいでしょう。
また、文部科学白書によると令和2年度の大学・短大への進学率は55.8%(通信制を除く)で、大学進学を考えている場合は、さらに大学の入学金や授業料、その他付随して発生する各種費用も考慮する必要があります。
1年当たりの教育費ってどれくらい?
では、幼稚園から大学まで、それぞれの1年当たりの費用の参考を見ていきます。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 22万3647円 | 52万7916円 |
小学校 | 32万1281円 | 159万8691円 |
中学校 | 48万8397円 | 140万6433円 |
高等学校 | 45万7380円 | 96万9911円 |
大学(初年度) | 93万1125円 | 116万529円 |
大学(2年次以降) | 53万8734円 | 91万1716円 |
※e-Stat 「子供の学習費調査」(幼稚園から高等学校)、文部科学省 「国公私立大学の授業料等の推移」基に筆者作成
(注)大学は比較のため、令和元年度の統計から初年度は授業料+入学料、2年次以降は授業料のみ(施設設備費を除く)としています。
上記をそれぞれの学年分足していくと、幼稚園年少から大学4年まで全て公立の場合の教育費は約800万円、全て私立の場合は約2200万円という結果となります。
ただし、これはあくまで統計上の平均的な金額です。大学では学部による費用の違いや、1人暮らしをする場合は仕送りなどもあります。また、大学院への進学、海外留学など、さらに費用が必要なケースもあるでしょう。
一人っ子の場合の注意点は?
家庭にもよりますが、一人っ子の場合は教育費を十分にかけることができると考えられます。しかしながら、教育費の負担は子どもの成長に伴い、特に大学に進学する場合は長期にわたって増加することが上記の表からも分かります。
家計における教育費負担が大きくなり過ぎると、子どもが独立したあとの自分たちの老後への備えが不十分となる可能性もあります。
一人っ子だからといって、子どもの教育費に関しては際限なく費用をかけるという方針ではなく、老後のライフプランとのバランスも取れるようにしていくことが大切でしょう。
まとめ
以上、簡単ではありますが子どもの教育費について、一人っ子の場合の注意点と合わせて紹介しました。本記事を参考に、お子さまがある程度大きくなっていれば、家族全員でライフプランについて一度は話し合ってみるのもよいのではないでしょうか。
出典
e-Stat 子供の学習費調査(平成30年度)
文部科学省 令和2年度 文部科学白書
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部