更新日: 2021.09.02 子育て

意外と大きな額になる児童手当。どのように活用している人が多い?

執筆者 : 新井智美

意外と大きな額になる児童手当。どのように活用している人が多い?
子どもが中学を卒業するまで支給される児童手当。中学卒業までの15年間、毎月支給されることから、総額にするとかなりの額になります。児童手当を支給されている方は、その手当をどのように使っているのでしょうか。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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児童手当とは?

児童手当とは、0歳から中学校を卒業するまでの児童を養育している方に対して、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として支給されるもので、支給されるには所得制限を満たす必要があります。所得制限を満たす場合は、次の金額が毎月支給されます。
 

■支給月額(子ども1人あたり)

●3歳未満:一律1万5000円
●3歳以上小学校終了まで:1万円(ただし、3人目からは1万5000円)
●中学生:一律1万円

(出典:内閣府「児童手当制度のご案内」(※1))

 

児童手当の総支給額はいくらになる?

では、子ども1人における中学卒業までの総支給額はいくらになるのでしょうか。
 

■総支給額

子ども1人における総支給額は、3歳までが1万5000円。そして3歳以上小学校終了(12歳)までが1万円。中学生の間は1万5000円です。ただし、15歳の誕生日後の最初の3月31日まで支給されることから、誕生月によって総支給額は異なります。
 
例えば、4月生まれであれば総支給額は209万円ですが、3月生まれであれば198万円と11万円の差がつきます。とはいえ、最低でも198万円が受け取れますのでは、金額は決して少なくありません。
 

児童手当の使い道は?

厚生労働省の調査によると、児童手当の使い道は以下のとおりとなっています。
 

●子どもの教育費(44.2%)
●子どもの生活費(33.8%)
●家庭の日常生活費(29.4%)
●子どものための貯蓄もしくは保険料(21.8%)
●子どものお小遣いもしくはレクリエーション代(10.6%)
●子ども以外の貯蓄もしくは保険料(4%)
●大人のお小遣い(1.8%)
●その他およびまだ使い道を決めていない(10.5%)
(出典:厚生労働省「児童手当の使途等に係る調査」(※2))

 

■使い道は子どもの年齢によって異なる

上で紹介した使い道について、子どもの年齢別で集計したデータによると、以下のとおりとなっています。
 

(引用:厚生労働省「児童手当の使途等に係る調査」(※2))
 
これを見ると、子どもの教育費については、子どもの年齢が高くなるにつれ必要とされていることが分かります。
 
3歳までの子どもについては、将来のための貯蓄および保険料の割合が高くなっていますが、その割合は子どもが成長するにつれ、低くなっているところを見ると、年齢が高くなるほどに、貯蓄よりも教育費などの名目で出費をする必要性が高まる傾向にあることが読み取れます。
 

■子どものために使えない理由

回答の中には、子どものためではなく家計にまわしたり、大人のお小遣いに充てたりする方もいます。その理由としては、「家計に余裕がないため」が最も多く、全体の72.5%を占めています。このことから、このような家庭においては、児童手当を支給してもなお家計に余裕がない現実があることが分かります。
 

児童手当の上手な活用方法

総額でおよそ200万円を受けることができる児童手当ですが、どのように活用するのが良いのでしょうか。
 
最も大切なことは、その使い道をはっきりと決め、それに応じた用途に振り分けることです。日常生活費用として使う場合は、いくら必要なのかを計算したうえで、それ以外の額は貯蓄もしくは保険料に充てるなど、使うお金と貯めるお金に分けることもよいでしょう。
 
児童手当を保険商品に充てる場合、子どものための保険として学資保険が代表的ですが、なかには元本割れをする商品も存在しますので、選ぶ際には返戻率が高いものを選ぶなど、保険内容をしっかり確認しましょう。
 

まとめ

子どもにかかるお金は、日常生活費用のほかにも習い事の費用などさまざまです。そしてそれは子どもが成長するにつれ大きくなる傾向にあります。
児童手当の使い道は、早い段階で話し合って決めておき、例えば小学校入学や中学校入学などの節目に見直すことも大切です。
 
家計が苦しいなどといった理由で、児童手当を子どものために使えないという家庭もあるでしょう。近年は、高等教育の無償化などの支援策もありますので、子どもに関わる制度を正しく活用するためにも、最新情報のチェックも行いましょう。
 
児童手当の目的は、家庭の生活の安定に寄与すること、そして子どもの健康な成長のために使われることです。子どものための有意義な活用方法を見いだすような努力が必要といえます。
 
出典
(※1)内閣府「児童手当制度のご案内」
(※2)厚生労働省「児童手当の使途等に係る調査」(平成24年)
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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