更新日: 2019.01.10 その他暮らし
春からの新生活 浮かれ過ぎ注意!これだけ掛かる7大出費とその対策とは
Text:加藤桂子(かとう けいこ)
CFP(ファイナンシャル・プランナー)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
㈱ファイナンシャル ファシリテーターズ 代表取締役
東京外国語大学を卒業後、大手企業を対象とした語学講師を務める。退職後にFP資格を取得し、外資系金融機関に勤務。FPとして独立後は、「大切な人がより豊かになるために、選び抜かれた情報と優れたアイデアを」をモットーに会社を設立。個人・法人のご相談にのる傍ら、セミナー講師や執筆活動を行っています。
http://www.fpkato.jp/
新生活にはどんなものが必要か
(1)引っ越し費用
単身:5万円~10万円程度(時期と距離による)。
(2)敷金(保証金、敷引き)・礼金
全国平均は家賃の2~4カ月分(敷金・礼金のない物件もあるが退去時に修繕費用を別途請求されることがある)。退去時にどういう費用がかかるのか、またはいくら戻ってくるのかを契約前に確認すること。
(3)仲介手数料 不動産業者に支払う費用。1か月分の家賃程度。
(4)前家賃 家賃の1カ月分。
(5)鍵の交換費用 1万~2万円。
(6)火災保険 2年間の保険料1.5万円~2万円(単身の場合)。
(7)家具家電製品 10万円~。
ベッド(布団)、机(テーブル)、テレビ、テレビ台、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、掃除機、湯沸ポット、炊飯器、ドライヤー、カーテン、照明など。
学生はこのほかにパソコンやプリンターなども必要。
これらの費用を合計すると、家賃7万円ほどの賃貸物件で初期費用が50万円程度かかると思っておいたほうがよいでしょう。
新生活の節約のポイント
●引っ越し費用
引っ越しの繁忙期は当然ながら料金が高いので、時期をずらせるなら割引料金を使える可能性があるのでお得です。
●家具・家電製品
新年度に向けて大型量販店などで新生活スタート応援セールなどと銘打って、一人暮らしに必要なものをセット販売していることがあります。また、新品で購入する以外にも、インターネットで中古のものを購入したり、リサイクルショップなどを利用するのもいいでしょう。
おすすめは「ジモティー」という地域限定のインターネットの情報掲示板。不要になった品物を所有する人が、必要な人に無料かそれに近い金額で譲るサービスを展開しています。住んでいる地域で自分に必要なものが出ていないか一度チェックしてみましょう。
また、学生の場合は進学先の学校を卒業した先輩が実家に戻り、使用していたものが不要になる場合もあります。知り合いの先輩がいたら聞いてみましょう。
家具家電つきの賃貸住宅に入居する場合は、初期費用と必要なものをそろえる手間が少なくてすみます。しかしその分、家賃が高く設定されているケースが多いので、入居期間がどれくらいになるかも考えて決める必要があります。
●火災保険
入居者の火災保険は家財にかける保険となりますが、保険金額が自分の保有する家財全体の金額を大きく上回る場合は、金額を見直すことによって保険料を安くすることができます。
また、特約としてつけることを求められるのが借家人賠償責任保険ですが、これは万一火災等を起こしてしまった際、大家さんへの賠償責任をカバーするものです。火災のような大きな損害以外にも、入居や退去の家具移動の際に誤って壁に穴をあけてしまったような場合には、この借家人賠償責任保険(もしくは修理費用特約)が使えます(※通常使用の傷などは対象外)。
●退去の際の修繕費用
退去時の修繕費用に関しては、入居時に傷や汚れを防ぐ工夫をすることで(椅子の下にカーペットを敷く、湿気がこもってカビが発生しないようにまめに換気する等)、退去時に大きな修繕費用を請求されずに済みます。万一退去時に大家さんに不当に高い費用を請求された場合は、国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が参考になります。国土交通省のホームページからもダウンロードすることが可能です。
●そのほか
家賃の安い賃貸物件を探すと、駅から遠い物件になりがちです。特に女性の場合、下見する際には夜間も明るい道を通って帰宅することができるか、また近隣の雰囲気も含めて安全に生活できるかもチェックしましょう。
新生活をスタートさせるにはなにかと費用が必要です。早めに準備すると周囲の協力が得られたり、利用するサービスの割引等も使えますので、予定が決まったら早速準備に取り掛かりましょう。皆さんの幸せな新生活を心よりお祈り申し上げます。
Text:加藤桂子
CFP(ファイナンシャル・プランナー)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士