更新日: 2021.09.28 その他暮らし
マイナンバーカードと健康保険証が一体化! 申し込みはコンビニでできるって本当?
一体化により何が変わるのか、便利になるのか、利用するためにはどうすればよいのか、についてまずは知ることから始めましょう。
執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での業務を経て現在に至る。家計管理に役立つのでは、との思いからAFP取得(2000年)、日本FP協会東京支部主催地域イベントへの参加をきっかけにFP活動開始(2011年)、日本FP協会 「くらしとお金のFP相談室」相談員(2016年)。
「目の前にいるその人が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続ける。
従業員向け「50代からのライフデザイン」セミナーや個人相談、生活するの観点から学ぶ「お金の基礎知識」講座など開催。
2人の男子(高3と小6)の母。品川区在住
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表 https://fp-yumeplan.com/
マイナンバーカードと保険証の一体化がスタート
マイナンバーカードを利用することでさまざまなことができるようになりつつあります。
現状では、コンビニでの住民票発行、行政手続きのオンライン申請、e-Taxによる確定申告などが可能です。曜日や時間帯を気にせず、待ち時間なくコンビニで各種証明書が取得できる「コンビニ交付サービス」は、とても便利です。
次のステップとして、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります。「マイナ受付」のステッカーやポスターが貼られている医療機関や薬局では、すでに運用が始まっています。
活用したいマイナンバーカード
マイナンバーカードは、マイナンバー(12桁の個人番号)が裏面に記載されたカードですが、ICチップが組み込まれているため、「氏名」「住所」「生年月日」「顔写真」に加えて、「公的個人認証サービスによる電子証明書」の情報がデジタルデータとして記録されています。
これまで市区町村、社会保険事務所、税務署などがそれぞれ別々に保有していた情報をマイナンバーでひもづけて情報を一元化しようというものです。
「より個人を管理しやすくなる」という政府の思惑も否定できませんが、利用者として各種の情報サービスを活用でき、利便性が高まることに期待したいものです。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化でできること
マイナンバーカードと健康保険証の一体化は、マイナンバーカードが単にこれまでの健康保険証の代わりになるだけでなく、「データの連携」がポイントといえます。一体化によりできることとして以下が挙げられ、順次可能になります。
例えば、
・顔認証付きカードリーダーによる受付の自動化
・過去の処方薬や特定健診等のデータが連携されるため、口頭で説明しなくても安心して受診できる
・旅行先や災害時の受診でも情報が連携される
・マイナポータル(※)で処方された薬や特定健診の情報等、自分の体に関わる情報を確認できる
・高額療養費制度の書類の申請が不要
・マイナポータル(※)での医療費通知情報管理により、医療費控除の確定申告がe-Tax(オンライン)で完結(2021年度所得税の申告より)
・転職や更新でも保険証として継続して使用可能(医療保険等が変わる場合は、加入手続きは必要)
などが挙げられます(※1)。
(※)マイナポータルは、ログインすることでさまざまなサービスを利用できる自分専用のサイトです。マイナンバーカードを受け取ったら、アプリをダウンロードし 、必要な事項を入力して申請しましょう。
申し込みは
マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、事前に申し込みをする必要があります。
申し込みには、以下の3つの方法がありますが、スマホやカードリーダでの読み込みがうまくいかない場合も多くあるため、セブン銀行ATMでの手続きがおすすめです。
(1) セブン銀行ATMでの申し込み
マイナンバーカードでの手続き→(取引の選択)健康保険証利用の申し込み→カードをATMに入れる→パスワードを入力→完了
(2) スマートフォンでの申し込み
マイナポータルへのログイン→健康保険証利用の申し込み→パスワードを入力→マイナンバーカードの読み取り→完了
(3) パソコン(ICカードリーダ)での申し込みアプリ
マイナポータルへのログイン→健康保険証利用の申し込み→ICカードリーダの接続→パスワードの入力→マイナンバーカードの読み取り→完了
いずれにしても、マイナンバーカード発行時に登録した4桁のパスワードを入力します。3回連続して間違った場合にはロックがかかり、再発行の手続きをしなければなりません。十分に注意しましょう。
今後に期待
医療機関においても、マイナンバーカードを読み取るための「カードリーダ」を導入する必要があります。2021年9月現在の導入件数は、3640ヶ所(医科・歯科2291施設、調剤薬局1349施設)とまだまだ少ないのが現状です。本格稼働に向けて順次拡大していくことが期待されます。
プレ運用の時点では、資格情報の不一致や「情報が登録されていない」と表示されるなどのトラブルが報告されており、しばらくは健康保険証も携帯したほうがよさそうです。
まとめ~情報の管理
マイナンバーカードの利用については「必要性が感じられない」「身分証になるものはほかにある」「情報漏えいが心配」との声が多いのも事実です。また、希望しない情報までもひもづけされ監視社会を心配する声も聞かれます。
デジタル化による利便性や効率性アップは、手間を省き、時間の余裕をもたらしてくれるでしょう。私たちの生活がさらに充実したものにするためにも、意識を変えていく必要がありそうです。
いずれにしても、持ち歩くことで紛失するリスクやパスワード管理には、十分気をつけたいところです。そして、健康管理も忘れずに……。
出典
(※1)厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について~医療機関・薬局で利用可能~(令和3年7月)」
マイナポータル(マイナンバーカードの健康保険証利用)
執筆者:大竹麻佐子
CFP🄬認定者・相続診断士