更新日: 2021.10.04 その他暮らし
30代の平均負債額を調査!みんなどれくらい負債を抱えている?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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負債って何が含まれるの?
まず負債を確認できる政府の統計として、総務省が実施している「家計調査報告(貯蓄・負債編)」があります。最新版である2020年(令和2年度)版からデータをひもときます。この統計の中で負債については以下の3つに分かれています。
(1)住宅・土地のための負債
住宅を購入、建築、増改築や土地を購入するための借り入れ
(2)住宅・土地以外の負債
生活に必要な資金、事業に必要な開業資金や運転資金の借り入れで(3)の「月賦・年賦」を除く
(3)月賦・年賦
車、電化製品、衣類などを月賦・年賦で購入した場合の残高
30代の負債状況はどうなっている?
では30代の負債状況はどうなっているか確認していきましょう。比較対象がないと分かりにくいと思うので、各年代と比較していきます。
単位:万円
全年代 | ~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳~ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
負債合計 | 572 | 690 | 1330 | 1231 | 699 | 242 | 86 |
住宅・土地 | 518 | 627 | 1253 | 1152 | 620 | 192 | 66 |
住宅・土地以外 | 36 | 41 | 57 | 55 | 46 | 35 | 14 |
月賦・年賦 | 18 | 22 | 21 | 24 | 33 | 16 | 7 |
※負債合計値は万円単位の集計のため一致しないことがあります。
※政府統計の総合窓口(e-Stat) 家計調査報告 第8-5表より筆者作成
まず全年代の負債の平均値は572万円で内訳として住宅・土地が518万円、住宅・土地以外が36万円、月賦・年賦が18万円となっています。
しかしこれらの値には負債無しの家計も含まれていることから注意が必要です。概況表を読み解くと、調査世帯のうち61.5%が負債無しになっており、残り38.5%が負債ありということで、それらの負債の平均値が572万円ということになります。そのため、負債あり世帯だけで見ていくと中央値が1225万円、平均値が1486万円となっています。
上の表でも分かるとおり負債合計のうち、大部分が住宅・土地であることから、住宅ローンなどが負債の大多数を占めていると推定されます。
これらの注意点を踏まえて、30代を読み解いていきます。負債合計は1330万円、うち住宅・土地が1253万円、住宅・土地以外が57万円、月賦・年賦が21万円となっています。
まず住宅・土地が20代と比べておおむね倍増しています。そして40代以降はどんどん減少しています。この点については、30代で自宅などの購入を決断しローンを組む人が多くなっていると推測されます。
次に住宅・土地以外がやはり30代がピークの57万円になっています。こちらは生活資金や事業の資金が含まれている点から推定すると、子どもの教育費などの負担増や、独立開業などで資金が必要になった場合などが考えられます。
最後に月賦・年賦については21万円と各年代の中では少ない方になっています。こちらは住宅・土地などの負債残高が大きいため、逆にそれ以外の物品の購入については抑え気味に使用という考えが働くために、このような結果になっている可能性が考えられます。
まとめ
以上簡単ではありますが、30代の負債状況についてひもといてみました。
結果から、30代は住宅の購入といった大きな買い物や、独立開業といった大きな変化が背景に存在するのではないかと統計から推測できる結果でした。負債も計画的にコントロールしていくことで生活を豊かにすることができます。負債ゼロが絶対に必要というものでもないと筆者は考えます。これを機会に家計を再確認してみてはいかがでしょうか。
出典
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編) 2020年(令和2年)平均結果(二人以上の世帯)
総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編) 負債の状況
政府統計の総合窓口(e-Stat) 家計調査報告(貯蓄・負債編) 第8-5表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部